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【ヨミ】ジョブガタサイヨウ ジョブ型採用

「ジョブ型採用」とは、職務(ジョブ)や勤務地などが限定されたジョブ型の雇用契約を前提とする人材採用のあり方です。職務要件を明確にし、主にスペシャリストとしての専門性を評価するのが特徴で、こうした採用プロセスによって雇用された社員をジョブ型正社員あるいは限定正社員と呼びます。政府の規制改革会議が2013年6月にとりまとめた答申では、ジョブ型正社員の本格導入に向けて14年度中に雇用ルールづくりを行うことが明記されました。(2013/12/20掲載)
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ジョブ型採用のケーススタディ

従来の正社員は就「職」より就「社」
若者の進路選択には多様化の兆しも

2013年6月、日本経済の再生に向けた“三本の矢”のうちの三本目の矢である成長戦略「日本再興戦略―JAPAN is BACK―」が閣議決定され、「全員参加の社会」を構築するための雇用制度改革・人材力強化の具体策として「ジョブ型採用」の本格導入などが盛り込まれました。先述の規制改革会議の答申を受けて策定された戦略で、職務などに着目した「多様な正社員」モデルの普及・促進を図るために、有識者懇談会を今年度中に立ち上げ、労働条件の明示など、雇用管理上の留意点について来年度中のできるだけ早期に取りまとめる、としています。

「ジョブ型」とは自らの専門スキルを活かし、職務や勤務地を絞り込んで働く就労形態。欧米ではむしろ一般的で、雇用契約においては職務や勤務条件などが明記されたジョブ・ディスクリプション(職務記述書)が交わされます。職務や条件が雇用契約で限定される以上、使用者側がこれを一方的に変更できないだけでなく、経済情勢の変化でその仕事がなくなった場合は労働者にも配転を希望する権利は認められません。

一方、ジョブ型と対比される概念として「メンバーシップ型」という言葉があります。職務も勤務場所も労働時間も限定されない、言いかえれば企業側の都合でいくらでも変えられる働き方のことで、ジョブ型のように職務に就く形態ではなく、会社という共同体の一員になるという意味で「メンバーシップ型」と呼ばれます。規制改革会議の議論に資料として提出されたレポートでは、このメンバーシップ型と同様の趣旨で“無限定正社員”(限定正社員の反意)という言葉も使われました。無限定正社員には、職種や勤務場所の変更、残業などの命令があれば基本的に受け入れなければならないという“暗黙の契約”が上乗せされており、原則として無限定正社員でなければ正社員と認められないのが日本の企業社会の現状である、としています。

日本の労働市場が正規・非正規といった線引きで極端に二分化する中、正社員という身分を得るために企業からメンバーシップ型の無限定な働き方を期待・要請されることは、とりわけ既婚の女性にとって不利に働きかねません。ブラック企業の問題の根源も、このメンバーシップ型モデルにあるとの指摘もあります。そこでジョブ型を含む、より多様な正社員モデルの普及・促進が必要との議論が高まってきたわけです。

就職に臨む若者たちの意識にも変化が現れてきました。大和総研が文部科学省の「学校基本調査」を使い、大学の進学状況や就職状況を学問分野別に分析したところ、13年の入学者数については保健、家政、教育の分野で増加率が高くなっているのに対し、人文・社会科学の増加率は1%以下の水準にとどまりました。直近5年の学生数でも人文・社会科学で低下が続く一方、保健・家政・教育の分野は上昇。さらに就職状況を職業内容別にみると、学生数が増えている保健、工学、教育などの分野では専門的・技術的職業に就く傾向が強く、社会科学や人文科学では事務・販売などの職業に就く比率が高まっています。

こうした点から同総研では、若者の間に「ジョブ型」を意識した進路選択の兆しが見えていると述べています。大学進学率が低下する一方で、専門学校への進学率は4年連続で上昇中。大幅な経済成長が望めない成熟型の社会では、専門性を活かせる「ジョブ型」により大きな可能性があることを、若者は敏感に察知しているのかもしれません。

また、2019年4月22日には「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」が中間報告書を発表。「メンバーシップ型採用(新卒一括採用)に加えて、ジョブ型雇用を念頭においた採用を含め、複線的で多様な採用形態に秩序をもって移行すべき」という認識を経団連と大学側が共有したことを発表しました。今後、さらにジョブ型採用が注目されるでしょう。

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