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【ヨミ】パラレルキャリア

パラレルキャリア

「パラレルキャリア」(parallel career)とは、経営学者のピーター・ドラッカーが著書『明日を支配するもの』などで提唱した考え方です。寿命が延びた現代において、個人はひとつの組織に依存して同じ仕事を続けるだけでなく、それとは別の“第二のキャリア”にも時間や労力の一部を費やすことで新しい世界を切り開くべきだと、ドラッカーは述べています。仕事以外の仕事をもったり、社会活動などに参加したりして、本業と第二のキャリアを両立させる生き方を「パラレルキャリア」といいます。
(2012/3/26掲載)

ケーススタディ

若手が働く意義を見つめ直すきっかけに
別世界で得たスキルや人脈を本業に還元

終業後や休日のオフタイムを活用して、自分の本来の仕事とは別の活動に打ち込む――日本でも「パラレルキャリア」の動きが、若いビジネスパーソンを中心に広がりつつありますが、その意義やねらいは先進地の欧米と少々異なるようです。欧米では、日本と比べて、若いビジネスパーソンの転職率が高いこともあり、現在の仕事や働き方にとらわれずに自分のキャリアプランを考える傾向があります。そうした背景から「パラレルキャリア」に取り組む場合も、その活動を通じて他業種・業界の情報を入手したり、人脈を築いたりするなど、キャリアアップにつながる「転職への足がかり」と捉える人が少なくありません。

一方、日本の若者の「パラレルキャリア」志向の背景には、競争の激化などによる労働負担の増加や職場の疲弊が目立ちます。端的にいうと、本業の仕事では全力投球しても、やりがいを見出しにくい。そうしたなか「パラレルキャリア」が若者たちにとって、働く意義とは何かを見つめ直すきっかけになっているのかもしれません。

厚生労働省の『労働経済白書』によると、「新入社員が働く目的」を調査したところ、2010年度では「楽しい生活をしたい」が38%で最も多く、「社会のために役に立ちたい」も14%で10年前の00年度の2倍超に達しました。逆に、その00年度で最多だった「経済的に豊かな生活を送りたい」や2位の「自分の能力を試す生き方がしたい」といった、かつての“モーレツ社員”的なモチベーションは低下傾向にあり、「パラレルキャリア」への共感につながりやすい若者心理の変化を見てとることができます。また「パラレルキャリア」の支援サイト「もんじゅ」を運営している玄道優子さんによれば、「東日本大震災を機に、社会貢献関連のパラレルキャリアへの関心が高まっている」そうです。

NPO活動に参加したり、起業に挑戦したり、あるいは趣味でプロを目指したり、別世界での活動から得られるものは仕事以外のやりがいだけではありません。経験やスキル、人脈なども貴重な収穫。先述したように欧米ではそれを転職のための手段として利用する傾向がありますが、日本の場合、「パラレルキャリア」に打ち込む若手のビジネスパーソンは得られたスキルや人脈を本業にも還元し、役立てようとする意識が強いようです。その結果、本業での働きがいにあらためて気づいたり、仕事上の壁や行き詰まりを突破して急成長したりするなどの効果も現れています。

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