人材紹介サービスの傾向と選び方
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売り手市場が続くなか、即戦力人材や高い専門性を持った人材の採用難易度が上がっています。そこで活用したいのが、自社に適した人材をマッチングする人材紹介サービス。ただし、複数の人材紹介サービスを併用しても、業務が煩雑になるだけで、適した人材の紹介につながらないこともあります。どうすればうまく活用できるのでしょうか。本記事では一般紹介・登録型の人材紹介サービスに焦点をあて、自社の採用活動を効果的に行うための選び方を紹介します。また、記事の最後に業界や職種に特化した人材紹介サービスの一覧を掲載します。
人材紹介サービスの傾向
まずは、人材紹介サービスの近年の動向について見ていきましょう。
求職者の人材紹介利用が増加
経済状況に大きな影響を受ける人材紹介サービス。新型コロナウイルスの流行下で求人件数が落ち込みましたが、その後の求人需要の高まりに比例して、人材紹介サービスを利用する求職者の数も復調しています。
人材紹介サービスを経由した転職では、保健師や看護師、歯科衛生士やシステムエンジニアといった専門性が求められる職種が多く見られます。この点は、飲食の接客や販売サービスといった間口の広い職種で採用実績が多い求人メディア(求人広告)との違いといえます。
別業界から人材紹介業への新規参入
2018年3月の監督指針改正により、地域金融機関などにおいて取引先企業に対する人材紹介業務が可能になり、別業態からの新規参入が続いています。たとえば、地域金融機関などを介し、都市部の人材に地方企業の求人を紹介する「レビキャリ」には、横浜銀行や静岡銀行、大阪信用金庫など、90を超える地方銀行や信用金庫が仲介役として関わっています。
人材紹介サービスを使うメリット
人材紹介サービスを利用する代表的なメリットは、成功報酬型による採用コストの効率化です。他にも、求人広告とは異なる間口を持つことで、自社の求める人材に出会いやすくなることが挙げられます。
人材紹介サービスのメリット
採用活動にかかるコストを効率化できる
人材紹介サービスは、基本的に成果報酬型です。初期費用は不要の場合が多く、コストが発生するのは、採用が確定してからです。採用チャネルを増やすこと自体にお金はかからないため、必要な部分にだけ予算を集中できます。
求める人材に出会いやすい
人材紹介サービスをうまく利用すれば、求人広告や自社サイトなどの「待ち」の採用チャネルよりも、求める人材に出会いやすくなります。人材紹介サービスでは、職種の要件ごとに、要件を満たす人材を探してくれます。人材を探す労力を紹介サービス会社が担ってくれるため、ダイレクトリクルーティングと比べても、より効率的に採用活動を行えます。
また、人材紹介サービスの担当者は、業種や職種など市場の情報に精通しています。市場動向を反映したアドバイスも、求人の細かい条件を設定する際の参考になるでしょう。
採用工数が削減できる
求職者との面接日程の設定など、直接の連絡作業も人材紹介サービスの担当者が担うため、採用活動の作業工数を削減できます。
非公開採用ができる
市場に公開したくない職種の求人や、良い人材がいたら採用したいというレベルの求人について、非公開採用という形で人材を探してもらうことも可能です。採用活動の開始を迷っている職種があれば、まず人材紹介サービスを利用してみるという使い方もできます。
人材紹介サービスのデメリット
人材紹介サービスを活用する際は、母集団形成を自社でコントロールする必要があります。
母集団形成などのノウハウが社内に蓄積されづらい
人材紹介サービスのみを活用していると、自社のニーズに沿った求人媒体の選定や、求職者に訴求できる求人の書き方など、母集団形成のノウハウを社内で蓄えることが難しくなる可能性があります。
また、「紹介会社に任せておけばいい」と、求人内容を伝えただけで放置した結果、人材の紹介がほとんど来ない、というケースもあります。人材紹介サービスを効果的に活用するためには、人材紹介サービスの担当者と定期的に連絡を取り、アップデートした自社の情報を伝えることが重要です。
他の採用手法と比較して費用が高額になる可能性もある
人材紹介サービスは、採用成功後(具体的には入社後)に、求職者の年収に合わせた紹介手数料を支払う成功報酬型が一般的です。手数料は年収に対して3割前後とされ、求職者の年収が高くなるほど採用にかかる費用は高額になります。
もちろん、求人広告では採用できない人材だからこそ、人材紹介サービスを利用する選択肢もあるでしょう。職種の採用難易度も踏まえて、他の採用手法との組み合わせも検討します。
人材紹介サービスの選び方・比較ポイント
人材紹介では、サービスの利用数を増やせば、求める人材に出会いやすくなるとは限りません。人材紹介サービスは、幅広い登録者数と求人数に強みのある「総合系」が代表的ですが、業界や職種に特化した「特化型」を組み合わせるほうが、採用活動に適しているケースもあります。また、どういった求職者層が多く登録しているかを参考にすることもポイントです。
職種別に人材紹介サービスを検討する
はじめに、自社の採用したい職種に合わせて検討します。初めて人材紹介サービスを活用する場合、登録者数の多い「総合系」からコンタクトしてみるといいでしょう。一方、地方の求人や、医療・福祉、IT系など業界や職種に特徴がある場合は、「特化型」の人材紹介サービスを活用する方法もあります。
総合系 | 幅広い分野の求人を扱っていることから、登録者数が多い。転職を考える人が「まず登録してみる」サービスという位置づけ。総合系1社と契約しておけば、どんな職種の採用にも活用できる。 |
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特化型 |
地方・業界・職種など、特定領域に強みがある。近年では、シルバー人材に特化した人材紹介サービスも登場。
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登録している人材の属性を参考にする
人材紹介サービスに登録している人数だけではなく、「誰が」登録しているのかに着目して検討するのもいいでしょう。人材紹介サービス会社が公開している直近の転職実績も、求職者をイメージする上で参考になります。
ハイクラス(役職・年収) |
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専門性(経験年数) |
若手(年齢・未経験) |
フリーランス・業務委託(雇用形態) |
海外人材、シルバー人材、主婦、学生(属性) |
費用形態を比較する
成功報酬型が一般的です。手数料は人材紹介サービスによって差があるので、確認する必要があります。「入社後3ヵ月以内に退職した場合は、手数料返金」といった契約もあります。
ビジネススタイルで比較する
人材紹介サービスには、企業側と求職者側それぞれに異なる担当者が付いて業務を行う会社と、一気通貫で企業側・求職者側を一人が担当する会社があります。分業型のスタイルでは、企業担当者が社内のキャリアコンサルタントと連携し、効率的に人材の情報や求職者の動向について把握します。一気通貫型では、求職者との距離が近くスピーディーな対応が可能です。
紹介される人材のマッチング精度や、案件が進むスピード感については、担当者との相性もあるため、実際に取引を行いつつ検討するといいでしょう。
全国のソリューション企業一覧
総合系
- 株式会社アイデム
- アデコ株式会社
- エン・ジャパン株式会社
- 株式会社キャリアデザインセンター
- パーソルキャリア株式会社
- パーソルテンプスタッフ株式会社
- 株式会社パソナ
- 株式会社マイナビ
- 株式会社リクルート
- 株式会社ワークポート
若年層特化
- 株式会社UZUZ
- 株式会社学情
- キャリアスタート株式会社
- 株式会社ジェイック
- 株式会社ネオキャリア
- ブラッシュアップ・ジャパン株式会社
- 株式会社マイナビワークス
- 株式会社リアライブ
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看護系特化
- 株式会社エス・エム・エス
- 株式会社クイック
- 株式会社じげん
- 株式会社Stylish
- 株式会社トライト
- 株式会社ナースステージ
- 株式会社ナースパワー人材センター
- 株式会社マイナビ
- レバレジーズメディカルケア株式会社
ITエンジニア系特化
- 株式会社アトラエ
- アン・コンサルティング株式会社
- 株式会社ウィルオブ・ワーク
- 株式会社kipply
- 株式会社キャリアデザインセンター
- 株式会社grooves
- notari株式会社
- パーソルキャリア株式会社
- 株式会社パソナ
- 株式会社フューチャーリンク
- 株式会社Branding Engineer
- 株式会社マイナビワークス
- レバテック株式会社
- 株式会社ワークポート
エンジニア系特化
バックオフィス系特化
- 株式会社アスラビ
- 株式会社MS-Japan
- 株式会社クロスインフィニティ・マネジメント
- TRY DO CORPORATION株式会社
- 株式会社バックオフィスキャリアエージェント
- 株式会社ファンオブライフ
- 株式会社BOX
- 株式会社メディアハウスホールディングス
- 株式会社WARC
ハイクラス層特化
まとめ
人材紹介サービスは、採用活動にかかる労力を抑えつつ、費用を効果的に活用できる点にメリットがあります。自社の採用にマンパワーを割けない場合も、人材紹介サービスをうまく活用すれば、結果として求人の要件に沿った人材を探しに行く「攻め」の採用活動が可能です。また、ハイクラス人材や専門性の高い人材など、採用難易度が高い求人で、人材紹介サービスが頼りになることも多いでしょう。
人材紹介サービス会社と上手に付き合うためには、エージェントに自社の採用情報をこまめに伝えることが重要です。採用方針という大枠から、職種ごとの求人情報、自社の組織風土まで、採用活動に必要な情報や求職者が欲しがる情報を積極的に共有することにより、自社のパートナーとして、採用活動の力になってくれるはずです。
人と組織の課題を解決するサービスの潮流や選定の仕方を解説。代表的なサービスの一覧も掲載しています。