振替出勤をした週の40時間超の割り増し賃金の計算について
いつも色々な方のご回答を参考にさせていただき、実務においても自身の知識においても勉強させていただいております。
今回は確認も踏まえて質問をさせていただきます。
ご教示いただきたくお願いします。
当社は月曜日を週の起算日として、1日の所定労働時間は8時間の勤務となっています。
今回の内容ですが、月給制のフルタイムの勤務の社員が、振替出勤をした週で月曜日から土曜日まで毎日9時間の勤務をした場合、法定外の時間は6時間(1日1時間✖️6日)を1.25倍で残業代の支給となり、土曜日の8時間以内までの勤務は「週40時間超の勤務」として割り増しの計算が必要になるかと存じます。
この時の割り増しの計算ですが、休日は振替えているため、8時間までの勤務は所定ない労働時間となるため月給に含まれているので、割り増しの0.25分だけを支給する計算で問題ないかと思っているのですが労基法に問題はないでしょうか?
この時に所定時間分の支給は必要ないかという認識です。
よろしくお願いします。
投稿日:2025/07/05 19:53 ID:QA-0154965
- ティケロウさん
- 東京都/教育(企業規模 1001~3000人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、振替休日を同一賃金支払期間内で付与されているという事であればご認識の通りです。
仮に振替休日を次回の賃金支払期間内で付与される場合ですと、先に基本賃金も含めて支給された上で、次回振替休日を付与された時点で当該基本賃金額を控除されるといった対応になります。
投稿日:2025/07/07 09:26 ID:QA-0154978
相談者より
服部様
明確なご回答ありがとうございます。
大変安心いたしました。
社員から不支給では?と質問があったものでしたので、間違いない旨をきちんと説明したいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
投稿日:2025/07/07 10:10 ID:QA-0154992大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
「振替出勤の週における時間外労働・割増賃金の計算」について、詳細かつ的確なご認識をお持ちでいらっしゃいます。
結論から申し上げますと、ご認識の計算方法で問題ありません。
以下、法的根拠を明確にしながら、順を追ってご説明いたします。
1.前提条件の整理
項目→内容
所定労働日→月~金(※今回は土曜が振替出勤)
所定労働時間→1日8時間、週40時間
今回の勤務実績→月~土:毎日9時間勤務(=6日×9h=54時間)
月給制→所定労働時間分の賃金は月給に含まれる
2.週の労働時間と時間外労働
週40時間を超えた14時間分(54h−40h)が法定時間外労働となります。
そのうち、「1日8時間超」の部分(=1日1時間 × 6日 = 6時間)は「1日単位の時間外労働」としても該当。
つまり、計14時間がすべて時間外労働(1.25倍)として取り扱われます。
3.振替出勤日の土曜について
本来休日の土曜を事前に振替出勤日とした場合は、労基法上の**「休日労働」には該当しません**(=割増1.35倍の対象ではない)。
そのため、土曜の勤務時間も所定労働時間として扱われ、週40時間を超えていれば、その分が時間外労働(1.25倍)となります。
4.割増賃金の支払い方法
ご認識どおり、月給に所定労働時間分(=1日8時間、週40時間)は含まれているため、
「法定時間外労働分の0.25に相当する割増部分」のみを支払えば適法です。
例えば、1時間あたりの基礎賃金が2,000円の場合:
→ 残業1時間あたり 2,000円 × 0.25 = 500円を追加で支払う形。
5.労基法・通達上の根拠
労基法第37条(時間外・休日労働の割増賃金)
労働基準法施行規則第19条の2(1か月単位の給与者の割増賃金算定)
通達「昭和63年3月14日 基発第150号」
月給制の場合、所定労働時間分の賃金は月給に含まれているので、
時間外労働分の「割増相当分(0.25)」を追加支給するだけでよい
6.結論
ご認識のとおり、
法定外労働14時間分はすべて 1.25倍の割増対象
月給に所定内賃金が含まれているため、支給すべきは 0.25倍相当額のみ
振替出勤日の土曜は「法定休日労働」とはならないため、1.35倍の支給は不要
したがって、労基法上の問題はなく、適切な運用です。
自信をもって進めていただいて問題ありません。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/07/07 09:32 ID:QA-0154980
相談者より
井上様
ご回答だけでなく法律の詳細についてもありがとうございます。
社員から不支給では?と質問があったものでしたので、間違いない旨をきちんと説明したいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
投稿日:2025/07/07 10:10 ID:QA-0154993大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
ご質問のケースにおいては、振替休日をいつ、取得するかによって回答が
異なります。
振替休日を、振替出勤日と、同じ給与計算期間に行われるのであれば、
ご質問者様のご記載通りで問題ありません。
一方、振替休日の取得日が給与計算期間を跨ぐ場合においては、
ご質問者様のご記載内容では問題がございます。
あくまで社員が実際に働いた分の賃金は、必ずその月の給与として全額を支払う
必要があります(全額払いの原則)。したがって、未取得の振替休日と勤務分の
給与を相殺することは法令上も問題がございます。
仮に月を跨ぐ場合においては、休日出勤分の割増賃金は全額を給与に反映させ、
翌月に振替休日が取得された際に賃金控除を行ってください。
貴社の会社規定に振替休日の取得時期について、定めがないようでしたら、
きちんと取得時期についても規定いただくことをお勧めいたします。
投稿日:2025/07/07 09:42 ID:QA-0154985
相談者より
米倉様
ご回答ありがとうございます。
今回は同月内での消化になっているのでご懸念いただいた箇所については大丈夫そうです。
今後ともよろしくお願いいたします。
投稿日:2025/07/07 10:11 ID:QA-0154994大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
土曜日が休日だとして、
土曜日を事前に振り替えているのでしたら
ご認識のとおりです。
投稿日:2025/07/07 11:39 ID:QA-0155013
相談者より
小高様
ご回答ありがとうございます。
ご記載の通り、土曜日の休日の振替になります。
問題ないことが分かり安心いたしました。
投稿日:2025/07/07 20:03 ID:QA-0155054大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご相談内容について回答いたします
ご認識の通り、1日1時間×6日の法定外労働時間については1.25倍での残業代の支給が必要ですが、土曜日の8時間の勤務については、休日を振替えて労働した分になるため月の所定労働時間に含まれており、結果として割り増しの0.25分のみ支給すれば足りる計算となります。
投稿日:2025/07/08 22:03 ID:QA-0155121
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
翌日に跨ぐ勤務時間について 基本的な質問になるかと思いますが... [2005/11/10]
-
半休の場合の割増無の時間 派遣勤務者は、本社と勤務時間が異... [2017/06/26]
-
勤務の区切りについて 勤務時間の区切りについて質問しま... [2007/10/03]
-
早朝勤務者の短時間労働について 弊社では、事業のために土曜日の早... [2008/05/02]
-
勤務日の考え方についてご相談です。 日曜日 23:45-26:00 ... [2025/04/04]
-
日またがりの勤務について [2005/11/16]
-
勤務地について 新卒採用の際、勤務地限定採用はし... [2005/11/16]
-
給与計算で7時間勤務と8時間勤務について どうぞ宜しくお願いいたします。弊... [2022/02/03]
-
1日の勤務のあり方について 1日の勤務のあり方について質問し... [2005/06/28]
-
休日出勤時の残業代 弊社では土日祭日は休日と就業規則... [2017/11/27]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
勤務間インターバルの社内周知文
勤務間インターバルを導入する際に、社内に対象者や運用ルールを周知するための文例です。
勤務シフト表
シフトの時間調整をするための表です。
勤務間インターバルの規定例
勤務間インターバル制度を就業規則に規定するための例です。
休業手当の計算シート
休業手当の計算例を示したシートです。