有給休暇の全労働日の8割以上出勤の考え方について
お世話になります。
完全リモート勤務で、フルフレックスのような勤務形態で、週40時間までの勤務のうち、実際に労働した時間に応じて賃金を支払っています。
月のうち必要な日数(時間)だけ出勤する形態なので所定労働日数の概念もなく、欠勤の概念もありません。
有給休暇の要件の、全労働日の8割以上の出勤という要件はどのように考えるべきでしょうか。
例えば業務量の関係で月20時間などの短い労働時間になったとしても、業務の放棄や、正当な理由がなく長期にわたって返信をしない、などがなければ8割以上の出勤要件を満たしていると思うのですが、判断基準が主観的で公平性に欠けるように思っています。
どうぞ宜しくお願い致します。
投稿日:2025/04/14 16:25 ID:QA-0150975
- *****さん
- 東京都/その他業種(企業規模 1~5人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
まず、ご質問者さまですが、契約形態としては、あくまで雇用契約であり、
雇用契約ではない、業務委託契約等には該当しないでお間違いないでしょうか。
ご記載の文章を拝見する限り、そもそも雇用契約ではない可能性もあった為、
ご質問をさせていただきました。
雇用契約の場合、労働条件通知書が必ず発行されます。その上で、
労働条件通知書の勤務条件における勤務日はどのように記載がされております
でしょうか。まずは、そこをご確認ください。
何ら記載等がなければ、そもそも、労働条件通知書内容(契約内容)に、
問題がある可能性がございます。
なお、通常は、有給休暇付与要件における出勤率は、算定期間における、
所定労働日数の合計日数に対して、出勤率を算出いたします。
また、所定労働日数の算出が困難な場合は、会社側の責もございます為、
有給休暇付与上の出勤率は100%と実務上も、みなすことが多いです。
投稿日:2025/04/14 17:49 ID:QA-0150977
相談者より
ご回答ありがとうございます。
実務上100%とみなして処理しようと思います。
なおこちらは雇用契約となり、週20時間以上ないし週30時間以上の勤務が継続して見込まれる場合は、それぞれに応じて社保の加入もしております。
労務を受け持った身としては非常に事務が煩雑ですが、一方で大変勉強になっております。
従業員の方々が不利益に扱われないよう注意しながら整備を続けてまいります。
投稿日:2025/04/15 12:11 ID:QA-0151035大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
所定労働日がない場合の「8割出勤」はどう考える? 実際に業務指示があった日を「全労働日」とし、対応した日で出勤率を算出
月20時間しか働いていなくても有休付与できる? 業務放棄等がなく、出勤率が8割以上なら問題なし
公平性を保つには? 出勤率算定のルールを文書化+記録管理の仕組みづくりがおすすめ
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
完全リモート・フルフレックスで、所定労働日数や欠勤の概念がない働き方における、年次有給休暇の「8割出勤要件」をどう考えるか? という非常に重要な論点ですが、このような柔軟な勤務形態が増える中で、従来の「出勤・欠勤」という枠組みでは判断しづらくなるのはご指摘のとおりです。以下、法的根拠・実務運用の観点からご説明申し上げます。
結論
「8割以上出勤」=『全労働日』に対して出勤したかどうかですが、全労働日の定義がポイントになります。
フルフレックス制や業務量に応じた勤務で、「所定労働日」が明確でない場合は、契約や実績から「全労働日」をどう定義するかがカギです。
法的な定義と運用解釈
・労働基準法における「8割出勤」要件(第39条)
「全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、有給休暇を与えること」
・「全労働日」とは?
労働基準法上では、「労働契約上、労働義務のある日」が全労働日に該当します。
→つまり、「本来働くべきだった日数」のうち、実際に出勤・業務した日数の割合が8割以上であることが必要。
・完全リモート・フルフレックスにおける考え方
全労働日の設定方法(2通り)
方法 内容 実務上のメリット
(1)契約上の上限ベース(週40h)契約上「週40時間まで勤務」としている場合、それをフルに働いた場合の日数で計算(例:週5日×52週=260日)明確で機械的に判定できる
(2)実際の業務提供実績ベース過去1年の勤務日数から、実質的な「労働義務日(業務が割り振られた日数)」を集計して全労働日とする実態に即していて柔軟性がある
・おすすめの実務運用(御社のようなケース)
御社のように「所定労働日数が存在しない」「業務に応じて勤務時間が変動する」「業務の放棄がなければOKという柔軟な運用」という場合は、実際に業務が発生し、従業員が対応することが期待された日数を「全労働日」とみなすのが実務的かと存じます。(最終的には、所轄の労働基準監督署の担当官にご確認されることをお勧め申し上げますが、・・・)
例
契約期間:2024年4月1日~2025年3月31日
業務日(会社が仕事を割り振った日)合計:年間120日
うち、従業員が対応した日数:110日
→出勤率:110 ÷ 120 = 91.6% → 8割以上で要件クリア
公平性と客観性を保つために
対策 内容
・勤務実績記録を残す「業務指示があった日」と「対応した日」の記録をデジタルで管理(チャット・勤怠など)
・「全労働日の定義」をルール化社内規程・労働条件通知書などに、「全労働日は業務指示があった日とする」など記載
・出勤率の計算ルールを統一全員に共通のルールで出勤率を算定(公平性が保たれる)
まとめ
質問 回答
所定労働日がない場合の「8割出勤」はどう考える? 実際に業務指示があった日を「全労働日」とし、対応した日で出勤率を算出
月20時間しか働いていなくても有休付与できる? 業務放棄等がなく、出勤率が8割以上なら問題なし
公平性を保つには? 出勤率算定のルールを文書化+記録管理の仕組みづくりがおすすめ
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/04/14 19:50 ID:QA-0150983
相談者より
ご回答いただきありがとうございます。
該当の従業員ごとや、その時々によって判断が分かれないよう、統一全員の共通のルールの文書化と周知、記録管理の仕組みづくりに取り組みたいと思います。
投稿日:2025/04/15 12:18 ID:QA-0151036大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
会社として欠勤の概念がないということであれば、
その言葉のとおり、出勤率は100%ということになります。
欠勤としたいのでれば、
所定労働日あるいは、所定労働日数を明確にしておくことです。
投稿日:2025/04/14 20:31 ID:QA-0150986
相談者より
ご回答いただきありがとうございます。
実務上、出勤率100%として有給休暇の処理を使用と思います。
投稿日:2025/04/15 12:22 ID:QA-0151037大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、極めて特殊な勤務形態になりますので、これまでの従業員の勤務実績から平均的な労働日数を算出される他ないものといえるでしょう。
ちなみに、正式に労使協定の締結でフレックスタイム制の導入をされていない限り、1週40時間のみならず1日8時間の法定労働時間も厳守されなければなりません。また週1日の法定休日の確保も当然ながら必要ですので、これらを超える場合の割増賃金の支払漏れ等が生じないよう注意が必要です。
投稿日:2025/04/14 23:06 ID:QA-0150999
相談者より
ご回答いただきありがとうございます。
ご指摘の通り特殊だと常々感じております。
月の労働時間の変動が大きい、とくに勤務時間の短い従業員の標準労働時間の決定が難しく、そもそもフレックスタイム制(コアタイムなし)がこの勤務形態に適しているのかと頭を抱えます。
36協定を結んでおり、割増賃金は支給を致しておりますが、念のため再確認致します。ご指摘くださりありがとうございます。
投稿日:2025/04/15 12:33 ID:QA-0151039大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
全労働日の8割以上出勤というのは、有給休暇を取得するに際しての最低基準を定めたものであって、基準を上回る限りは何も問題はありませんので、このような場合は出勤率はクリアしたもの(100%)とみなして対応すればよろしいでしょう。
投稿日:2025/04/15 10:04 ID:QA-0151027
相談者より
ご回答くださりありがとうございます。
100%とみなした処理をしたいと思います。
投稿日:2025/04/15 12:36 ID:QA-0151040大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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