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人事の「キャリア」はこうつくる

中央大学大学院戦略経営研究科特任教授

中島 豊さん

流動性がないために、日本の人事は「悪循環」に陥っている

現在、日本企業の人事が抱えている問題点には、どのようなことがあるとお考えですか。

日本企業の人事の方に、優秀な人がたくさんいるのは間違いありません。事実、人事はエリートコースの一つとされている業界や企業があります。問題は、そこにいる人たちに、学ぶ機会が少ないという点です。単に本を読むとか、話を聞くということではなく、自分の思っていること、考えていることを、もう一度、振り返る機会をあまり持てていないのです。

人事担当者として、それなりの持論は持っていますが、それは「自」論でもあります。つまり、それが外部と比べてどうなのか、あるいは他から学んでみようとか、そういう視点があまりない。結局のところ、持論を進化させていないのです。はっきり言えば、勘と経験と度胸で考えた持論を、そのまま適用している。これでは人によって千差万別だし、当然、各社によって人事の考え方が違ってきます。

持論をお互いに持ち寄って、お互いに学び合う、その中でまた新しいものをつくるといった「アウフヘーベン」(止揚)する機会がないわけです。個人としても、自らを省みる、リフレクティブ(内省・内観)する機会が非常に少ないように思えます。

仮に、そういう意識は持っていたとしても、日々の仕事に埋没してしまって、いつの間にか事務処理屋になってしまっているのが現実でしょうか。

そうなってくると、ますます人材の流動性は高まりません。同じ会社の枠組みの中だけで仕事をし続けていると、他では使い物にならなくなってしまいます。だから、動けない。すると、ますます持論が固まっていくという「悪循環」に陥っています。

人事の「型」をつくることの意味

人事に関する「理論」を学ぶことで、中島さんのように多くの会社を経験せずとも、これからの人事戦略を打ち出せるような「人事プロフェッショナル」になることはできますか。

「理論」というのは、武道やスポーツでいう「型」です。型が決まっていないと、応用が効きません。型がない応用は、我流。これでは変化に弱いし、より強いものが来れば、あっという間に負けてしまいます。きちんとした型があれば、環境の変化にいくらでも対応できます。そういう意味で、人事としての型を学ぶことは必要です。

中島 豊さん Photo

何より、型があれば、転職も容易になります。実のところ、人事のプロフェッショナルとして転職するというのは、結構難易度の高いことなのです。なぜなら、各社によって人事のあり様は違うし、その違いを乗り越え、スタイルを見極め、そこに合わせていかなくてはならないからです。これは、かなりエネルギーを使います。様子が分からないから、ストレスも溜まります。

私はたまたま運よく転職することができましたが、自分に合うかどうかは、正直、入ってみなければ分かりません。そういう中で、体調を壊したり、自分の能力を発揮できなかったりして、辞めていく人もいます。特に、外資系企業ではそういう例が少なくありません。また、短期間で辞めてしまうと、それまでの苦労が実になる前に去ってしまい、学ぶことも少ないでしょう。

人事のプロフェッショナルになるために必要な「キャリア」とは?

ご自身のキャリアを振り返って、どんなキャリアを歩めば人事のプロになれるとお考えですか。

私が転職したのは90年代。例えるなら、この時代は宮本武蔵が活躍した「戦国時代」であり、皆が武者修行をして、一門を立てた時代でした。それまでは決まった型がなく、諸派が乱立していた状態。その中で、自分なりの道を立てていく世界でした。こういう時代では、余分なコストがかかります。それこそ、命を落とすケースもあったかもしれない。とにかく、そういう状況を経た後、最近は人事でも幾つかの型ができてきたように思います。

事実、現在は武者修行する必要はありません。街の中に理論を学ぶ「道場」がたくさんできているからです。社会人向けにMBAを学ぶ学校はたくさんありますし、人事プロフェッショナルを育成する講座なども開かれています。そういう道場で、きちんと学んでいくことにより、十分やっていけると思います。

ネットの世界でも、人事担当者同士の交流会やSNSがあって、そこで自主的な勉強会なども盛んに行われています。

中島 豊さん Photo

最近は、そうした人事担当者同士の交流が盛んで、お互いに学び合い、情報交換をしていますね。このようなことができるのも、周辺のサービスが充実してきたからです。以前なら、一部の限られた機関しかありませんでしたが、最近はコーチング会社や研修会社などが増えてきて、積極的に学びや交流の「場」を提供しています。

この学びと交流を続けていくうちに、日本における人事の「スタンダード」ができるようになると思います。多種多様なネットワークがどんどんと広がってくることで、「サイエンス」が生まれてくるはずです。それに加え、アカデミズムの世界も発達してきました。特に、アメリカの大学では人事の機能や役割についての理論が出版物として続々と世に出て、非常に注目を浴びています。

人事部の中でも問題意識のある方は、人と組織の問題に対処するために、心理学や哲学を学ぶケースも出てきました。

HRの世界にも、「サイエンス」が入ってきました。こうした傾向は、成人教育などにも広がっています。とはいえ、依然として昔からの悪しき伝統が生きている例もあります。実験心理学では否定されているのですが、お金がインセンティブを与える最大のものといった古い考えが、まだ一部には残っています。

学びの意味からも、まずは人事が自ら外に出ること。そこで、何かしらの「型」や「スタンダード」を習得することが求められているわけですね。

人事プロフェッショナルの「要件」とは?

ズバリ聞きます。人事プロフェッショナルにとって、求められる要件は何でしょうか。

人事プロフェッショナルの要件としては、まず次の3つを挙げることができます。1番目は、「ビジネス(戦略)と一緒にある」こと。常に、経営と二人三脚であるという姿勢が不可欠です。2番目は「ビジネス(戦略)を知らなければいけない」こと。自社の売っている製品がどういう性質のもので、そこにどのような価値があり、いかに市場に打って利益を出していくか、といったことを当然のことながら知らなくてはなりません。3番目は「実務の遂行家」であること。これは給与の支払いなど、伝統的な管理・プロセス業務ですから、人事には不可欠な要件と言えるでしょう。この3つは、必要条件と位置付けることができます。

また、それらに加えて、以下の3つの要件を挙げたいと思います。4番目が「戦略をつくる能力」です。人事として、経営戦略に対してどういう戦略を組めるのか。これは、先述の1~3番目がちゃんと身に付いていないとできないものです。5番目が「戦略を遂行する人たちを、モチベーションアップさせていく能力」で、6番目が「戦略を遂行する組織をデザインする能力」です。この3つが十分条件と言うことができるでしょう。

6つの要件を見ると、日本の人事で出来ているのは3番目の「実務の遂行家」くらいのように思いますが…。

そうかもしれません。だからこそ、一部の天才は別として、学びが必要なのです。人事実務に関することだけではなく、心理学や組織論、経営戦略論などを学んでいくこと。ビジネススクールなどに行けば、それらを体系立てて学ぶことができます。そうすることで、経営の期待に対して十分応えていくことが出来るのではないでしょうか。

人事プロフェッショナルとしての今後の「展開」

今後、中島さんはどのように人事の道を歩むご予定でしょうか。

人事の実務家が私の軸足です。アカデミズムの世界にもいますが、そのプロではありません。その点は、今後とも変わることはないでしょう。

実務家として、次に踏み込みたいテーマは「ダイバーシティ(多様性)」です。まだまだ、日本社会では、社会的弱者を受け入れる受け皿が少ない。こういう部分で、企業がどのような受け皿をつくることができるか。ここに大きな関心を持っています。

最近、働く環境のせいでメンタル面に傷を負った人が増えています。そういう人たちに対して、企業はどう対応していけばいいのか。さらに言えば、貴重な戦力としてどう活用していけばいいか。人事として、どのような施策を講じていくのか。他にも、障がい者雇用をはじめとした、ダイバーシティの推進に取り組んでいきたい。こうしたアプローチが、これからの日本企業の雇用のあり方に大きな変化をもたらすと考えています。

ダイバーシティを強く言うのも、「いろいろな立場の人たちが、働く場を持つことの重要性」を、人々にもっと考えてほしいと思うからです。なぜなら、働くことの意味を突き詰めれば、それはまさに自己実現へと行き着くからです。

ダイバーシティが実現できている社会に向けて、人事が取り組むことは多々あるわけですね。人事プロフェッショナルになることの大切さは、その点からも大きな意味を持つように思います。本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。

中島 豊さん Photo

取材は2009年12月1日、東京・丸の内にて
(取材・構成=福田敦之、写真=東幹子)

企画・編集:『日本の人事部』編集部

Webサイト『日本の人事部』の「インタビューコラム」「HRペディア「人事辞典」」「調査レポート」などの記事の企画・編集を手がけるほか、「HRカンファレンス」「HRアカデミー」「HRコンソーシアム」などの講演の企画を担当し、HRのオピニオンリーダーとのネットワークを構築している。

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