プライミング効果
プライミング効果とは?
「プライミング効果」とは心理学用語で、あらかじめ受けた刺激により、その後の判断や行動が影響を受ける現象のこと。「前に」という意味の「プライム」に由来しています。無意識レベルで発生し、人々の行動に潜在的な影響を及ぼすものです。あらかじめ与えられる刺激を「プライマー」、プライマーによって影響を受ける後続の刺激を「ターゲット」といいます。プライミング効果は人々の購買意欲にも作用するため、広告などマーケティングにもよく活用されています。
「ふと選んでしまう」
プライミング効果を人事領域に応用するには?
どこからか漂ってきたカレーの匂いを嗅いで、夜ご飯をカレーにすることにした経験はないでしょうか。ポイントは、無意識。「匂いがして食べたくなったから、夜はカレーにしよう」と意識するのではなく、ふと思い立ったかのようにカレーを選んでいるのがプライミング効果です。
プライミング効果には「直接プライミング効果」と「間接プライミング効果」の二つがあります。あらかじめ与えられる刺激を「プライマー」、プライマーによって影響を受ける行動を「ターゲット」といいますが、「直接プライミング」はプライマーとターゲットが同じであること。「間接プライミング」はプライマーとターゲットが関連しつつも異なることです。
前出の例で言えば、カレーの匂いがプライマー、その後カレーを食べる行動がターゲットです。どちらも「カレー」なので、これは直接プライミング。対して、「インド」や「スパイス」といった情報からカレーを連想するようなケースは間接プライミングとなります。マーケティングに活用する際は、消費者のどのような行動を促したいか(ターゲット)から逆算し、プライマーを設定します。
プライミング効果は人事領域に活かすこともできます。例えば従業員アンケートで、チームワークの重要性を示す設問を用意します。すると、「チームワークが大切だ」と意識しなくても、協調性のある行動に関する選択肢を選ぶ。その結果、従業員は協力的な行動をとりやすくなる、という流れが考えられます。
プライミング効果を活用するには、目的を明確にすることが大切です。誰の何を促進したいのかを考え、良い影響を及ぼすようなプライマーを設定する必要があるでしょう。また、従業員はそれぞれ異なる特性や価値観を持っています。個人の特性を考慮し、それに適したアプローチを取ることが重要です。
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