残業代について
	過去に事例がなく、知識が乏しいためご教示いただきたく。
 
 弊社、就業時間は9:00~18:00。
 社長、専務、従業員一人で納品立ち合いのため、専務の車(会社名義)で県外へ行きました。
 会社への戻りが19:30頃だっため、従業員より残業申請がございました。
 移動中の車内で業務は発生しておりません。
 従業員が運転者として車を運転していたかも関係しますでしょうか。
 残業代処理を行うのが正しいのでしょうか。    
投稿日:2025/09/30 12:18 ID:QA-0158899
- M.Hさん
- 岡山県/半導体・電子・電気部品(企業規模 1~5人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
                ご質問いただきまして、ありがとうございます。
 次の通り、ご回答申し上げます。
 1. 法律上の基本的な考え方
 労働時間とは「使用者の指揮命令下に置かれている時間」(労基法第32条)。
 移動時間が労働時間に該当するかどうかは、
 単なる「通勤に準ずる移動」か
 「業務として拘束されている移動」か
 で判断されます。
 
 2. 出張・外出に伴う移動時間の扱い
 (1) 業務としての移動(労働時間に算入)
 社命により県外へ行き、納品立会いという業務目的がある場合、
 従業員は業務の一環として移動に従事している
 移動中は会社の指揮命令から離れられない
 よって、業務としての移動時間は労働時間に含まれます。
 例:電車・車での移動、運転者でなくても同様に「会社の業務で拘束されている時間」と解されます。
 
 (2) 運転しているか否かの違い
 運転している場合 → 明らかに労働(作業行為)そのもの。
 同乗のみの場合 → 実際の作業はしていなくても「業務のために拘束されている」ので労働時間に算入されます。
 厚労省や裁判例でも、「出張の移動時間は原則として労働時間」という取扱いが確立しています。
 
 3. 今回のケースへの当てはめ
 就業時間 9:00~18:00
 帰社 19:30
 移動は業務命令による納品立会いのため → 労働時間に算入
 結果:18:00~19:30の1時間30分は時間外労働(残業)にあたります。
 
 4. 実務対応
 残業代を支払うのが原則適正です。
 → 労基署調査や万一のトラブルを考えると、安全策は「支払う」。
 今後に備えて社内ルールを明確化
 就業規則や旅費規程に「出張・外出時の移動時間の取扱い」を明示しておくと混乱を防げます。
 例:
 出張に伴う移動時間は労働時間とする。
 ただし宿泊出張で、通常の労働時間外の移動については「手当」として別途支給する(会社独自ルール)。
 実務では「深夜移動」「休日移動」なども出てくるため、あらかじめ基準を定めておくと安心です。
 
 5. まとめ
 移動中に作業していなくても、業務命令による出張移動は労働時間。
 運転しているか否かは関係なく、拘束されているので算入対象。
 今回は1時間30分の残業代支払いが必要と考えるのが適切。
 将来のために「出張時の移動時間の取扱い」を就業規則・旅費規程に盛り込むのがおすすめ。
 以上です。よろしくお願いいたします。                
投稿日:2025/09/30 16:00 ID:QA-0158905
相談者より
                ご回答、詳しく記載いただきありがとうございました。
【単なる「通勤に準ずる移動」か「業務として拘束されている移動」かで判断されます。】と記載がありますが今後、発生する可能性がありますのでご教示いただきたく。
例えば、従業員一人で納品等の立ち合いのため、県外へ社用車または自家用車で出張に行き、会社へ寄らず、そのまま自宅に帰った際に就業時間が過ぎていた場合は残業代支給の対象にはならないという認識でよろしいでしょうか。                
投稿日:2025/10/01 09:25 ID:QA-0158927大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
                業務終了時間が18:00を過ぎれば残業になりますが、18時までに終了すれば、残業にはなりません。
 ただ、帰路の運転と送迎を上司である社長か専務が命じた場合、業務となるでしょう。
 全くの個人の好意で運転をしてくれた場合は残業にはならないと思いますが、本人が残業申請してきたということは、善意のサービスではなさそうで、業務として残業代を払うべきと思います。
 
 運転はせず、同乗しただけであれば、残業にはならないでしょうが、経営者が二人揃っていたのですから、業務終了時に、残業命令など明確に指示を出すべきです。                
投稿日:2025/09/30 16:21 ID:QA-0158908
相談者より
                ご回答いただきありがとうございました。
社長としては残業という認識がなかったようで…。
残業代として処理するようにいたします。                
投稿日:2025/10/01 09:28 ID:QA-0158928大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
労働時間
                 以下、回答いたします。
 
 (1)「労働時間」に該当するか否かについては、「労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるもの」とされています。(三菱重工業長崎造船所事件 最高裁判決 平成12年3月9日)
 
 (2)そして、使用者の指示があったときには即時に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない場合は、上記の「労働時間」に該当するものと考えられます。
 
 (3)本件、「社長・専務」への同行による出張であることから、一般的に、、車を運転していない場合であっても、そして、「移動中の車内で業務は発生していな」くとも、上記(2)に当てはまるものと認識されます。このため、残業代の処理を要すると考えられます。                
投稿日:2025/09/30 16:25 ID:QA-0158910
相談者より
                ご回答ありがとうございます。
残業代として処理するようにいたします。                
投稿日:2025/10/01 09:29 ID:QA-0158930大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
                会社に戻ったのでしたら、
 18:00~19:30あるいはその後帰社までの時間は残業といいうことになります。                
投稿日:2025/09/30 16:45 ID:QA-0158913
相談者より
                ご回答ありがとうございます。
残業代として処理するようにいたします。
これが例えば、そのまま自宅に帰った場合は残業代にはならないという認識でよろしいでしょうか。                
投稿日:2025/10/01 09:30 ID:QA-0158933大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
                ご質問について、回答いたします。
 
 出張や県外への移動時間は、通常の通勤時間と同じ性質のものとみなされ、
 原則として労働時間には含まれないとされています。
 
 本件の場合、移動中の車内で業務は発生しておりません。とのことですので、
 業務外の時間(労働時間ではない)となります。
 
 但し、運転者であれば話は変わってきます。運転者は、安全運転に集中する
 義務があり、自由に過ごすことができません。役員の移動に関する業務を
 行っていると見なされますので、労働時間に該当します。                
投稿日:2025/10/01 06:56 ID:QA-0158920
相談者より
                ご回答いただきありがとうございます。
今後は運転者かどうかも確認するようにいたします。
残業代として処理するようにとのご回答が多いため、残業代として処理するようにいたします。                
投稿日:2025/10/01 09:33 ID:QA-0158934大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
追加のご質問にご回答申し上げます。
                追加のご質問をいただきまして、ありがとうございます。
 次の通り、ご回答申し上げます。
 考え方や規定等につきましては、ご説明申し上げました通りです。
 追加のご質問
 「【単なる「通勤に準ずる移動」か「業務として拘束されている移動」かで判断されます。】と記載がありますが今後、発生する可能性がありますのでご教示いただきたく。
 例えば、従業員一人で納品等の立ち合いのため、県外へ社用車または自家用車で出張に行き、会社へ寄らず、そのまま自宅に帰った際に就業時間が過ぎていた場合は残業代支給の対象にはならないという認識でよろしいでしょうか。」
 につきましての最終の判断は、所轄の労働基準監督署が行うものと存じます。
 つきましては、本ご質問は、所轄の労働基準監督署の監督官にご確認されることをお勧め申し上げます。よろしくお願いいたします。                
投稿日:2025/10/01 11:29 ID:QA-0158948
相談者より
                再度、ご回答いただきありがとうございます。
承知いたしました。                
投稿日:2025/10/01 11:53 ID:QA-0158954大変参考になった
    回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
    回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
    ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
    
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