退職する社員と会社との機密保持契約書の締結
いつもお世話になっております。
今度一身上の都合で退職する社員がおります。営業マンとして非常に優秀な社員でした。役員としては優秀な社員であっただけに、会社の機密事項をかなり知っていることを気にしております。
役員としては、本人と会社との間で機密保持契約書を締結したい意向です。
弊社の就業規則には、(退職後の義務)という項目に「退職した者は、在職中に知り得た機密を他に漏洩してはならない。また会社の求めに応じて機密保持契約書を提出しなければならない。」とあります。
弊社としては初めての締結となりますので、一般的なアドバイスを戴ければ幸いです。また、他の役員から「退職後3年間は同業他社への転職を禁ずる」という一文を入れてはどうかとの話もでましたが、これは法律上問題はないでしょうか。併せてアドバイスをお願いします。
投稿日:2011/11/02 16:03 ID:QA-0046827
- morinoさん
- 神奈川県/商社(専門)(企業規模 31~50人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
競業避止義務
判例でも、競業禁止の契約について、合理的な範囲であれば有効とされています。
違反した場合には、損害賠償や退職金の返還などを請求することになります。
▲ただし、社員にも職業選択の自由があり、同じ業種をターゲットにすることは自然ともいえますので、ある程度の配慮は必要です。
3年間というのは長い気もしますが、
基準としては、
期間、場所の範囲、対象職種や役職、代償の有無などを総合的に判断することになります。
期間があまりに長いと公序良俗に違反し、無効となりますので注意が必要です。
以上
投稿日:2011/11/02 16:31 ID:QA-0046830
相談者より
ありがとう、ございました。
投稿日:2011/11/02 16:33 ID:QA-0046831大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御相談の件ですが、機密保持契約書の締結は就業規則に定めがある事からも可能といえます。内容について特に法令上直接的な制限はございませんが、損害賠償請求については当然ながら明文化しておかれるとよいでしょう。但し、余り細かい定めを置きましても個別案件によって判断される性質の事柄ですので無意味といえます。その一方で、同業他社への転職禁止につきましては、憲法上の権利である職業選択の自由との関係からも慎重な対応が要求されます。具体的には、相応の重要な役職・業務に従事した者であることに加えまして、地理的範囲及び期間も限定されていることが必要ですし、また見返りの措置としまして退職金割増等の優遇措置を行うことも検討すべきといえます。ちなみにこれらの措置の程度に関する明確な基準まではございませんが、期間としましては一般的に2年程度までが妥当と考えられています。
投稿日:2011/11/02 22:37 ID:QA-0046834
相談者より
ありがとうございました。
投稿日:2011/11/04 08:52 ID:QA-0046849大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
守秘義務契約で
退職時に守秘義務の覚書を交わすことは一般的ですので問題ないと思いますが、これは退職手続きの一貫として、優秀な営業マンでなくとも実施する方が好ましいといえます。また競合他社への就業禁止は非常に拘束力が微妙です。そもそもなぜ競合に就職が問題かといえば、会社の営業情報/経営情報の流用や盗用が一番大きいかと思います。守秘義務契約で縛れますので、就業禁止より実質的効果が高いと言えます。名刺やメールのダウンロード等、恒常的にセキュリティ管理がされていれば問題は少ないですが、そうした措置がない場合は実効性とその検証には限界があるかも知れません。
投稿日:2011/11/03 00:59 ID:QA-0046836
相談者より
ありがとうございました。
投稿日:2011/11/04 08:51 ID:QA-0046848大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
「 職業選択の自由 」 と 「 抑止力代償 」 の観点から検討を
|※| 就業規則の定めに従い、機密保持契約書を締結すべきことは当然の措置です。然し、社員が在職中に身につけた技術やノウハウのすべてに守秘義務を強制することは、社員が職業生活で身に付けた知識や人脈等を生かして転職をすることを不可能なものとし、憲法の 「 職業選択の自由 」 を脅かすことにもなりますので、どんなことでも認められる訳ではありません。 .
|※| そこで、① 期間限定とすること、② 一定地域に限定すること、③ 補償金などの代償を与えることにより、職業選択の自由を不当に脅かない配慮が必要です。契約には、違反事実が発覚すれば、対象行為の差止請求、損害賠償請求、信用回復措置請求などの法的措置も記述しておけば、抑止力が高まります。 .
|※| 因みに、3つの留意点、それぞれに就いての、許容範囲は、退職社員の知悉している秘密情報の質と量の重要度、抑止力代償としての感じられ方などを判断材料として総合的して、ご検討されるのがよいと思います。
投稿日:2011/11/03 12:26 ID:QA-0046841
相談者より
ありがとう、ございました。
投稿日:2011/11/04 08:50 ID:QA-0046847大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
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