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「飛びぬけたリーダー」プログラム開発者、ジャック・ゼンガー博士が語る
「強み」を伸ばすリーダーシップ開発法とは?

講演を終えたばかりのジャック・ゼンガー博士に、『飛びぬけたリーダー』プログラム開発者としての視点から、日本企業のリーダーシップに対する評価や、今後日本企業が目指すべき方向性について、詳しいお話を伺いました。

日本企業の「強み」とは何か

日本企業はトップ、ミドルから組織の末端までが経営のあるべき姿について考え、全社員が一体となる「全員経営」が強みと言われます。エリートをトップとして階層組織・職務分掌が根付いている欧米企業とは大きく異なると思いますが、日本企業についてどのような印象をお持ちですか。

私は、日本企業の内情について深く知っているわけではありません。今日ここでお話しするのは、私が何かを読んだり、誰かから聞いたりしたものの印象論なので、現実とずれている可能性がある点をまずご了解ください。

その上で私が感じているのは、ご質問にあった「全員経営」というものと大体同じです。一致団結し、全員で何かに当たることができるということですね。特に大企業には長い歴史があり、全員の調和を重視しながらいろいろな活動をしてきました。日本企業がパイオニアだった分野も、たくさんあります。経営上のテクニックや考え方については、日本企業が世界の先駆者でした。しかも、日本企業がやり始めたことが今も世界中で使われています。

例えば、「チーム」として何かに当たるということや、セルフマネジメントという考え方。それから、クオリティー・コントロール、クオリティー・サークルのような考え方。最近は、リーン・マネジメントなどと言われますが、ムダのない筋肉質の経営という考え方にも、日本企業のクオリティー・サークルは影響を与えたと思います。ですから、日本企業は今でも世界中に影響を与えていて、尊敬される分野を開拓したと私は評価しています。

 日本企業ならではの強みについて評価していただきましたが、現在、世界経済のあり方が激変する中で、必ずしもそれが有効に働かなくなっています。日本企業として何か打ち出すべきなのに、なかなかできていない原因には何があるのでしょうか。

「Excellenceの敵はGoodである」という言葉があります。ある程度きちんとできている(=Good)ために、秀でる(=Excellence)ことができなくなるということです。日本企業は長い間、とても良かった、つまり、Goodだったと思います。でも、Goodならば、一方で危険もはらんでいる。「自分たちは素晴らしい、すごい」という考えが、場合によっては慢心へと変化してしまうことがあるからです。

日本企業の皆さんが今、世界に負け続けていると思われるのであれば、その内容を見つめ直してみることです。インターナショナルな競合に負けているのなら、70年代や80年代と同じような努力をし、投資することを真剣に考えなければなりません。

70年代、80年代の日本企業は、新しい車を作ってアメリカに乗り込んでいきました。リスクを恐れなかったし、パイオニアだったし、起業家精神もたっぷりありました。でも、そうした前へどんどん進んで行こうという姿勢は、近年の日本企業にはあまり感じられないと思います。

 そういうことができなくなったのは、何が原因なのでしょうか。

歴史を振り返ってみれば、予測できるパターンがあると思います。文明や国が大きく成長し、華やかなピークを迎えても、そのうち衰退していくことになる。そういう興亡があるということです。成功している時には、自分たちが優秀だと思い、慢心に陥ってしまう。そのうち昔の人が築き上げた豊かさの上にふんぞり返って暮らすことができなくなってきますが、豊かな時代に育った世代の人たちが、繁栄を築き上げた昔の人たちのように頑張れるかと言うと、うまくはいかない。そういうことを繰り返していると思います。

企業とは、ほんの一瞬だけ競争力が強ければいい訳ではなく、「継続性」が問われるもの。日本企業は今、競争力を維持し続けることを考え直すべき時にあるのかも知れません。

 日本企業のリーダーについて、ゼンガーさんはどのような印象をお持ちですか。

率直に言うと、日本企業のトップの中で、イノベーティブで影響力のあるリーダーを思い浮かべることはできません。しかし、それは決して悪いことではない。日本企業には、欧米企業に見られるような「ものすごい経営者」が必ずしも必要ではないと思うからです。と言うのも、日本企業には元来、一人のリーダーが目立って、リーダーシップを発揮するという組織風土がないからです。例えば、元GEのジャック・ウェルチには、彼の名前を広めるための広報担当者がいますが、日本企業には独自の文化がありますから、そういうことは必要がないと思います。

バスケットボールのNBAを見ていると、毎年、優勝するチームが変わります。昨年優勝できなかったチームが、今年優勝することもある。企業にも、そういった循環があると思います。日本企業は、いずれ強みを取り戻すと思いますし、これからも世界に貢献し続けるでしょう。キヤノンやソニー、トヨタなど、長年に渡ってグローバルに根を張ってきた多くの日本企業は、グローバルな環境の中で頑張り続けるはずです。

そうした点を踏まえて、私が日本企業に言えることがあるとすれば、自社の強みを見つけて、それを活かし続けてほしいということです。例えば、自動車に代表されるような高い品質を持ち、安全性や効率性に秀でたものづくり。徹底した品質作りは、日本企業にとって本当の「売り」になるところですから、その強みを大事にするべきではないでしょうか。実際、私と妻も日本車に乗っていますが、その理由は品質を高く評価しているからです。

今後、日本企業が付け加えなければならない「強み」とは?

ご講演では、今ある「強み」を伸ばしていきながら、さらに新しい強みを加えることで、パフォーマンスを改善していくことが重要とお話しされていました。では、日本企業がこれまでのようなの「ものづくり」に関する強みを前提とした上で、今後グローバルで戦っていくには、どういった強みを加えていくべきでしょうか。

過去を振り返ると、日本は何か新しいものを次々に作り出す国と見られてきました。例えば、ソニーの「ウォークマン」は一時代を席巻しましたね。日本企業は高い品質のものを作り出せるし、そこからイノベーションを起こすことができる。また、ある分野でまったく新しい画期的な商品を作りだすこともできる。ですから、研究開発や新しい技術を生み出すことを大切にしていくことで、「品質とイノベーションの組み合わせ」をこれからも確かなものにし続けていけると思います。

だからこそ、中国のように安いコストで大量生産を行うような事業に、日本企業が参入する必要はないでしょう。世界でも日本企業は、高品質なものをつくると知られているからです。安い労働力、大量生産といった中国的なやり方で付加価値のない日用品を売るようなマーケットで戦っても、日本企業の持つ強みを発揮できないと思います。

何年か前に、IBMが世界中のCEOに対して、「会社のトップに立つ者として、あなたの直属のエグゼクティブの人たちには、どんなクオリティーや特徴、性質、資質を求めますか」という質問をしました。寄せられた回答に共通する要素は、「働く人たちを動機づけできること」「お客様に対して、カスタマー・ファーストという姿勢をちゃんと持っていること」「みんなと協力できること」の三つ。多くのリーダーたちは、これらがうまくできれば、会社もうまくいくと認識しているのです。

これらは、日本企業のリーダーがぜひ心に留めておくべきことだと思います。リーダーからのメッセージは、社員へと伝わっていきます。社員が希望を持ってこれからを進んで行けるようにしてあげるのは、リーダーの役割です。そうでなければ、社員たちは「もう日本企業はダメだ」などと、落ち込んでしまいます。そういう人たちに対して、インスピレーションを起こしてあげたり、モチベーションを高めて上げたりすることが、日本企業のリーダーには求められていると思います。

日本企業に期待される「リーダーシップ」

近年、海外進出を果たす日本企業が増えていますが、海外に赴任している日本人リーダーは、ローカルスタッフとのコミュニケーションギャップや雇用慣行の違いなど、さまざまな問題を抱えていると言われます。日本人リーダーがそのような問題を乗り越え、異文化の中でその力を発揮するためには、どうすればよいのでしょうか。

日本企業は昔からグローバルなプレーヤーとして、グローバルなマーケットで活躍してきました。これからも活躍できると思いますが、一つ挙げるとしたら、リーダーシップについて考え直すべきということでしょうか。

私自身が気になるところから申し上げると、もっと女性を活用した方がいい。日本の企業のほとんどは、女性を登用させていません。世界的なトレンドとは大きく異なっているので、とても気になります。

『飛びぬけたリーダー』で取り上げている、リーダーにとって特徴的なコンピテンシー16項目に関して、女性と男性でどう違うのかを測ってみたことがあります。すると、16のうち12項目で女性の方が男性よりもスコアが高く出てきました。男性のスコアの方がはっきりと高かったのは、「戦略的に考える」1項目だけ。この結果から考えても、さまざまなリーダーシップのコンピテンシーを持っている女性たちを登用しないのは、日本企業にとって大きな損失と言えると思います。

女性は、経済活動の中でもコンシューマーとして非常に重要な人たちですし、女性マネジャーがいる会社は業績が良いという調査結果も出ています。しかも、上の方のランクに行けばいくほど、女性マネジャーと男性マネジャーの業績の開きが出ている。さらに、従来は男性の方が得意だとされてきた営業、IT、法務部門などでも、最近では女性が登用されることが多く、実際、その人たちの業績はとても素晴らしい。

企業を引っ張っているエグゼクティブたちが考えるべきことは、女性たちにメンタリングをしてあげることです。もっと上を目指しなさいと、促進してあげるのです。あと数年もすると、ベビーブーマー世代がいなくなって重要な役職の人達が足りなくなってしまうからです。空いたリーダーの枠を埋めるためには、女性たちに活躍してもらう必要があります。

 最後に、『日本の人事部』の読者および経営者の方々にメッセージをいただけますか。

繰り返しになりますが、うまくいっていない時に、悪いところやうまくいっていないところを見つけるのはすごく簡単だと思います。しかし、悪い点ばかりでなく、自分たちの良い面にも目を向けるべきでしょう。例えば、日本企業の構造をきちんと作っていたり、プロセスを徹底したりする点は、非常に優れた特質です。

今回日本に来て、いろいろな人たちの話を聞きましたが、みんなが弱気になっているので、「その思考パターンは危険ではないか」と思うことがありました。どんな時でも自信や楽観的な気持ちを失ってはいけないと思います。とりわけ、リーダーたちはポジティブで強い気持ちを持っていなければならない。なぜなら、人の気持ちやポジティブな態度は伝染するからです。確かに近年、日本では経済がうまくいっていない時期もありましたが、全てが悪いわけではない。良いところもたくさんあるということを忘れず、前向きに仕事に取り組んでいってほしいと思います。

 大変貴重なご意見、知見を伺うことができました。本日はお忙しい中、ありがとうございました。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

Webサイト『日本の人事部』の「インタビューコラム」「HRペディア「人事辞典」」「調査レポート」などの記事の企画・編集を手がけるほか、「HRカンファレンス」「HRアカデミー」「HRコンソーシアム」などの講演の企画を担当し、HRのオピニオンリーダーとのネットワークを構築している。

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