特別条項発動の考え方について
平素より大変お世話になっております。特別条項付き36協定に関する質問です。過去にも同様の質問が既にあってる場合は申し訳ございません。
弊社では毎年、労働者の健康管理に特に配慮した上で、年6回に限り、1ヶ月60時間まで、1年600時間まで、延長時間をさらに延長できるとする、特別条項付きの36協定を締結しています。1年単位の変形労働時間は採用していません。
弊社はこれまで、36協定で定めた限度時間を超えて労働させているとして、行政指導を受けたことはないのですが、このたび、協定を届け出た際に、特別条項発動の考え方について、労働基準監督官から次のような説明を受けました。
「例えば、1ヶ月目60時間、2ヶ月目60時間、3ヶ月目60時間、4ヶ月目60時間、5ヶ月目45時間、6ヶ月目45時間、7ヶ月目45時間・・・・というペースで時間外労働を行わせた場合、7ヶ月目は時間外労働の合計が375時間となり、360時間を超えるため、7ヶ月目は45時間を超えていなくても、特別条項を1回発動したことになりますので、注意して下さい」
弊社はこれまで、月45時間を超えて時間外労働を行わせた場合のみ、特別条項を発動させたと認識していたため、上記の労働基準監督官の説明には驚きました。
上記のような考え方には正直納得がいかないのですが、労働基準監督官の説明は筋が通っているようでもあり、逆に、現時点では反論のための合理的な論拠が見当たらず、また、下手に窓口で議論して心象を悪くし、そんなに言うならおたくの事業場が過重労働になっていないかどうか調査に行きますよ、なんてことになっても面倒だと思ったので、その場は大人しく退散いたしました。
弊社は福岡県の自動車部品製造会社ですが、全国の労働基準監督署でも、特別条項発動の考え方については、同様の考え方をしているのでしょうか?
投稿日:2015/11/09 21:53 ID:QA-0064130
- MIWAさん
- 福岡県/輸送機器・自動車(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 大隅 隆行
- 株式会社ビジネスブレイン太田昭和 人事コンサルタント/社会保険労務士
監督官の説明が誤り
特別条項の年6回の回数のカウントについては、質問者様の見解で合っています。
あくまで単月で見て45時間を超えた月の回数を数えます。
念のため、東京の監督署に確認を取りましたが、「単月で見る」との見解でした。
投稿日:2015/11/10 09:56 ID:QA-0064135
相談者より
早速のご回答、また東京の監督署に確認までとっていただき、誠にありがとうございました。
投稿日:2015/11/10 12:24 ID:QA-0064140大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、時間外労働の上限時間につきましては厚生労働省の告示によりまして、月45時間のみならず年360時間という上限も定められています。御社の協定でも年600時間までと定められているのは、本来こうした360時間までという上限があるからです。
従いまして、月45時間以内の時間外労働の場合でも、累計が360時間を超えてしまいますとその時点で特別条項発動が必要になるものといえます。
投稿日:2015/11/10 10:29 ID:QA-0064136
相談者より
早速のご回答ありがとうございました。また、360時間超えに対しても特別条項発動が必要となることの根拠について、平易な言葉で、分かりやすく説明して下さり、納得がいきました。
投稿日:2015/11/10 12:29 ID:QA-0064141大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 大隅 隆行
- 株式会社ビジネスブレイン太田昭和 人事コンサルタント/社会保険労務士
補足します
「特別条項を1回発動」などの文脈から「特別条項の回数制限(年6回のカウント)」についてのご質問との前提で回答しましたが、「特別条項の発動=労働時間を延長する特別の事情と労使間で合意した手続きが必要になる」という意味合いでしたら、監督官の話は正しいということになります(下記、服部先生のご回答通り)。
つまり、「年6回のカウント」については、単月で見ますので、年単位で360時間を超えた7か月目は、「年6回のカウント」で言うところの「1回」とはカウントされません(単月で45時間に収まっているため)。
ただし、年360時間を超過するため、労働時間を延長する特別の事情と労使間で合意した手続きは必要となります。
手続き面の話と回数制限の話を分けて考えるのがポイントです。
投稿日:2015/11/10 12:05 ID:QA-0064139
相談者より
更に親切なご回答、ありがとうございました。手続き面の話と回数制限の話を分けて考えることで、理解が深まりました。
投稿日:2015/11/10 15:45 ID:QA-0064151大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
特別条項の回数について
結論からいいますと、福岡の労基署が間違っています。
役所といえど、たまに、知ったかぶりで間違ったことを平気でいう方もいらっしいますので、注意が必要です。
36協定の特別条項の年6回というのはあくまで、1ヶ月45時間を超える回数です。
1年はあくまで合計600時間ということで累計しているだけです。
投稿日:2015/11/10 13:58 ID:QA-0064144
相談者より
力強いご回答、ありがとうございました。役所の言うことを鵜呑みにするのではなく、企業側も勉強して、対等に話せるようになることを心掛けたいと思います。
投稿日:2015/11/10 15:55 ID:QA-0064152大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
補足
回数も手続きも、当然同じく、月単位で考えます。
例えば、来月、あと5時間、残業すると360時間を超えてしまうからといって、
労使協定はナンセンスですし、する必要はありません。
混同されないよう、補足させていただきます。
投稿日:2015/11/10 14:46 ID:QA-0064149
相談者より
更に親切な補足をいただき、ありがとうございました。参考にさせていただきます。
投稿日:2015/11/10 15:56 ID:QA-0064153大変参考になった
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