海外子会社から日本へ受け入れる駐在員への労働基準法の適用
海外子会社から日本へ社員を受け入れる場合に、労働基準法(特に時間外労働手当)や会社の就業規則が適用されるか教えてください。
①海外子会社から日本へ出張し、指揮命令は海外子会社が行う場合
②海外子会社から日本へ出向(異動)し、指揮命令は日本の会社が行う場合
以下の理解で宜しいでしょうか?
①の場合
日本の労働基準法: 適用なし
日本会社の就業規則: 適用なし
海外子会社が属する国の労働法: 適用
海外子会社の就業規則: 適用
②の場合
日本の労働基準法: 適用
日本会社の就業規則: 適用
海外子会社が属する国の労働法: 適用なし
海外子会社の就業規則: 適用なし
お手数ですが、ご回答のほど宜しくお願い致します。
投稿日:2012/02/27 17:55 ID:QA-0048479
- Xさん
- 東京都/コンサルタント・シンクタンク(企業規模 1001~3000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
基本的理解は正しいが、実態上、必要な留意点も・・
( 長期 ) 出張と ( 在籍 ) 出向 の違いに基づく、「 指揮命令者 」、「 適用される就業規則 」、「 適用を受ける労働法 」 に関する ご理解は、それぞれ、正しいと思います。但し、親子間の経費負担と税務問題、出向時の身分保障、懲戒等の基本的事項の扱いなど、形式上の割切りだけでは済まないポイントへの留意が重要です。
投稿日:2012/02/27 19:25 ID:QA-0048480
相談者より
早々にご回答頂き有難うございます。
参考になりました。
ご回答内容について、追加でご質問させて下さい。
「親子間の経費負担と税務問題、出向時の身分保障、町会等の基本的事項の扱いなど」は状況が異なるとのことですが、お手数ですがもう少し細かく教えて頂けますでしょうか?
またそれらの判断は、社労士や法律家など専門家にご判断頂かないと難しい事項でしょうか?
投稿日:2012/02/28 11:10 ID:QA-0048490大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
労働基準法等日本の労働法令につきましては、原則としまして属地主義が採られていますので、外国人等海外からの出向を受け入れる場合でも適用されます。但し、出張のように指揮命令を海外法人が行う場合には国内事業に関わる労働者とは認められませんので適用はなされません。
従いまして、①②に関しましてはご認識の通りとなります。
また、逆に国内労働者が海外へ出向されて指揮命令も海外法人で受けるような場合ですと、当該労働者に対しては海外法人の属する国の労働法令が適用されます。
投稿日:2012/02/27 21:34 ID:QA-0048482
相談者より
早々にご回答頂き有難うございます。
海外からの受入の場合、及び海外への派遣の両ケースについて、参考になりました。
投稿日:2012/02/28 11:11 ID:QA-0048491大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
基本的理解は正しいが、実態上、必要な留意点も・・P2
|※| 「 親子間の経費負担と税務問題 」 ⇒ 出張が長期に及び、実態的に、出張先企業のための業務を行っている事例は数多く見受けられます。この場合、労務費用の負担者と受益者が異なってきます。ご相談のケースに当てはめますと、費用負担者が海外子会社、労務提供の受益者が日本本社という関係になり、受益部分が、移転利益と看做され、課税対象となる可能性があるという意味です。 .
|※| 「 出向時の身分保障、懲戒等の基本的事項の扱い 」 ⇒ 在籍出向では、出向元・出向先双方の労働者として勤務するという 「 二重の労働契約関係 」 が成立しますが、出向先の出向労働者に対する人事権は、就業規則の適用、日常勤務に関する労働条件の変更などであり、労働契約の基幹に係るような事項、例えば、昇降格、解雇を含む懲戒、退職、等についての人事事項は、本来の労働契約の当事者である出向元に留保されていると通説解釈されているということです。
投稿日:2012/02/28 14:12 ID:QA-0048502
相談者より
ご回答頂き有難うございます。
ご回答頂いた内容について理解致しました。有難うございます。
お手数ですが本件について、時間外労働への対応についてお教えください。
【時間外労働手当について】
①日本本社社員が海外子会社へ出張。本人との雇用関係は日本本社のみであり、また業務の指示命令は日本から行う。
②海外子会社社員が日本本社へ出張。本人との雇用関係は海外子会社のみであり、また業務の指示命令は海外子会社から行う。
①において、
本人が海外で残業(所定時間外労働、深夜労働、および休日労働)を行った際の時間外労働への支払
・日本本社の就業規則: 適用
・日本の労働基準法(時間外労働について): 適用
・海外子会社の就業規則: 適用なし
・海外子会社が属する国の労働法(時間外労働について): 適用なし
※指示命令系統に関係なく、海外に出張した場合は出張先国(海外)と日本の労働法を比較し、時間外労働への割増率が多い方を支払う、などの対応が必要な場合はありますでしょうか?
労基署からそのような判断が下ったケースがあると伺っております。
②において、
本人が日本で残業(所定時間外労働、深夜労働、および休日労働)を行った際の時間外労働への支払
・日本本社の就業規則: 適用なし
・日本の労働基準法(時間外労働について): 適用なし
・海外子会社の就業規則: 適用
・海外子会社が属する国の労働法(時間外労働について): 適用
※上記「※」同様に、時間外労働手当の割増率が高い方を支払う、などの対応が必要となるケースはありますでしょうか?
お手数ですが、宜しくお願い致します。
投稿日:2012/02/29 12:58 ID:QA-0048524大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
基本的理解は正しいが、実態上、必要な留意点も・・P3
原則としては、ご理解は正しいと思います。 「 時間外労働への割増賃金 」 についての労基署判断に関しては、具体的前提、条件、争点等、何も分りませんので、コメントは致しかねます。
投稿日:2012/02/29 14:23 ID:QA-0048530
相談者より
ご回答頂き有難うございます。
細かい点を何度も恐縮ですが、ご確認させて頂き参考になりました。
有難うございました。
投稿日:2012/03/02 16:34 ID:QA-0048590大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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