日本の人事部「HRアワード2025」受賞者インタビュー
キャリアは会社が与えるものではなく、
社員が自ら創るもの
「個」の主体性を覚醒させる、中外製薬の人事制度改革
中外製薬株式会社 人事部 人事推進グループ
上田 裕樹さん

企業の持続的成長において、社員一人ひとりの主体的なキャリア形成は不可欠な要素です。一方で、実効性のある仕組みの構築に課題を抱える企業は少なくありません。そこで注目されるのが、中外製薬株式会社の取り組みです。2030年に目指す姿「TOP I 2030」の実現に向け、2025年から社員の「個」の力を最大限に引き出すための抜本的な人事制度改革を断行。その核心となるのが、会社主導の異動を原則として廃止し、社員が自らの意思でキャリアを選択するジョブポスティング制度です。その取り組みは高く評価され、「HRアワード2025」企業人事部門 優秀賞を受賞しました。同社ではどのように真の「キャリア自律」を実現しようとしているのでしょうか。人事部 人事推進グループの上田裕樹さんに、人事制度改革の詳細と、文化として根付かせるための戦略について伺いました。
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- 上田 裕樹さん
- 中外製薬株式会社 人事部 人事推進グループ
うえだ・ゆうき/新卒で国内大手食品会社に入社、人事部で制度企画・運用を経験。その後、外資系コンサルティングファームにて人事領域を中心とした業務改善やBPO支援などに従事。2022年より現職にて、全社横断的な人事制度改革、主にジョブポスティング制度の導入をリード。
イノベーションの源泉は“やっぱり人”― ―経営戦略と人事戦略の強固な連動
このたびは「HRアワード2025」企業人事部門 優秀賞のご受賞、誠におめでとうございます。まずは受賞についてご感想をお聞かせいただけますでしょうか。
栄えある賞をいただき、誠にありがとうございます。当社の人事制度改革への挑戦を認めていただいた結果であると受け止めており、大変光栄に思います。
今回の受賞は、改革を推進した経営陣や人事部門だけでなく、変化を前向きに捉え、実際に行動してくれた社員一人ひとりの努力が結実したものだと考えています。この受賞を励みとして、今後も社員一人ひとりが、当社の人財マネジメント方針である「個を描き、個を磨き、個が輝く」を実現できる環境づくりに、一層邁進していきたいと思います。
貴社が、大規模な人事制度改革に踏み切った理由や目的をお聞かせください。
当社のミッションは、「革新的な医薬品とサービスの提供を通じて新しい価値を創造し、世界の医療と人々の健康に貢献する」ことです。世の中には、いまだ治療法が確立されていない「アンメットメディカルニーズ」が数多く存在します。ミッションを実現するため、2030年に目指す姿として「ヘルスケア産業のトップイノベーター像」を定義し、そこからバックキャストする形で10年戦略「TOP I 2030」を設定しました。R&D(研究開発)のアウトプットを倍増させ、革新的な自社グローバル品を毎年生み出せる会社を目指すという、非常に高い目標を掲げています。
イノベーションを創出し、高い目標を実現するために最も重要なのは「人」、すなわち人財だと考えています。経営陣からも「イノベーションの源泉は、“やっぱり人”である」という強いメッセージが、常に人事部門に対して発信されています。経営戦略と人事戦略を強固に連動させることが、当社の人的資本戦略における強みです。
「TOP I 2030」という極めて高い目標を達成するためには、これまで以上に社員一人ひとり、つまり「個」の力を高める必要があります。そこで、「個を描き、個を磨き、個が輝く」という三つのコンセプトを柱とした新たな人財マネジメント方針を掲げ、社員の自律・成長・挑戦に焦点を当てた人事制度へと、思い切った改革に踏み切りました。
この方針は、単なるスローガンではありません。社員一人ひとりが会社の成長戦略と個人の想いを重ね合わせながら、自らのキャリアを主体的に描き(個を描く)、必要なスキルや経験を自ら獲得し(個を磨く)、それぞれの舞台で最大限に価値を発揮する(個が輝く)ことを本気で目指すという、私たちの意志そのものです。
全社員の「キャリアオーナーシップ」を覚醒させる、ジョブポスティングという“革命”
改革の中でも、特に「ジョブポスティング」制度は大きな変革だと感じます。具体的な仕組みや実績についてお聞かせいただけますか。
原則として会社主導の異動は廃止し、すべて社員自らの「手挙げ」による公募制へと移行しました。社内の空きポジションはすべて公募制とし、「会社が決める異動」から「自ら選ぶキャリア」への転換を促しています。
実際に制度を開始すると、想定をはるかに超える反響がありました。2025年上半期の実績では、711の募集ポジションに対し、全社員の約2割に相当する1,662件の応募が集まったのです。結果として687名の異動が実現しましたが、これは期間中の社内異動全体の約69%を占める数字です。当初は50%程度を想定していたので、社員が自らのキャリアを主体的に築くことへの意欲の高さがうかがえ、大変心強く感じています。
約7割が手挙げでの異動というのは驚異的な数字です。どのような仕組みが、社員の皆さんの主体的な行動を後押ししているのでしょうか。
まず、社内のすべてのポジションが、ジョブポスティング専用のシステム上で完全に可視化されています。社員は誰でも、どの部門にどのようなポジションが空いているのかを検索し、そのポジションの職務内容を記した「ポジションプロファイル(職務記述書)」を閲覧できます。これにより、自分が目指したいキャリアの方向性や、そのために必要な経験・スキル・資格などが明確になります。
応募する際は、自身の職務経歴や成果、5年後・10年後にありたい姿などをまとめたレジュメを提出してもらいます。このプロセス自体が、自身のキャリアを深く見つめ直す「棚卸し」の機会として機能していると考えています。実際、応募するだけでも自身のキャリアを考える良いきっかけになった、という声が多く聞かれます。
応募後の選考プロセスはどのようになっているのでしょうか。異動が実現しなかった社員へのフォローも重要だと思います。
選考は、書類審査と面接で行われます。重視しているのは、たとえ選考を通過しなかったとしても、その挑戦が本人の成長の糧になるようにすることです。そのため、不合格となった応募者には、募集部門のマネジャーから必ず具体的なフィードバックを行うことをルール化しています。何が評価され、何が足りなかったのか、今後どのような経験を積めばそのポジションに近づけるのかを丁寧に伝えることで、ジョブポスティング制度が単なる異動のマッチング機能に留まらず、社員にとっての貴重な「成長機会」となることを目指しています。
応募する際に、現所属の上司の許可は必要なのでしょうか。一般的には、引き留めに合うケースも聞かれます。
制度の根幹に関わる部分なので、秘匿性を重視しています。社員が応募した事実は、合格が確定するまで直属の上司には一切伝わりません。また合格後、上司がその異動に対して拒否権を発動することもできません。これは、「キャリアのオーナーシップは社員自身にある」という会社としての明確なメッセージです。
部下が異動することになれば、マネジャーは新たな人員を探さなければなりません。しかし、それ以上に社員が自律的にキャリアを考え、挑戦することを尊重する文化を醸成することが重要だと考えています。
これほどの変革を、段階的にではなく全社一斉に導入された点に驚きました。何か特別な狙いがあったのでしょうか。
多くの企業では、大きな制度変更は特定の部署から試験的に始める「スモールスタート」が一般的かもしれません。しかし、私たちはあえて全社一斉導入に踏み切りました。部分的な導入では、結局「旧来の制度も残っている」という安心感が生まれ、本当の意味での意識変革や行動変容にはつながりにくいと考えたからです。
経営トップの「本気度」を示す意味でも、退路を断って一気に変えるという強い意志がありました。人事部門としては準備がかなり大変でしたが、経営の力強い後押しがあったからこそ、短期間で制度を動かすことができたと感じています。
年齢や役職にかかわらず、多くの方が挑戦されているのでしょうか。
はい。最高齢では63歳の社員が手を挙げ、異動を実現した例もあります。ボリュームゾーンは30代から40代ですが、50代、60代の社員も決して少なくありません。年齢にかかわらず、誰もがキャリアの可能性を追求できる環境が整いつつあると感じます。
興味深い動きとして、現時点の処遇や等級を下げる形で、全く異なる職務に挑戦する社員も出てきました。自身の成長やキャリアの幅を広げることを目的に、報酬よりも経験を優先する選択です。グループ会社のポジションにも応募可能で、合格すれば転籍となりますが、実際にそういう事例も出てきています。中には、等級を4段階も飛び越えるケースもありました。これらは、旧来の制度では考えられなかったことで、ジョブポスティングだからこそ生まれたダイナミズムだと確信しています。
募集部門側から社員にアプローチするような機能もあるのでしょうか。
はい。システムには社員が自身のスキルや経歴を登録するデータベースがあり、募集部門のマネジャーはそれを検索できます。例えば「こういう資格を持った社員はいないか」と探し、候補者に「このポジションに興味はありませんか」と直接アプローチを送る機能も備わっています。これにより、社員からの応募を待つだけでなく、部門側からも積極的に人財を探しにいけます。当初想定していた候補者以外にも、魅力的な人財を発見し、採用に至るケースも出ていて、適所適材の精度向上に大きく貢献しています。

「ジョブ型」と「複線的キャリアパス」が開拓する、多様な活躍の舞台
ジョブポスティングが有効に機能するためには、各ポジションの役割や責任が明確に定義されていることが前提になるかと思います。一般社員へのジョブ型雇用の導入について、詳しくお聞かせください。
おっしゃる通り、ジョブポスティングとジョブ型雇用は一体のものです。当社では2020年に、まず幹部社員(非組合員)を対象にジョブ型を先行導入しました。約800のマネジメントポジションの職務内容を定義し、適所適材の配置を進めた結果、管理職の若返りや部門間の人材流動性の向上といった成果が確認できました。
この成功を受け、一般社員にもジョブ型を全面的に拡大しました。年功ではなく、役割に応じた公正な処遇を実現することが狙いです。その際に作成したジョブディスクリプションは、研究職を例に挙げると、同じ研究業務でもG3、G4、G5といった等級ごとに求められる職務内容を細かく定義しているため、最終的に約2,000種類にも及びます。
約2,000種類に及ぶジョブディスクリプションというのは膨大な数ですが、どのように作成されたのでしょうか。
すべてをゼロから人手で作成するのは現実的ではないので、AIを活用しました。各チームの目標設定シートや過去の業務内容、成果といったデータをAIに読み込ませ、ポジションプロファイルの草案を生成。それらを基に、全国に13名いるHRBP(HRビジネスパートナー)が中心となり、現場のマネジャーたちに展開して修正・追記を依頼しました。このプロジェクトには、人事部門の担当者5名と13名のHRBPに加え、現場のマネジャー層を含めると、総勢300~400名が関わっています。
作成プロセスで最も困難だったのは、職種が異なっても、同じ等級であれば求められる役割や責任のレベル感を全社で統一することでした。例えば、研究職のG3(等級)と営業職のG3のレベル感がずれていると、報酬の公平性が担保できなくなります。そこでAIも活用しながら、全社のG3等級のプロファイルを横断的に比較し、「この職種のG3は、他と比較して要求レベルが高すぎる(あるいは低すぎる)」といったズレを何度も調整しました。ここがジョブ型の根幹をなす部分であり、最も労力を要した点です。
役割が明確になったことで、社員の意識や行動に変化は見られますか。
大きな変化を感じています。例えば、ある研究職のG3の社員が、G4のポジションを目指そうと考えたとします。社員はシステム上でG4のポジションプロファイルを確認し、そこに記載されている「必要な実務経験」や「推奨される資格」と、現在の自分とのギャップを客観的に把握できます。これにより、「次はあの資格を取得しよう」「この実務経験を積めるプロジェクトに参加したい」といった、具体的で主体的な成長プランを描くことが可能になりました。まさに「個を磨く」ための道筋が可視化されたわけです。
キャリアの選択肢という点では、「複線的なキャリアパスの構築」も重要な施策ですね。
これまでは管理職、つまりマネジメントポジションを目指すキャリアパスが主でしたが、多様な人財が活躍するためには、それ以外の道も必要です。そこで、高度な専門性を追求する「プロフェッショナルポジション」を、従来の約100から300へと大幅に拡充しました。
これも経営戦略から逆算したものです。「TOP I 2030」を達成するためには、今後どのような専門性を持つ人財が必要になるのかを各部門で洗い出し、将来必要となるポジションを新たに定義しました。マネジメントではなく専門性を極めたいと考える社員にとっても、明確なキャリア目標ができたことになります。
挑戦を「文化」にするための評価とフィードバックの仕組み
新たな人事制度では、評価制度も大きく変更されたと伺いました。「OKRの思想をベースとした評価制度」についてお聞かせください。
「TOP I 2030」という高い目標を達成するためには、社員一人ひとりが既存の枠にとらわれず、より大きな挑戦をする必要があります。そこで、従来の目標管理制度に加え、OKR(Objectives and Key Results)の思想を取り入れた評価制度を導入しました。
具体的には、職責に基づく必達目標とは別に、より挑戦的な「ビヨンド目標」を任意で設定できるようにしました。重要なのは、ビヨンド目標は達成度で評価するのではなく、失敗を恐れずに高い目標に挑んだプロセスや、その挑戦によって生み出された「価値」を加点方式で評価する点です。たとえ目標が未達に終わっても、減点されることはありません。社員が高い目標を掲げることへの心理的なハードルを下げ、挑戦を奨励するメッセージを明確に打ち出しています。
正直なところ、導入初年度は「どのような目標を立てればいいのか」と戸惑う社員が多かったのが実状です。そこで、まずは部長クラス以上のマネジメント層が率先して挑戦的な目標を立て、それを全社に公開しました。上司がどのような視座で目標を立てているのかを示すことで、メンバーが「自分の役割に置き換えると、こういう挑戦ができそうだ」と考えるきっかけを作ったのです。
全社員の目標は、役員も含めて原則すべて社内に公開しています。これもAIを活用していて、例えば「人事領域でDXに関する目標を立てている人を探す」といった検索が可能です。これにより、部門を超えたコラボレーションが生まれることを期待しています。他の社員の目標を見ることで刺激を受けたり、自分の目標設定の参考にしたりと、組織全体の目標達成力を高める効果も出てきています。
「360度フィードバック」も新たに全社へ導入されたとのことですが、どのような狙いがあるのでしょうか。
社員の自律的な成長を促すためには、多角的な視点からのフィードバックが不可欠です。特に、これまで当社ではポジティブなフィードバックは活発でしたが、改善点を伝えるようなネガティブフィードバックを行う文化が根付いていないという課題がありました。そこで、上司や同僚、他部署の社員など、自分で依頼した複数名から匿名でフィードバックをもらう「360度フィードバック」を全社で導入しました。
こうしたフィードバック、特にネガティブなものを受け取ることに抵抗を感じる社員もいます。そのため、フィードバックの適切な伝え方や受け止め方に関する研修を丁寧に行いました。誹謗中傷のような不適切な内容については、AIが検知してフィルタリングする仕組みも導入しています。時間はかかるかもしれませんが、建設的なフィードバックを互いに贈り合う文化を醸成していきたいと考えています。
年齢にかかわらず活躍できる環境という観点では、「雇用上限年齢の撤廃」も大きな決断だったのではないでしょうか。
はい。60歳定年制は維持していますが、65歳以降も本人の意欲と会社のニーズが合致すれば、年齢の上限なく働き続けられるようにしました。さらに大きな変更点として、従来は55歳で「シニア社員」という区分になり、給与水準が下がっていましたが、この制度を廃止しました。現在は、60歳を超えても現役世代と全く同じ等級・報酬制度が適用されます。年齢ではなく、あくまで役割と成果で処遇するという方針を徹底しています。
シニア社員からは、モチベーションが上がったというポジティブな声が多く聞かれます。一方で、若い世代と同じ基準で評価されるため、これまで以上に成果を求められるという厳しさも感じているようです。役割や成果に見合わない場合は、処遇が下がる可能性もあります。厳しさもありますが、パフォーマンスを正当に評価してほしいと考えるシニア社員の活躍を後押しする制度になったと考えています。
制度を“生きたもの”にするための進化と、見据える未来
これだけの大きな改革を推進する上で、マネジャーの役割も非常に重要になるかと思います。負荷の増大といった課題はありませんでしたか。
お察しの通り、マネジャーの負荷増大は、現在の明確な課題の一つです。ジョブポスティングにおける書類選考や面接、一人ひとりへの丁寧なフィードバック、OKRに基づく目標設定のサポートや評価など、求められる役割は格段に増えています。
しかし、この点については社長自らが「マネジャーの最も重要な仕事は人材育成である」と繰り返し発信しています。プレイングマネジャーとして自らが実務をこなすのではなく、部下の成長を支援し、チーム全体の成果を最大化することが本来の役割なのだ、と。このトップからの強いメッセージが、マネジャーの意識改革を後押ししています。
マネジャー自身の意識も変わらざるを得ない状況ということでしょうか。
そう言えると思います。自分の部下が、いつ他のポジションに手を挙げるか分かりません。つまり、日頃から部下のキャリアに向き合い、成長を支援していなければ、優秀な部下ほど組織から出て行ってしまう可能性があるわけです。これはマネジャーにとって大きなプレッシャーであると同時に、本来の役割である「人材育成」に本気で取り組む強い動機付けにもなっています。組織全体として、人材育成に対する真剣度が格段に上がったと感じています。
制度を導入して終わりではなく、常に改善を続けていくことが重要だと感じます。
まさしくその通りです。私たちが最初に作ったルールが完璧だとは考えていません。各事業本部に配置しているHRBPを通じて、現場の意見を常に吸い上げています。現場で運用しにくいという声があれば、朝令暮改を恐れずに、柔軟にルールを変更しています。例えば、ある部門では選考プロセスを少し簡略化するなど、部門ごとの特性に合わせたカスタマイズも認めています。制度を形骸化させず、現場で本当に使われる“生きたもの”にするためには、柔軟性が不可欠です。現場のHRBPが運用できなければ意味がない、という考えで彼らの意見を最優先にしています。
今後は部門ごとの取り組みも活発化させたいと考えています。例えば、自部門の仕事の魅力を紹介する動画を作成したり、新卒採用活動における会社説明会のように、各部門がブースを出展して仕事内容をアピールする「社内ジョブフェア」を開催したりすることで、社員が自身のキャリアを考えるきっかけをさらに増やしていきたいですね。
最後に、今後の展望についてお聞かせください。
ジョブポスティング制度については、さらなる進化を計画しています。一つは、AIによるマッチング機能の強化です。社員が登録したスキルや経験、キャリア志向に基づき、AIが「あなたにはこのポジションが合っているかもしれません」とレコメンドする機能や、目標とするポジションに就くためのキャリアパスを提示する機能などを実装したいと考えています。
また将来的には、社内の空きポジションを社外にも公開し、社内外の人財が同じ土俵で選考に臨む形を目指しています。真の適所適材を追求する上で、人財の獲得を社内に限定する必要は全くありません。この仕組みを実現することで、組織全体の力を最大化できると信じています。
日本の企業におけるキャリア形成のあり方として、私たちの取り組みを新しいスタンダードにしたいと本気で考えています。社員のマインドが変わらなければ、どんな精緻な制度も機能しません。会社はキャリアの機会を提供するプラットフォームであり、それを選ぶのは社員自身であるという厳しい現実と向き合いながらも、挑戦する社員を全力でサポートする。この両輪を回し続けることが、人事部門の使命だと考えています。

(取材:2025年9月25日)

人事・人材開発において、先進的な取り組みを行っている企業にインタビュー。さまざまな事例を通じて、これからの人事について考えます。
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