労働条件の変更
現在勤務中の事業所とは別の事業所(飲食業)の勤怠管理および給与計算を担当することになりました。
その事業所の前任者から引き継ぎを受けている最中なのですが、賃金計算について明らかに違法となる点があり、その点を是正していこうと考えております。
問題になる点は、
1. 所定労働時間前の2時間(多いときには3時間ほど)が開店準備と称し、労働時間として扱われておらず、給与も支払われていない。
2. 残業代が支払われていない。
の2点です。
スタッフはほとんど時給制のアルバイトさんです。
当然ながら現在の時給に対し、開店準備時間をきちんと労働時間として扱い、割増賃金等も計上するなどすればいいのですが、お恥ずかしい話、そうすると大幅赤字に転落してしまい、店舗の継続運営が非常に厳しい状況となってしまいます。
※もちろん人件費以外のコストダウン等も継続的に実施したうえでのことでございます。
スタッフの何人かは「店舗閉鎖による失業は嫌なので、このままの給与計算で良い(波風を立てないでくれ)」と言ってきておりますが、このままの状況でいいはずがありません。
そこで、不本意ながら、法令を順守した賃金計算をしても大幅赤字とならないよう、スタッフに時給ダウンの提案(お願い)をしたいと思っております。
労働条件を下げることにつながる話ですので、あくまでも
1. いきなり決定事項として話をするのではなく、店舗の現状を話し、お願いをする。
2. 条件を飲まなければ解雇や店舗閉鎖など従業員に対し圧迫的な話のもっていき方をしない。
3. 現状、就業規則には「昇給なし」となっているが、経営状態が改善された場合の時の昇給を
鑑み、「昇給する場合がある」と記載を改める
4. 当然、就業規則は賃金の記載についても改め、労基署に届け出る。
5. 書面による「労働契約書」をきちんと整備し、署名捺印をいただく。
などしようかと思います。
仮定の話で恐縮なのですが、上記提案が全従業員に同意をいただけた場合、労働契約法10条の「合理的なもの」にあたるのか・・・ご意見を拝聴したいと思っております。
投稿日:2014/08/05 21:15 ID:QA-0059813
- ファーさん
- 東京都/旅行・ホテル(企業規模 6~10人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、労働契約法第10条は前の第9条を受けましての規定、つまり従業員の個別同意が得られなかった場合の合法性の判断に関する定めとなります。
従いまして、全従業員から同意を得られた場合ですと、10条の規定に関わらず変更は可能です。
投稿日:2014/08/06 11:12 ID:QA-0059818
相談者より
ご回答ありがとうございました。
人件費以外のコストカットを再度見直すとともに、
無駄な残業削減や業務の効率化を先に検討いたします。
投稿日:2014/08/29 08:58 ID:QA-0060016大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
「 合理的なもの 」 には、同床異夢が、具体的措置は、指針を参考に関係者者間で、協議を
「 合理的なもの 」 という判断基準の表現自体が、 規範性を極度に凝縮したものなので、 抽象性の高い基準です。 多くの係争も同床異夢のいずれの 「 夢 」 がより説得力があるかの争いといってよいでしょう。 地裁、 高裁、 最高裁で合理性の判定が異なる場合の珍しくありません。 従って、 ご相談の事案も、 直接当事案にタッチする立場にない回答者としては、 一般的情報を差し上げられるに留まります。 以上の限界を踏まえた上で、 次の、 厚労省の外郭団体による説明を参考にされ、 再度、 関係者者間で、 協議されることをお勧め致します。 同説明 ( 見出しの指針 ) は次の通りです。
【 合理性の判断要素については、 労働契約法10条は、 (1) 労働者の受ける不利益の程度、(2) 労働条件の変更の必要性、 (3) 変更後の就業規則の内容の相当性、 (4) 労働組合等との交渉の状況、 (5) その他の就業規則の変更に係る事情、 を列挙しています。 これらの判断要素は、 従来の最高裁判例 ( 第四銀行事件・最二小判 H9・2・28 ) で示された判断手法を基本的に踏襲したものとなっています。 それぞれの考慮要素をみていくと、 「 労働者の受ける不利益の程度 」 については、 就業規則の変更によって個々の労働者が被る不利益の程度をいいます。 「 労働条件変更の必要性 」 とは、 会社が現在の労働条件を維持することが困難であるという事情を指します。 「 変更後の就業規則の内容の相当性 」 については、 変更後の就業規則の内容自体の相当性、 経過措置の有無や内容、 代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況、 変更内容の社会的相当性がこれに妥当します。 「 労働組合等との交渉の状況 」 については、 就業規則の変更に際して、 労働者側との間でどのような手続を講じたかが考慮されることになります。 】
投稿日:2014/08/06 12:29 ID:QA-0059819
相談者より
ご回答ありがとうございました。
人件費以外のコストカットを再度見直すとともに、
無駄な残業削減や業務の効率化を先に検討いたします。
投稿日:2014/08/29 08:59 ID:QA-0060017大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
時給ダウンについて
全従業員に同意いただけるようであれば、労働契約法8条により、時給ダウンは可能となります。
書面により、契約書は交わしておくことです。
労働契約法10条は、同意が得られないにもかかわらず、時給ダウンすなわち不利益変更を
行う場合にその合理性が問われるということになります。
全従業員に同意がいただけるようであれば、関係ありません。
投稿日:2014/08/07 08:39 ID:QA-0059820
相談者より
ご回答ありがとうございました。
人件費以外のコストカットを再度見直すとともに、
無駄な残業削減や業務の効率化を先に検討いたします。
投稿日:2014/08/29 08:59 ID:QA-0060018大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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