企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

となりの人事部
第82回 株式会社クレディセゾン

がんとともに生きていく時代
社員が治療と仕事を両立するために人事ができることとは(前編)

株式会社クレディセゾン 取締役 営業推進事業部長 兼 戦略人事部 キャリア開発室長 武田 雅子さん
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

なんでも話し合える信頼関係が仕事と治療との両立を可能に

―― 貴社には、がん患者をサポートするための制度がありますか。

特にがん患者を対象にしたものはありません。その他の傷病と同じように、傷病休職制度や短時間勤務制度、健康相談など一通りの制度でサポートしています。2008年には復職支援制度を導入しました。復職前に自宅でのプログラムをクリアして、産業医と復職面談の上、必要に応じて短時間勤務から復職をスタートさせる、というものです。これはがんの治療を行う社員だけでなく、メンタルに不安を抱える社員にとっても有効な制度だと思います。人事制度を一律に適用するのではなく、本人としっかり話し合いながら、なるべく無理のないように職場に戻ってこられるよう、サポートします。

私ががんになったときには制度がありませんでしたが、非時間管理者であったこともあり、部長にも同僚にも了承を得た上で、朝、放射線治療を行ってから11時ごろに出社したりしていました。治療は毎日でその期間は出張できませんし、リンパ節郭清をしていて、重い荷物も持てないから、先に荷物を出張先へ送ってもらって、私だけ移動すればいいようにする、といったようにやりくりもしていました。私が治療などで抜けるシーンがあっても、その年の採用や研修を止めるわけにはいきませんから、それを踏まえてどういうふうに仕事を達成できるのか、周りのみんなも自然に考えてくれたんです。

株式会社クレディセゾン 取締役 営業推進事業部長 兼 戦略人事部 キャリア開発室長 武田 雅子さん

―― それだけのチームワークが発揮されるためには、普段からのコミュニケーションも重要ですよね。

確かにそうですね。私に限らず、メンバー同士がプライベートのことも含めてお互いによく知っていますし、がんを告白したときも、ある程度は受け止めてくれるだろう、という自信がありました。みんなで仕事に取り組んでこの困難を乗り越えていこう、と。そのためには、普段からの信頼関係が大事ですね。日ごろから、どのようにチーム単位で仕事を進めていくのか、時にはフォーメーションを変えて、リーダーも含めて柔軟に対応する、ということです。

当社の場合、女性比率が正社員の77%ということもあって、産休や育休でメンバーが抜けるのは日常のことです。また、子育てをしていると、子どもが熱を出すなど、不測の事態が起こることもあります。そうなると、本人はどんなに仕事をしたくても子どものことを優先しなければならないので、周りが手を差し伸べるしかありません。


記事のオススメ、コメント投稿は会員登録が必要です

となりの人事部のバックナンバー

株式会社村田製作所:
応募者の入社意欲や面接満足度をどう高めればいいのか
テクノロジーで採用面接のコミュニケーションを“見える化”した村田製作所の取り組み
人材の採用難が深刻化する中、採用力強化に直結する「面接力の向上」を課題とする企業は少なくありません。しかし、面接官と応募者が閉じられた空間で対面し、定性的なレビ...
2020/02/25掲載
キヤノン株式会社:
働き方改革から学び方改革へ
キヤノンが実践する人生100年時代に必要な「変身力」の育て方
人生100年時代に、ビジネス環境の目まぐるしい変化。今や一つのスキルだけで一生食べていける時代ではありません。技術の進歩に応じて、従業員も知識や経験を増やし続け...
2020/02/12掲載
株式会社LIFULL:
「日本一働きたい会社」から「世界最高のチーム」へ
経営理念に命を吹き込む、企業文化のつくり方
日本最大級の不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」を運営する株式会社LIFULL は、2017年3月、リンクアンドモチベーション社主催の「ベストモ...
2019/12/05掲載

関連する記事

日本の人事部「HRアカデミー2019」夏期講座
従業員の「仕事」と「育児」の両立支援~いま、人事が取り組むべきこと~
従業員の仕事と育児の両立を支援するうえで欠かせない「育児休業制度」。しかし、その利用状況を見ると、男女間に大きなギャップが存在する。女性の育休取得率が80%台で...
2019/10/21掲載イベントレポート
株式会社クレディセゾン:
がんとともに生きていく時代 
社員が治療と仕事を両立するために人事ができることとは(後編)
36歳の時に乳がんと診断され、手術を受けた後、職場に復帰した経験の持ち主である、株式会社クレディセゾン取締役の武田雅子さん。前編では、ご自身の経験から、がんと診...
2017/08/21掲載となりの人事部
がん患者等の就労支援
ガイドラインと企業対応
65歳まで働くことが一般的になっている現在、企業は貴重な戦力を維持・確保するためにも、がんをはじめとする持病を持つ従業員への対応を進める重要性が増している。厚生...
2016/11/22掲載人事・労務関連コラム
株式会社ローソン:
男性が変われば企業風土も変わる!
ダイバーシティ先進企業、ローソンが行う「男性の育児休職取得」促進のための取組みとは(後編)
男性の育児休職の取得促進を、女性活躍推進の一環として位置づけるローソン。2014年度に新設した「短期間育児休職制度」の普及・啓蒙を目的に各種施策を展開し、取得率...
2016/10/31掲載となりの人事部
株式会社ローソン:
男性が変われば企業風土も変わる!
ダイバーシティ先進企業、ローソンが行う「男性の育児休職取得」促進のための取組みとは(前編)
女性や外国人など多様な人材の活用を図るために、ダイバーシティ(多様性)推進に積極的かつ継続的に取り組んでいるローソン。小売業として初めて、女性活躍推進に優れた上...
2016/10/24掲載となりの人事部
【用語解説 人事キーワード】
がんサバイバー
がん対策基本法
介護離職

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

あなたの会社の健康労務費見直しませんか?

注目コンテンツ

【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


尻込み、指示待ち、評論家……<br />
ひそかに進行する20代社員の“ゆでガエル化”現象とは

尻込み、指示待ち、評論家……
ひそかに進行する20代社員の“ゆでガエル化”現象とは

ゆっくりと進行する危機や環境の変化に対応する難しさを戒めた、いわゆる「...