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年休の一斉付与変更の際の注意事項

〇状況
弊社の年休付与ルールは、現状、初年度は半年後に10日付与。翌年度からは入社日に付与という
ものです。
今般年休の年5回取得義務化の施行に伴い、管理の手間を嫌って、一斉付与にしようと考えています。

人事系の雑誌には、「入社月で著しい不公平が生じないよう、付与日数にも特段の配慮が必要とな
る。」とあるものの、対応例として、「基準日を2つとること、でも、基準日が二つになるから管
理の煩雑解消効果が限定的だ」という趣旨のことが書いてありました。
これを読んだときは、妥協案が法律的にも、世の中的にも、道義的にも必要なのか、と思いました。

ところが、
https://jinjibu.jp/qa/detl/49252/1/
有給休暇の基準日を変更する際の社員間不公平の是正
を読み、法的に問題はなく、必ずしも妥協案を出すことは必要ではなく、真摯に交渉していけばよい、
と感じました。

それを踏まえて、年休の一斉付与へ変更する際の注意事項について、以下の質問について
ご教授のほどお願いいたします。


〇相談事項
1.一斉付与方法へ変更する際に、法的に注意すべきことは何かありますか。

2.労働組合との交渉で注意すべきこと
  組合に協力してもらうためのロジックでよいお考えがあれば教えていただければ嬉しいです。
  妥協案を示すことは、世の中的に、法律的には必ずしも必要ない、と思っています。
  (組合との力関係上必要なこともあると思いますが、ここではこの要素は除外させてください)

3.その注意事項

投稿日:2018/11/28 13:37 ID:QA-0080694

チェロトバイオリンさん
東京都/商社(専門)(企業規模 101~300人)

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プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答2

プロフェッショナルからの回答

川勝 民雄
川勝 民雄
川勝研究所 代表者

有休付与の「基準日方式」への変更

▼ ご指摘の様に、「入社日管理方式」は、事務手続きだけでも大変です。そこで、多くの企業では、毎年特定の日に一斉に有給休暇を付与しており、この方式を俗に「基準日方式」と呼んでいます。
▼ 「基準日方式」に移行するに際し、一度だけ、個人別付与期間にバラツキが不可避的に発生します。然し、労基法は強行法規なので、個人別バラツキも労働基準法を若干上回るレベルで発生することになります。この様にバラツキは移行時の一過性事案として完結します。不利益変更ではない為、労組からの異論もないと思います。
▼ 以下、一寸、長文になりますが、事例的に説明します。
※ 基準日方式を導入している会社では、採用日から6ヶ月経過するまでに、基準日が来る場合があります。例えば、基準日が6月1日の会社で、4月1日採用の従業員さん等です。この従業員さんは、6ヶ月経過後の10月1日に有給休暇が付与されるのではなく、基準日の6月1日に付与されることになります。
※ また、基準日が採用日より6ヶ月以上離れている場合は、6ヶ月経過後に付与されることになります。労働基準法は強行法規ですので下回ることが出来ません。したがって、基準日方式を採用する場合は、基準日と6ヶ月経過日と比べてどちらか早い日に有給休暇が付与されることになります。
※ 例えば、6月1日が基準日の会社で、10月1日採用の人は、翌年の基準日の6月1日に有給休暇が付与されるのではなく、6ヶ月経過後の翌年の4月1日に付与されます。この関係で、「基準日方式」を採用している会社は、労働基準法を若干上回る有給休暇を付与することになります。

投稿日:2018/11/29 11:54 ID:QA-0080715

相談者より

お返事が遅くなり、申し訳ございませんでした。
ご回答ありがとうございました。
特に具体的な例を挙げて説明いただいたので、
理解が深まりました。
ご回答を読み、試用期間中に年休取得できる社員が、年休を多くとろうとすることが理論上はあり得るということに気づかされました。
そういったところにも気を付けて、制度を導入していきたいと思います。

投稿日:2018/12/13 18:43 ID:QA-0081022大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

服部 康一
服部 康一
服部賃金労務サポートオフィス代表

お答えいたします

ご利用頂き有難うございます。

ご相談の件ですが、一斉付与で最も注意すべき事柄は、労働基準法上の最低基準を下回らないようにする点になります。

つまり、一斉付与にされた為に年休付与日が1年以上空くようなことがあれば違法な措置となりますので、たとえ付与日の直近の入社日があって次回の付与日が極めて近い日になるような場合でも次年度の付与日まで年休付与を持ち越すことは出来ない事に注意が必要です。

逆にいえば、現行の年休付与ルールよりも不利になる従業員は通常いないはずですので、労働組合との交渉で支障になるような問題はほぼないものといえるでしょう。

その他注意事項としましては、上記と関連しまして移行時に年休保持日数が大幅に増える社員が出てくる可能性が生じますので、一時的な年休取得の増加に伴って業務運営上の支障が発生しないか現場状況の確認を事前に行った上で一斉付与導入可否を決められる事が重要といえます。

投稿日:2018/11/29 19:41 ID:QA-0080737

相談者より

お返事が遅くなり、申し訳ございませんでした。
お教えのおかげで、考え方が整理できました。

最後にいただいた注意事項は、まったく気づいていませんでしたので、注意して実行していきたいと思います。

投稿日:2018/12/13 18:41 ID:QA-0081021大変参考になった

回答が参考になった 0

回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。



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