社員紹介制度 リファラル採用について
リファラル制度導入にあたり、規定ではなく、要領の作成で問題があるか教えてください。
(紹介にあたり、5万円/人 以下のインセンティブあり)
要領の場合、労基署への提出は必須でないと認識しております。
要領により、社員へ周知を行うこととしています。
リファラル制度は、要領ではなく、「就業規則として明記する、労基署提出必須」となるものでしょうか。
また、インセンティブ支給の要件として「入社後6か月以降も勤務している(休職期間は含めない)」とした場合、休職に入る前の欠勤も除き、半年勤務をカウントすることで問題ないでしょうか?
よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/09/01 11:00 ID:QA-0157557
- なやさん
- 東京都/鉄鋼・金属製品・非鉄金属(企業規模 501~1000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
リファラル制度のインセンティブは、従業員の紹介活動という労働(に準ずる行
為)の対価として支払われるため、法的には賃金と解釈するのが妥当です。
したがって、本来は就業規則に記載する必要があります。
一方、実務上、要領としている場合もございます。
臨時的・恩恵的給付として解釈し、ボーナスや退職金と同様に、
毎月支払われるものではなく、制度として定めていても臨時的な報奨金と捉え、
就業規則の「臨時の賃金等」に関する事項に該当すると考えます。
この「臨時の賃金等」は、就業規則に「定めがある場合」にのみ記載すればよい
「相対的必要記載事項」とされています。そのため、「報奨金制度」を定めていないという建前で要領を作成し、実質的な運用を行うケースもあります。
よって、必ずしも就業規則に明記していないと法令違反と判断されるものでは
ありませんが、要領は社内運用の指針であり、法的効力は就業規則に比べて弱い
こともありますので、就業規則への明記を推奨いたします。
また、休職に入る前の欠勤も除き、半年勤務をカウントすることで問題ないでしょうか?については、ルールとして明確に定めらえているのであれば、
問題ありません。(法令はそこまでを関与してはおりません。)
投稿日:2025/09/01 11:34 ID:QA-0157562
相談者より
丁寧に説明してくださり大変わかりやすかったです。ありがとうございました。
投稿日:2025/09/01 14:57 ID:QA-0157587大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 「規程」か「要領」か
リファラル採用は、就業規則で定めるべき「必須事項」ではありません。
→ 労働基準法89条の必須記載事項(始業終業時刻、賃金、休暇、懲戒など)には該当しません。
したがって、「要領」や「実施要項」として運用する形で問題ありません。
「紹介者への謝礼金(インセンティブ)」は福利厚生や奨励金の性質であり、賃金や労働条件そのものではないため、就業規則に必ず記載する必要はありません。
→よって、労基署への届出も不要です。
2. インセンティブの法的位置付け
紹介謝礼は 臨時的な金銭給付(奨励金) として扱われます。
社会保険料・所得税の対象となりますが、賃金規程や就業規則に必ず記載しなければならないものではありません。
ただし、トラブル防止のために「紹介制度実施要領」「Q&A」などを作成し、社内周知することが望ましいです。
3. インセンティブ支給要件の設定
「入社後6か月以降も勤務している(休職期間は含めない)」
このような条件設定自体は可能です。
法的には「紹介者に対して一定の成果が確定した場合に報奨金を支払う」という取り扱いになるため、支給要件を明確にしておくことが重要です。
「6か月勤務」とする場合は、実際に労務を提供した期間でカウントするのが一般的です。
休職期間は除外してカウントする運用で問題ありません。
休職前の欠勤日についても、労務提供がないため勤務実績には含めない扱いが適切です。
4. 実務上の留意点
所得税・社会保険料の処理:給与として源泉徴収が必要。
不正防止:「虚偽紹介」や「短期退職」による不正受給を避けるため、必ず書面や社内ポータルで条件を明確に。
整合性:他の手当や規程との関係(例:人材紹介会社利用との比較、リファラルと採用報奨金の違い)を整理。
5.結論
リファラル採用制度は 要領での運用で問題なく、就業規則への記載義務も労基署提出義務もありません。
インセンティブ支給要件については、「6か月勤務=実働ベースでカウント、休職・欠勤は含めない」という取り扱いで適法・妥当です。
トラブル防止のために、支給要件を「実施要領」に明記し、周知徹底することをお勧めします。
以上です。よろしくお願い申し上げます。
投稿日:2025/09/01 11:46 ID:QA-0157563
相談者より
丁寧に説明してくださり大変わかりやすかったです。ありがとうございました。
投稿日:2025/09/01 14:58 ID:QA-0157588大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
社員紹介制度はボーナス、つまり賃金の一環ですので、あくまで賃金規定などで明確化され、社内で公知されているかどうかが重要です。人事制度ではないので労基なども直接は関係ありません。
制度設計も貴社の賃金として不合理がなく、また社員のとらえ方が複雑でないように、しっかり想定し得る支給方法、非該当要件など明示しておけば良いでしょう。
早期の自己都合退職はもちろん、会社都合時はどうするかなども適用例かと思います。
投稿日:2025/09/01 13:08 ID:QA-0157571
相談者より
想定し得る支給方法、非該当要件をしっかり明示し、従業員へ周知いたします。ご回答有難うございました。
投稿日:2025/09/01 15:04 ID:QA-0157590大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
・会社の社員の社員紹介制度については、
内規ではなく、賃金規程に記載して賃金、給料として支払う必要があります。
また、謝礼や一時所得では、法違反となる恐れがあります。(職業安定法40条)
・休職前の欠勤は休職ではありませんので、除外するのであれば、
その旨記載してください。
投稿日:2025/09/01 13:29 ID:QA-0157574
相談者より
ご回答有難うございました。欠勤除外についてもおり込みたいと思います。
投稿日:2025/09/01 15:06 ID:QA-0157591大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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