株式会社吉野家ディー・アンド・シー
「店舗が原点」を貫いていく人材戦略
株式会社吉野家ディー・アンド・シー 人材開発部 人事担当 課長
松川勇司さん
人事とは、人が人を評価する、人が人の人生を左右するかもしれない、大変な仕事である。 その重責に、現役人事部員たちはどう向き合っているのか?(聞き手=ジャーナリスト・前屋毅)
- 松川勇司さん
- 人材開発部 人事担当 課長
まつかわ・ゆうじ●1964年生まれ。83年吉野家ディー・アンド・シー入社。店長、エリアマネジャーを経験。98年3月に研修部、2001年4月に外食他社へ出向後、2003年3月から人材開発部人事担当。
入社すると「店長」のマネジメントを教わって現場を経験します。
1つの店舗に短くて半年、長くて2年くらい勤めることになります。
前屋:こんなことを言うと失礼かもしれませんが、人事担当課長のお肩書きからすると、松川さんはずいぶん若く見えますね。
松川:1983年に高校を卒業して、すぐに入社しましたから、じつはもう42歳です(笑)。
前屋:吉野家ディー・アンド・シーはアルバイトから正社員になる率が高いと聞いたことがありますが、それは事実ですか。
松川: 事実です。半数ぐらいはアルバイトを経験していると思います。他の業界では、仕事を理解してもらうためにインターンシップを行っていますが、外食産業はアルバイトとして経験できるから、多いのではないでしょうか。
前屋:松川さんも吉野家でアルバイトの経験はあったのですか。
松川:僕は吉野家のアルバイト経験はないんですよ。83年に入社したのも、じつは吉野家ではなくてレストラン西武という会社だったんです。入社式、新入社員研修を終えて、吉野家への配属が発表されました。僕と吉野家との出会いはこの時です。
前屋:当時は吉野家の経営が悪化していたころで、レストラン西武も一員であるセゾングループが再建に乗りだしていたときですね。レストラン西武は伸びていた時期でしたけど、「大丈夫か?」などと言われていた吉野家に配属されて、松川さんの心境はどうでしたか。
松川:入社して間もなかったことでしたし、また、僕らのほかにもグループ内の会社に配属されていた方も多かったので、どのように配属が決まったのかと思うこともなく、「そういうものなのかな」って思いましたね。それに、学生時代から、吉野家ではないのですが居酒屋やレストランなどの外食産業でアルバイトをしていたので、同じ外食産業である吉野家は嫌だなとは思いませんでした。
前屋:ただ、吉野家という会社としては、つまずいた時期ですよね。そういう会社に配属されることに抵抗はなかったですか。
松川:まったくなかったといえば、それは嘘になります(笑)。でも、それほど強い抵抗感があったわけでもありませんよ。
吉野家に入社して、店長になるための訓練期間としてアシスタントマネジャーというポジションに就きました。私のような高卒採用者もいれば大卒もいるし、吉野家のアルバイトから採用された人たちもいましたね。入社後、まずは店舗でのオペレーションを覚えて、それから店長としてのマネジメントを学んでいくわけです。
前屋:その期間を経て、店長になると。松川さんは、店長としての仕事をどれくらいやりましたか。
松川:7年ほどです。その後、店長を指導・教育する立場であるエリアマネジャーの仕事に就き、店舗の運営に関連した仕事を15年ほど行いました。店長としては1店舗に短くて半年、平均すると1年くらい勤めることになります。会社はそうやって、社員にいろいろな店舗を経験させながら、育成していくわけです。
店舗によっては売上が伸びてきている店や、競合他社の関係で減少しつつある店などあります。また、アルバイトさんが集まりやすい店、集まりにくい店など、さまざまです。私が経験した中では、思うようにアルバイトさんを採用できないという店舗もありました。1店舗につき、アルバイトさんは15~20名が在籍しているのですが、その店舗は8名しかいなかったんです。たとえば学生アルバイトさんが卒業をきっかけに辞めると、その後輩に引き継がれたり、そのようにして代替わりしていくことが多いのですが、その店舗ではたまたま前のアルバイトさんが辞めたタイミングで次が集まらなかったんですね。
現在でも、学生アルバイトさんが集まりにくい店舗というのがあるんですよ。たとえば、東京の日本橋の地域にある店舗ですね。そのあたりに住んでいる学生さんが少ないし、学校がたくさんあるわけでもありませんからね。アルバイトさんがうまく集まらないときは他の店舗から応援に来てもらうのですが、私が経験したその店舗ではそれでも人手が足りなかったんですね。それで店長の私も、昼、夜、深夜と時間を惜しまず一生懸命働きました。店長として、自分の部下であるアルバイトさんと一緒に自分なりの店をつくりたいという気持ちが強かったので、あまり応援に頼りたくなかったんですね。
1店舗目で成功したことが2店舗目でも成功するとは限りません。
アルバイトさんへの接し方、教え方を考えながらやっていきます。
前屋:店長を長く務めてこられて、それから人事に異動されたと。人事の仕事はいつからですか。自分から希望されたのでしょうか。
松川:異動は3年前で、人事を希望していたわけではありませんでした。「自分は人事というタイプかなあ」と、異動が決まったときに思ったほどですから(笑)。
私が人事に持っていたイメージといえば、堅苦しい雰囲気、といったものでした(笑)。もちろん、人事の仕事を詳しく知っていたわけではありませんが。
前屋:異動してみて、実際に堅苦しい職場でしたか。
松川:いえ、「意外とおもしろいな」という印象を持ちました。私が所属している人材開発部は労務、人事採用、教育研修と福利厚生のセクションに分かれています。その中で人事を担当しているわけですが、人に関することのすべてが仕事になるのです。それは労務、教育研修や福利厚生にもかかわってくる。いろんなミーティングにも参加していますが、ほんとに奥が深くて、人事というのは「やりがい」のある仕事だなと感じますね。
ただ、「おもしろい」と感じられるようになるまでには、1年半から2年はかかりました。最初のころは、人事担当者はどうあるべきかを考えながらも、今、行わなければならない課題をやっていくだけでした。それが1年半くらい経つと、現状の課題だけでなく、自分なりに「こういうこともやりたい」というのが見えてくるんです。気持ちに余裕が出てくるんでしょうね。そうなってきて初めて「やりがいのある仕事」と感じられるようになりましたね。
前屋:それは店舗の仕事をするときとは違う感覚ですか。
松川:店舗の店長のときは2つ目の店舗を担当するころから余裕が出てきました。だから早ければ半年から1年くらいです。
1店舗目で経験する中で、自分なりの店づくりを考えられるようになる。でも、1店舗目で成功したからといって、同じやり方で2店舗目でも成功するとは限りません。1店舗目と2店舗目では売上規模や入客集中度は異なりますし、また、アルバイトさんの経験年数やレベル、年齢層などさまざまですから、1店舗目で学んだことを参考にして考えながらやっていくわけです。
店舗には、ベテランのアルバイトさんもいるんですね。店長の自分よりも10歳以上年長のアルバイトさんもいたりします。そういう人に対して、こちらが「店長だぞ」と威張ったような態度でいたら、向こうはやる気をなくしてしまったりしますから、本当の意味でのリーダーシップは発揮できません。そうならない人間関係を、店長はアルバイトさんたちとつくっていかないといけない。いくつかの店舗を経験していく中でいろいろと学び、自分の「引き出し」を増やし続けていく必要があるんです。
前屋:自分より10歳も上のアルバイトさんと接するときに、何がいちばん大事ですか。
松川:店舗のオペレーションについては経験豊富な人が多いので、こちらが教わるところはたくさんあるんですね。そういうところを真摯に聞く姿勢を持つことだと思います。
要は、相手の良いところは誉めてあげる、不足するところは教えてあげるという会話をすることです。何事も話してみないと始まりません。私の場合は19歳で店長に任命していただきましたので、ほとんどが年上のアルバイトさんでした。でも、「やりずらいな」とは考えないで、積極的に話しかけるようにしていました。そうしないと、絶対にコミュニケーションはうまくいきません。
採用面接の場では応募者に必ず「失敗」した体験談を聞きます。
失敗したときに自分の行動を反省できる人が伸びる人材なんです。
前屋:店舗の仕事から人事へ移られて、現在は具体的にどのような仕事を担当されているのでしょうか。
松川:正社員の採用、選抜ローテーション、人事評価や能力開発などを担当しています。
さきほど「吉野家はアルバイトから正社員になる率が高い」というお話がありましたが、いろいろな業界の人事担当者が集まるところで、アルバイトからの正社員採用が多いという話をすると、うらやましがられるんです。アルバイトさんは、今の店長やエリアマネジャー、または今までの店長、エリアマネジャーと接して、「自分もこういう人になりたい、こんな仕事をしてみたい」と思ってくれるのかもしれません。私も店長をやっていたからわかるんですが、アルバイトさんと店長というのは、業務の話もそうですが、この会社をこうしていきたいんだという店長自身のビジョンや考え方、それにプライベートも含めて、いろいろな話をするんですね。そういう会話を通して吉野家に共感をもってもらったり、「社員になりたい」と感じてもらったりするのかなと思うんです。
前屋:ということは、採用活動に各店舗の店長、エリアマネジャーたちが大きな役割を担っているわけですね。変な店長、エリアマネジャーだと、アルバイトさんも「こんな人のいる会社の社員になんてなりたくない」ってなりますよね。
松川:そうですね。これは採用という側面だけではありませんが、そうならないように、今までも、今も、これからも人材育成最重点主義で取り組んでいます。目標となる店長、エリアマネジャーを育成することで、いい人材がたくさん採用できることにつながるでしょうね。
吉野家は「店舗が原点」という考え方を貫いているんです。だから新入社員はどんな職種を希望して入社してきても、まず最初は店舗を経験することになっています。店舗、いわゆる店舗運営部門から入って、実績を上げた人には本社各部門に配属されるチャンスが与えられ、そしてまた店舗運営部門に配属というローテーションを行っているんですね。まずは現場で実務を体験、経験し、次に本社部門で営業をサポートする仕事を経験する。本社部門から客観的に店舗運営部門(店舗)を見て得たものを現場で生かすわけです。だからこそ吉野家は「店舗が原点」なのですが、そこで必要とされる人材の条件は、「人に対する好奇心、関心、興味が強く、人と接することが好き」「チャレンジ精神の高い人」ということになりますね。
「人と接することが好き」ということをもっとわかりやすく表現すると、店長という仕事を通して数多くのお客様とも接しますし、また数多くのアルバイトさんとも接します。そのことも含めて「誰かのために役に立ちたい」ということですね。
前屋:人が好きかどうか、そこを見きわめて人材を採用することは難しいですよね。松川さんなりの見きわめ方があるのでしょうか。
松川:面接の場でいろいろなことを聞かせてもらっています。もちろん、学校のサークル活動やアルバイト経験での成功体験も重要ではありますが、私が重視しているのは、失敗談ですね。まだ若い学生さんであっても、それまでにいろんな失敗をしてきているはずです。あまりうまくいかなかった時の話はしたくないとは思いますが、あえて聞きます。
失敗したことをどう受け止めて、どうすればよかったんだろうと考え、次にどうつなげているのかということを知りたいのです。失敗談を語ると、「他人のせいにする」または「自分を中心に失敗を解決した」と語る人が少なくありません。そういう人は、いくら口で「人が好き」と言っていても、「他人のことは考えられないんだろうな」と考えられますからね。失敗談を他人に気を使いながら話せる人は、人のことを考えながら自分も成長しようという気持ちのある人だと思いますから、そのような人を探すのです。
失敗談を重視するのは、失敗を糧にしない人は成長しないからです。私も店長をやっているあいだに、たくさんの失敗をしてきました。それを失敗のまま終わらせるのではなく、そこから反省して、学ぶべきものを学び、それを現場で生かしてきたんです。だから、そういうサイクルを持っているかどうかが重要だと考えているわけです。
私の若いころの経験なのですが、店長の仕事に自信を持ちはじめたころでした。ある店舗で、アルバイトさんに、私の計画や考え方を正しく伝えもしないで、「理解できないのなら」という姿勢で臨んでしまい、案の定、半分くらいのアルバイトさんが辞めてしまったということがありました。
同じような経験を、学生でもしているんですよ。クラブなどで自分の言い分ばかりを通したために誰もついてこなかった、とかね。それを他人のことを考えられない人は、「ついてこないほうが悪い」となりがちです。しかし「人と接することが好き」な人なら、相手のことも考えながら反省できる。そういう人は、店長として経験を重ねて成長していけるし、店も伸ばしていくことができるんですよ。
アメリカ産牛肉の輸入禁止で牛丼販売を中断した2年前に比べると
「吉野家の将来は不安だ」と考える学生さんは減ってきていますね。
前屋:吉野家のこれからの採用状況を教えていただけますか。
松川:2007年度の採用予定は100名です。2005年度と2006年度の採用数は各40名だったのですが、店舗数を増やしたり、その他いろいろな面での活性化を考えたりしたうえでの採用増です。
前屋:多くの大手企業では現在、50歳以上の層が重荷になっている問題が顕在化しつつありますが、吉野家の場合はどうでしょうか。
松川:その層は少ないんです。正社員1000人の中で、50代は数十名くらいですからね。団塊の世代の大量定年が話題になっていますが、そういう状況が吉野家で起きるのは10~15年後くらいです(笑)。
前屋:団塊の世代が定年退職する企業でも補充のために若手の採用を増やそうとしているし、そうした状況の中で採用を倍にするのは、人事部としては大変なんじゃないですか。
松川:そうですね。一般の大学4年生などを対象とした会社説明会の手法など工夫をしています。また、就職を考えなければならない大学4年生や高校3年生で、いま吉野家でアルバイトしている人たちが全国で1000名ほどいます。その人たちの中で優秀な人たちには、これまで店長やエリアマネジャーなどが採用の働きかけをすることもありました。今年からは、人事のスタッフ全員が店舗に出かけて働きかけているんです。
ただ、私も店舗をまわってみると、吉野家への就職を考えてみようというアルバイトさんは、思っていた以上に多くないのが現状です。よく話を聞いてみると、吉野家の経営理念や事業計画、また、仕事の種類、やりがい感などすべては伝えきれていなかったのです。仕事の種類で見れば、アルバイトさんは店長やエリアマネジャーにしかなれないと理解しているみたいなんです。もちろん店長を経験するのは必須ですけど、それだけではないよ、本社部門でもいろいろな仕事ができるチャンスはあるんだよ、と説明しているんですけどね。そのあたりの誤解は、吉野家でアルバイトの経験がない学生さんにもあるようです。そこも丁寧に説明していかないといけません。
前屋:アメリカ産牛肉の輸入禁止問題で牛丼の販売がストップしている状況もありますから、吉野家の将来について不安を持っている学生さんも少なくないかもしれません。
松川:そういう不安も学生さんになくはないでしょうね。ただし、ここ2年くらいかけて新メニュー開発を中心に吉野家としても全社 一丸となってやってきていますので、輸入禁止問題が起きたころに比べると、「牛丼がないから吉野家の将来は不安だ」というふうに考える学生さんは減ってきていますよ。
これは一昨年(2004年)のことですが、本社のスタッフ全員がローテーションを組んで、店舗で2カ月間仕事をしたんですね。本社スタッフの大部分は、牛丼がメインであった時代しか知りません。牛丼がメインの店のオペレーションと、商品が増えた今のオペレーションは違っているんですね。本社スタッフは店舗をサポートするのが役割ですから、新しいオペレーションなどを知らないとサポートできないのです。そこで、全員が店舗で経験してきたわけです。
そのような取り組みも進めながら、吉野家は新しい環境への対応をしようとしているのですね。それに、そんな機会も生かして、本社のスタッフが店舗のアルバイトさんと話をしたりしています。吉野家がこれからどういう方向に進もうとしているのかを共有すれば、アルバイトさんが抱いていたそういう不安が減るんですよ。
前屋:吉野家ディー・アンド・シー人材開発部としての、これからの方針、そして松川さん個人として人事の仕事について考えていることを教えてもらえますか。
松川:人材開発部としての課題を三つ挙げると、1つには、他の企業でもあげられているように、社内リーダーの育成、自律(立)型人材の育成を含めたトータルキャリアの再構築をすること。2つには、さまざまな法改正に伴う制度構築、そして3つには人材の質と量を獲得するための採用マネジメントの変革ですね。
また、個人としては優秀な人材をどのように確保するかという点で、説明会への誘導方法、説明会のあり方、内容や吉野家が求める人材を見極めるための面接技法の向上、また、人事面では将来のコア人材候補を選抜するためのアセスメント手法のブラッシュアップやアッセッサーとしての更なるレベルアップですかね。
これからもますます変革が求められます。企業は人なりと言われますが、人に関するあらゆることを統括する部門である人材開発部が、変革の手本となる行動を進めていくことが重要であると考えています。
(取材は2006年2月17日、東京・新宿区の吉野家ディー・アンド・シー本社で)
インタビューを終えて 前屋毅
企業が安定して成長していくためには、社員の年齢構成のバランスが必要だ。1947年から51年生まれの「団塊の世代」の大量定年が始まる2007年を目前にして、各企業は年齢構成のバランスをとることに必死になっている。
50代が極端に少ない吉野家ディー・アンド・シーの場合、2007年に向けて差し迫った対策を取る必要はないようだ。それでも30代から40代が突出しているというアンバランスな構造を抱えている現状で、それを是正していくことは人事担当にとって大きな課題のようだ。
ただし、募集対象をアルバイトに絞りやすいという特殊な事情が吉野家にはある。訓練を積んできた人材を採用することになるのだから、採用後も有効に活用することが可能なはずである。半面、募集対象者に会社としての実態をさらけだしているわけだから、小手先の募集策は通用しない。実態をよくすることが、そのまま採用を有利にやることにつながってくる。そうした意味でも、採用だけでなく教育、労務、福利厚生という人材開発部全体の仕事が重要になってくるはずだ。
その強化策が、担当ごとの垣根をとり払うという施策のようだ。垣根をとり払うことは、部内全体で役割・課題を共有することにつながり、問い合わせに対して誰でも素早く応えられることになる。それだけ、問い合わせもしやすくなる。問い合わせが増えれば、テーマも見えてくるわけで社内の改善も進む。良いサイクルにつながっていくわけだ。そういう方向を吉野家ディー・アンド・シーの人材開発は目指している。
変化の激しい時代にあって、取り組むべきテーマは、従来の仕事の枠のなかだけでは見えにくくなっている。的確に見抜くためには、社内と人事部の垣根を低くする必要がある。今回のインタビューで、そのことを強く感じた。
まえや・つよし●1954年生まれ。『週刊ポスト』の経済問題メインライターを経て、フリージャーナリストに。企業、経済、政治、社会問題をテーマに、月刊誌、週刊誌、日刊紙などで精力的な執筆を展開している。『全証言 東芝クレーマー事件』『ゴーン革命と日産社員――日本人はダメだったのか?』(いずれも小学館文庫)など著書多数。