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となりの人事部新卒採用掲載日:2023/04/27

“誰もが戦力”が合言葉 ANAグループの共通理念「3万6千人のスタート」をベースにした、「キャリアアップ」「働きがい」を実現する障がい者雇用

白木 亜紀さん(全日本空輸株式会社 人事部 グループ障がい者雇用推進室 室長/ANAウィングフェローズ・ヴイ王子株式会社 代表取締役社長)
井田 裕二さん(全日本空輸株式会社 人事部 グループ障がい者雇用推進室 リーダー)
古谷 久美子さん(全日本空輸株式会社 人事部 グループ障がい者雇用推進室)

“誰もが戦力”が合言葉 ANAグループの共通理念「3万6千人のスタート」をベースにした、「キャリアアップ」「働きがい」を実現する障がい者雇用

2023年1月、厚生労働省が障がい者の法定雇用率を2.3%から2.7%に引き上げると発表しました。しかし現状では、雇用率2.3%を達成している企業は約5割であり、引き上げに対して懸念の声も上がっています。このような環境の中、ANAグループでは、2012年に障がいのある社員の活躍を推進する専任組織を設立。障がい者雇用における共通の行動規範「3万6千人のスタート」を策定し、現在ではグループの全40社それぞれが個社ごとに法定雇用数を達成しています。取り組みの背景や概要、グループ間の連携体制などについて、ANA人事部グループ障がい者雇用推進室 室長の白木亜紀さんと、同リーダー 井田裕二さん、古谷久美子さんにうかがいました。

Profile
白木 亜紀さん
白木 亜紀さん
全日本空輸株式会社 人事部 グループ障がい者雇用推進室 室長/ANAウィングフェローズ・ヴイ王子株式会社 代表取締役社長

しらき・あき/1989年客室乗務員として全日本空輸株式会社に入社。1999年より企画部門で経営広報誌編集を担当。2004年より管理職として客室乗務員の人財育成と機内品質向上に従事。2009年よりエアージャパン出向、上海駐在などを経て、2016年より特例子会社ANAウィングフェローズ・ヴイ王子で企画部長、取締役として障がい者雇用の発展に注力し、2022年より現職。障がいのあるなしに関わらず全員が活躍できる組織運営を目指している。

井田 裕二さん
井田 裕二さん
全日本空輸株式会社 人事部 グループ障がい者雇用推進室 リーダー

いだ・ゆうじ/1998年全日本空輸株式会社入社、空港旅客部門、中国(北京・上海支店総務)駐在、人事(各種制度運用・海外人事)部門での経験を経て、2011年より管理職として国際貨物営業、給与・税務・福利厚生業務、旅客スタッフ人財開発に従事し、2022年より現職。雇用の質の向上に向けて、全グループ社員の教育・研修の拡充と障がいのある社員が活躍できる職域の拡大に取り組む。

古谷 久美子さん
古谷 久美子さん
全日本空輸株式会社 人事部 グループ障がい者雇用推進室

ふるや・くみこ/2007年ANA成田エアポートサービス株式会社に入社し、グランドスタッフとして従事。ラウンジ・VIP接遇部門での業務、ANA国際線・エティハド航空における空港地上業務を経て、山東航空の新規受託立ち上げに関わる。2015年よりこれまで計約5年半、ANAグループの障がい者雇用に従事。行動規範「3万6千人のスタート」の浸透活動にも携わる。

各社をつなぐ構造でグループ全体の障がい者雇用を促進

ANAグループが、障がい者雇用に注力するようになった経緯を教えてください。

古谷:グループ障がい者雇用推進室(以下、推進室)は、2012年に設立されました。当時はグループ各社で雇用の進み方が違っていて、多くの会社が法定雇用率を下回っていました。そこで各社を橋渡しし、ネットワーク基盤を固めることによってグループ全体で雇用を加速させ、誰もがいきいきとやりがいを持って働ける環境づくりと風土醸成を図るべく立ち上がったのが、推進室です。

推進室の役割はグループ40社の横断的なサポートですが、取り組みは3本の柱が軸となっています。一つ目は法定雇用率達成に向けた採用活動のサポート。グループ合同面接会を年に数回実施するほか、大学など教育機関などにも訪問しています。また、法定雇用数を達成できていない会社には、個別の支援も行います。外部情報発信のグループ障がい者採用サイトでは、アクセシビリティを整え、障がいのある方を含めた誰もがサイトにアクセスできるよう、事前の環境整備を行うことも各社の採用活動を側面サポートする一つの役目です。

二つ目は、障がい者雇用に対する、グループとしての考え方や姿勢の啓発です。全社向け啓発セミナーの開催や階層別研修でのコンテンツ、eラーニングなどを企画し、運営しています。障がい者雇用の取り組みを地道にかつ確実に行ってもらい、裾野を広げていくことが重要です。

そして三つ目は、グループとしての運営基盤の強化。グループ各社の障がい者雇用推進者と連携して活動するほか、業種別の意見交換会なども実施しています。また、各社の雇用実績を取りまとめ、毎月1日時点の状況をグループ各社の社長に共有しています。

古谷 久美子さん(全日本空輸株式会社 人事部 グループ障がい者雇用推進室)

推進室とグループ各社とは、どのような関係にあるのでしょうか。

古谷:各社とも、総務・人事部門に障がい者雇用推進者が2~3名ほど配置され、採用活動から障がいのある社員が活躍できる社内の環境整備、啓発などを広く担っています。推進室と各社推進者、そして各社推進者同士のつながりも重視していて、年度初めに実施する推進者会議は、グループの年度方針を確認し、各社が一致団結して取り組むことをあらためて確認する場となっています。

ANAグループの障がい者雇用推進体制(連携の構図)

一方で各社とも事業や組織規模、地域性などが一律ではないので、障がい者雇用のベストなあり方はそれぞれで異なります。自社に合わせて活動内容をカスタマイズしながら、土台となる行動規範の具現化に向けて社内の環境整備を図っています。推進室では各社を訪問して頻繁にコミュニケーションを取りながら、採用や研修、環境整備、マネジメントを支援しています。

毎月のグループ全社の雇用状況をグループの経営層にレポートするのも、推進室の重要な業務です。情報を開示し、全社的な課題として関与してもらい、トップダウンで現場レベルにまで共通理念を落とし込めるよう体系化しています。

白木:現在の体制を築いた2012年の時点で、障がい者雇用に真剣に向き合い、極端に言えば障害者雇用納付金制度における納付金を納めないことを決めました。「納めない=絶対に法定雇用率を達成する」という、経営の強い決意があるからこそ、現場も力を入れて取り組むことができます。今や各社のトップにとって、障がい者雇用はESG経営の観点で大事な要素です。人事異動でグループ会社の社長に着任するにあたり、事前に私たちのところに状況を聞きにくる人もいるほどです。

また、特例子会社のANAウィングフェローズ・ヴイ王子では、現在グループ11社の障がい者雇用に対応しており、グループ全体のうち約3割の障がいのある社員が働いています。さまざまな事業を展開しており、その中のひとつ、ユニバーサル・スタンダード・コンサルティング事業部では、これまでに培ってきたナレッジや事例を活かして、新しい施設の職場環境や空港のユニバーサルデザインをアドバイスするなど、誰もが働ける環境づくりを後押ししています。

戦力としての活躍と個別の理解を明文化

グループでは2015年に「3万6千人のスタート」という、障がい者雇用にまつわる行動規範を策定したそうですね。

古谷: 2015年は、障がい者雇用において節目の年といえます。4月にグループCEOが「ダイバーシティ&インクルージョン宣言」を発信し、経営戦略として社員の多様性を重視することを打ち出しました。一人ひとりの強みを最大限に生かす職場を実現し、誰もがいきいきとやりがいを感じながら働くことで信頼と変革を生み出すというものです。

並行して、障がい者雇用に関わる基本的マインドを策定するプロジェクトが立ち上がりました。各社の推進者と障がいのある社員約50名のチームが、4日間の策定合宿と2日間の策定会議を行うなど、半年間かけて望ましい働き方やマインドについて議論を重ねてできたのが、「3万6千人のスタート」です。

3万6千人とは当時のグループ従業員数(2023年4月現在は約4万2千人)で、全員が一丸となって新たな挑戦に踏み出す意志をタイトルに表しました。理念にあたる「前文」と、具体的行動を表す四つの「本文」で構成されています。

グループ企業が40社近くある中で、どのような共通の価値を見出したのでしょうか。

古谷:核となったのは、「誰もが戦力である」という考えです。ANAは営利企業ですから、収益性を求められます。福祉の文脈で障がいを捉えると、どうしても支援する側・される側という関係が生じますが、グループの発展によって良い社会を実現するという意味で、私たちは障がいの有無に関係なく、全員が同じゴールをめざす仲間なのだということを確認しました。

もう一つは、障がいとその多様性を正しく理解することを大切にし続けてきました。たとえば“視覚障がい”と障がい種別でひとくくりにするのではなく、個々の障がい特性や状況、程度、先天性か後天性かの違いなどから、どのような配慮が必要なのかを個別で見ていくのです。もちろん障がいがあっても、配慮を必要としない人もいます。障がいについて「知らないこと」で差別や偏見に繋がることもあります。一人ひとりが異なること、その理解のために、対話を重ねていくことを決めました。

どのようにして「3万6千人のスタート」を周知したのでしょうか。

古谷:どうすれば絵に描いた餅で終わらず、実行につながるのかを議論したところ、フェース・トゥ・フェースでのコミュニケーションを通して理念を伝え、策定に至った経緯や想いを届けることが重要だという結論に達し、グループ全社で「3万6千人のスタート浸透活動」を行いました。推進室ではパンフレットや携帯カード、映像教材などを用意。各社の推進者が主体となり、それぞれの組織に合った方法で浸透活動を行いました。

管理職やリーダーが説明する組織のほか、ワークショップ形式で理解を深める組織、独自にeラーニングコンテンツを作成する組織など、その方法はさまざまです。シフト勤務を敷く組織の場合、一回の研修では参加できないメンバーもいるため、複数回実施。2015年9月の理念策定から、およそ9ヵ月かけて3万6千人すべての社員に想いを届け、浸透活動が終了しました。

浸透活動を行った当時は、どのような反応がありましたか。

古谷:2012年から推進体制を整えていたこともあり、障がい者雇用が組織にとってメリットのあることだと、一定の理解は進んでいたと思います。多くの人が理念に共感し、反対する人は少なかったと思います。ただ、障がいのある人と一緒に働くことについては、なかなかイメージするのが難しかったようです。事業の性質上、お客さまに対する多様性への理解は深いけれど、自身の職場となると戸惑ってしまう人もいました。

白木:「3万6千人のスタート」は、グループCEOの強い意志のもとでスタートしたものですから、各社の役員層は「いいね!」と歓迎しました。しかし、現場マネジメントにあたる中間層では、理解はしているつもりでも現実問題となると厳しい反応もありました。実際に多様な人たちと働いてみると、悩む場面もたくさん出てきます。そうしたときの判断のよりどころとして、行動規範の存在が高まっていたように思います。

白木 亜紀さん(全日本空輸株式会社 人事部 グループ障がい者雇用推進室 室長/ANAウィングフェローズ・ヴイ王子株式会社 代表取締役社長)

井田:率直に言えば、各職場のマネジメント層の感覚は総論賛成・各論反対で、障がい者雇用を進めたいという想いがある一方、組織・人財マネジメントの難しさに直面していました。今でも各社での葛藤は多少なりとも見られるものです。

古谷:既存社員への理解促進と同時に、新しい仲間への啓発も大切です。そのため、グループの新入社員教育の中に障がい者雇用に関するコンテンツを盛り込み、グループとしての姿勢を理解する機会を提供しています。

人材育成を重視する面倒見のいい組織文化が活躍を後押し

「3万6千人のスタート」によって、どのような変化が見られましたか。

古谷:統計面でいうと、雇用が大きく加速しました。理念を策定した2015年にグループで法定雇用率を達成した後、障がい者雇用率は着実に増加しています。2022年時点では、グループ全体で881名の障がいのある人が働いていて、雇用率は2.69%と、法定雇用率を上回っています。

数字で見るグループの障がい者雇用状況

また、2012年時点では障がいのある社員のうち身体障がいが8割を占めていましたが、近年は知的障がいや精神障がいのある社員も増えてきています。特に精神障がい者の雇用義務化となった2018年以降は精神障がい者の雇用にも力を入れてきました。2022年時点では、身体障がいが全体の5割強、知的障がいが2割、精神障がいが3割弱という比率です。

井田:グループ企業は現在約40社ありますが、2022年度はすべての企業が法定雇用数を満たす状況が1年間で9ヵ月あるなど、障がい者雇用が当たり前のものとして定着しつつあります。

採用面での効果も感じています。会社説明会で「3万6千人のスタート」の話をすると、緊張していた表情が少し和らぐんですね。障がいのある方の多くは、自分は働けるだろうかと不安を抱えているものです。グループの姿勢を知って、安心と期待を感じられるのだと思います。

白木:実際にさまざまな場で、障がいのある社員が活躍しています。例えば、乗務員のユニフォーム管理、機体の整備記録のスキャニング、空港内のコンビニエンスストア、マイレージクラブのサービスセンターなど。

活躍できる拠点は多く、例えば宮崎県のリゾート地 青島には「ANA青島ファクトリー」という工房があり、飲料パックを溶かしてつくる手すきの紙製品や、宮崎県木の飫肥杉で木の小物やトロフィーなどを製造しています。私のANAウィングフェローズ・ヴイ王子の名刺も、青島ファクトリーでつくられたものです。手すき紙の柔らかな風合いと、名前が点字で入っていますので、名刺交換の際に話のきっかけになることも多いです。

井田:空港でオペレーションに携わるスタッフ、間接部門で仲間をサポートするスタッフ、そして人事、経理、広報などコーポレート部門のスタッフなど、さまざまな職域で活躍しています。また、現場リーダーや管理職に抜てきされ、マネジメント業務に携わる社員も珍しくありません。

なぜそのような活躍ができるのでしょう。

井田:前提として、航空会社の仕事は安全運航と定時性を厳守しなければなりません。仕事を正確かつ迅速に進めるための詳細なマニュアルがあり、加えて、業務プロセスも細分化されています。そのため個人の特性に応じて、仕事を切り出しやすく、全てをこなすのは難しくても範囲を絞って仕事を任せることができます。

また、人財を育てる組織文化が現場に根づいていることも、大きいと思います。スキルを磨く研修に加えて、人間力を育てる研修なども充実していますし、現場のOJTも手厚く、同僚からのアサーションも支えとなり、障がいのあるなしにかかわらず、多様性を受け止める素地になっていると感じます。

古谷:「3万6千人のスタート」発信以降、現場での相談や悩みの声が、私たちのところまで上がってくるようになりました。これまで周りが気づかずに潜在化していたものが、上司や同僚が本人から話を聞いたり気づいたりして、みんなで解決しようという動きが見られます。このようにして推進室には、障がいのある社員と共に働くうえでのナレッジが蓄積され、各職場の課題解決につながるヒントを提供することができます。

井田:障がいのある人財と同じフィールドで働く経験を重ねることで、多様性による化学反応が起こり、組織や個人の成長につながっていると感じているチームも多いですね。

白木:私は日ごろから障がいのある社員と接していますので、特に気になることはありません。もちろん配慮する必要はありますが、対等な関係を築けていると思います。誰しも育児や介護などで配慮が必要なときがありますし、本当の意味でのDEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)を実現する切り口として、障がいのあるなしにかかわらず全員が戦力となるという考え方は、時代の流れに合致していると感じます。

この10年を振り返ると、環境はかなり変わりました。やはりトップダウンでの決意の発信と、各社の障がい者雇用推進者による継続的な活動が、現場の理解を深めていくのでしょう。

学びの充実と職域の拡大の両輪でキャリアアップを図る

雇用率が安定したところで、次の課題はどこにあると感じますか。

井田:これまでは雇用の「量」にフォーカスしていましたが、今は雇用の「質」に着目しています。質を図る指標のひとつに定着率があります。グループの障がいのある社員のうち、3年以上在籍している人の割合は毎年10%以上のペースで増加しています。組織に愛着を持ち、長く働ける従業員が増えているのは、うれしいことです。

一方、全従業員が4万人超で、そのうち障がい者の数が1000人に満たないということは、従業員の多くが障がいのある社員と一緒に働いたことがない、ということでもあります。障がいに対する理解促進には、継続的な学びが欠かせません。そのためDEI推進部とも連携し、全従業員向けのeラーニングコンテンツを新しく作成しました。障がい者と働くうえでの心構えや配慮を、繰り返しアップデートできるようにしています。

井田 裕二さん(全日本空輸株式会社人事部 グループ障がい者雇用推進室 リーダー)

白木:障がいのある社員も戦力として働く以上、厳しい面はあります。例えば精神疾患などを理由に働くことからしばらく遠ざかっていた場合、復帰ラインの見定めは慎重に行います。社員の主治医と勤務先の産業医で判断が分かれたときは、産業医の意見を重視します。仕事の内容や働く環境を理解したうえで、負荷を考慮できるからです。本人が大丈夫だと思っていたとしても、話し合いを重ねて合意を得るようにしています。業務ができるかどうかが大事なポイントです。

今後、力を入れていきたい領域があれば、教えてください。

井田:キャリアアップを図っていく仕掛けの必要性を感じています。障がいのある社員でも、ひたすら同じ仕事を10年、20年と続けていくことは、現実的ではないからです。誰もが成長意欲を持ち合わせていますから、スキルの引き出しを増やす機会をどのように設けるかは、思案のしどころです。

具体的には、研修や教育の受講機会の充実を考えています。グループ内には多数の研修や自己研さんのためのコンテンツが充実していますが、障がいを理由に受講に消極的になってしまっていることは否定できません。DX・ITに伴うリスキリングも含めて、学びのハードルを下げる必要があると考えています。

同時に、職域を拡大していくことも重要です。既存の業務だけでは、やがて雇用できる人数に限界が来てしまいます。一方で、環境変化への適応が得意でないために、一歩踏み出すことをためらってしまう人もいます。現状も踏まえて最適な方法を見出していきたいと思っています。

職場で適正な合理的配慮を継続的に受けられること、変化に応じて配慮を変えていくことで、障がいのある人が本来の力を発揮できるようになります。そのためグループでは「プロファイルシート」を活用していて、障がいの内容のほか、力を発揮しやすいサポートや働き方などをまとめています。今は紙での運用ですが、人事部のタレントマネジメントシステムと連携し、将来的には異動などによって直属の上長や職場環境、勤務体系の変更があっても、スムーズに対処できる仕組みを構築していく予定です。

白木:障がい者雇用を考えるにあたっては、“働きやすさ”に焦点が当たりがちですが、“働きがい”も同じくらい大事なことです。志を同じくする仲間とは一緒に楽しく、そして目標に向かって果敢にチャレンジする。そうした積み重ねによりできることが増えていけば、自己肯定感や自信につながっていきます。仕事を通して日々の充実や幸せを実感し、人生が豊かになればとてもうれしく思います。私たちはこれからも、全ての人の働きがいの創出につながるように努めていきたいと考えています。

白木 亜紀さん,井田 裕二さん,古谷 久美子さん

(取材日:2023年3月30日)

企画・編集:『日本の人事部』編集部

Webサイト『日本の人事部』の「インタビューコラム」「人事辞典「HRペディア」」「調査レポート」などの記事の企画・編集を手がけるほか、「HRカンファレンス」「HRアカデミー」「HRコンソーシアム」などの講演の企画を担当し、HRのオピニオンリーダーとのネットワークを構築している。

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この記事ジャンル 障がい者雇用

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