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「360度フィードバック」が管理職を救う 管理職が全てを背負わなくてもいい組織へ

急速に変化する事業環境の中で、従来の管理統制型のマネジメントではうまくいかない場面が増えています。管理職だけに重圧を感じさせず、チームでリーダーシップを担える組織への転換が求められているといえるでしょう。本記事では、管理職が孤立しない組織のつくり方と、それを支援する「360度フィードバック」の活用法について、CBASEの取り組みを通してひもときます。

Profile
深井 幹雄さん
深井 幹雄さん
株式会社シーベース 代表取締役社長 CEO

1995年エン・ジャパン入社。執行役員として新卒サイト、派遣サイト、エージェントサイトの事業部長を経験。2017年シーベースの代表取締役に就任。年間100社を超える企業を訪問し、組織開発、人材開発の課題解決をサポートする。

上意下達の「管理統制型組織」から、チーム全員が主体的に組織をつくる「自律共創型組織」へのシフトが求められている

近年、管理職を目指す人が減っているといわれています。その要因をどのようにお考えでしょうか。

管理職になりたい人が減っている背景には、「管理職の罰ゲーム化」という言葉に象徴されるように、「部下から見て大変そうに見える」という側面があります。仕事が多い上にトラブル対応も担う必要があり、「責任が重い」というマイナスな側面が強く見えているのが一つの要因でしょう。

また、マネジメントラインに入らないと出世できない時代から変化し、専門性を磨くキャリアや、仕事と私生活のバランスを取る生き方など、キャリアの多様性が出てきていることも要因の一つだと考えています。

多くの企業が管理職育成に課題を抱えていますが、なかなか状況を改善できない理由を教えてください。

企業が直面している課題の本質は、管理職のスキル不足ではなく、事業環境の激しい変化によって事業の在り方が変わっていることだと思います。

変革の時代に多くの企業が新たな事業に挑戦する中で、経営と現場をつなぐ要である管理職の役割が複雑化しています。管理職が一人で全てを指示し、統制することは困難になっているのです。
今後は、個人が自律性をもち、他者と共創していく「自律共創型組織」や、社員一人ひとりがリーダーシップを発揮する「シェアードリーダーシップ」を重視する組織が増えていくでしょう。ただし、これらは全ての会社にとって万能薬ではありません。企業の置かれている状況と目的によって打ち手は異なり、戦略次第で組織の在り方も変わっていくからです。

組織の在り方はどのように変えていけばいいのでしょうか。

組織の在り方を変える上でまず大事なのは、「管理職が一人で背負わなくてもいい組織」をつくることです。こうした組織をつくるためにやるべきことが三つあります。

一つ目は、「リーダーシップの在り方をアップデートすること」です。管理職には責任感が強く、「自分で課題を打破しなければならない」と考える方が多い。素晴らしいことですが、大きな環境の変化への対応は管理職だけでできることではなく、社員一人ひとりの思いや力を合わせて、全員の力で突破していく必要があります。

ある人気漫画に「あなたができないことは私がやる。私ができないことはあなたがやって」という内容の名言があります。自分一人ではなく、「チームでリーダーシップを発揮していこう」という考えを管理職自身がもつことが重要です。

二つ目は、一人ひとりが力を発揮する上で土台となる組織の「心理的安全性」をつくることです。「自分の意見を言わずに黙っていた方が安全だ」という状態から、「自分の意見を言えば聞いてもらえるし、馬鹿にされない」という安心感のある状態に変えていくのです。

三つ目は、「一人ひとりに強みがあり持ち味があることを、管理職をはじめ組織メンバー全員が認識すること」です。管理職がメンバーを「自分よりも能力がない存在」だと捉えているか、「一人ひとりに特長や個性がある」と考えているかによって、マネジメントの仕方は大きく異なります。

日本は「べき論」が強い傾向があり、全ての仕事を完璧にこなすビジネスパーソンを目指すことが求められてきました。しかし、人の力には凸凹(でこぼこ)があり、できないこと(凹)に注目するのではなく、「強み」から生まれるできること(凸)に注目することが大切です。

深井 幹雄さん(株式会社シーベース 代表取締役社長 CEO)インタビューの様子

「360度フィードバック」は、管理職が抱える多くの課題を解決し、組織のアップデートを促す

「360度フィードバック」について、基本的な概念や目的をご説明ください。

「360度フィードバック」とは、対象者が上司や協働する同僚、後輩、部下など多方面からフィードバックを受ける評価手法です。フィードバックをする人は匿名形式のアンケートに回答します。一人ひとりの回答は全て主観的な意見ですが、5~10名分が集まることで、対象者の仕事における特徴がより客観的に浮かび上がります。

実施の目的は、自分の認識と周囲の認識のギャップを知ること、リーダーシップやコミュニケーションの傾向を客観視して自己理解を深めることです。

管理職が抱える課題を解決する方法として、貴社が「360度フィードバック」を推進されている理由を教えてください。

先ほどお話しした、組織の在り方を変える三つのポイント「リーダーシップにおける在り方のアップデート」「心理的安全性を高める」「一人ひとりに強みと持ち味がある」にも360度フィードバックが役立つからです。

一つ目の「リーダーシップにおける在り方のアップデート」に当てはめると、管理職は「組織や業績のために何をすべきか」を日々考えています。一方、現場で環境の変化をダイレクトに感じているメンバーは、管理職とは異なる視点をもっています。そういった視点を知ることで、「良かれと思ってしていたが実は違うこと」や「組織に対して貢献する意欲の高いメンバーがいる」ことを知り、「自分一人で全てやらなくてもいい」ということや、「チームメンバーの力を引き出すことが期待されている」ことに気づいていきます。

二つ目の「心理的安全性」も、360度フィードバックを通じたコミュニケーションで培うことができます。例えば、管理職が部会や朝会などの場で、管理職が360度フィードバックに言及し、管理職がコメントをくれた人たち(無記名回答なので誰が回答したかは分からないですが)に「フィードバックありがとうございました。ちょっと耳が痛いですが、皆さんからの期待だと思って頑張ります」と一言伝えたとします。すると、メンバーは、「自分のフィードバックを受け止めてくれた」と感じます。

360度フィードバックでの気付きを共有する対話の時間をもつと、管理職は自分の弱みを見せられるようになります。フィードバックのコメントから、同僚や部下が自分を見てくれていることが分かるからです。「隙のない強い姿しか見せられない」と思っていた管理職も、実はさまざまな面を見られていたことが分かると、胸襟を開いて話そうという心理になります。

また、対話によってメンバーのリーダーシップが育つことも期待できます。自分の考えを受け取ってもらう成功体験を積むことができるからです。意見を言いやすくなったり、「チームのために自分ができることはないか」という視点をもつきっかけになったりもします。

三つ目の「一人ひとりに強みと持ち味がある」ことは、360度フィードバックを管理職だけでなくメンバーにも行うことで、認識することができます。

メンバーに360度フィードバックを実施する場合は、お互いの強みを共有する場を作ることがポイントです。一人ひとりにフィードバックレポートを配布した後、「どんな強みがあるのか」「強みを生かしてどのように行動しているのか」など、それぞれの強みについて他の参加者が質問していきます。

対話することで、本人は自分自身の強みや、自分が組織から信頼されていることを理解でき、他の参加者も各メンバーの特長を把握することができます。ストロングポイントのシェアは非常に盛り上がります。

深井 幹雄さん(株式会社シーベース 代表取締役社長 CEO)インタビューの様子

フィードバックは他者からのギフト。前向きに受け止められる形でシェアすることが大切

貴社が提供している「CBASE 360°」の特徴をお聞かせください。

「CBASE 360°」は360度フィードバックの支援システムです。上司や部下、同僚などが対象者の行動を評価し、本人と他者の認識を可視化することで、改善や定着率の向上をサポートします。特徴は、フィードバックを「他者からのギフト」と捉えて、前向きに受け止められる形で届けている点です。360度フィードバックの目的は対象者にレッテルを貼るためでも、コメントを書いた犯人捜しをするためでもありません。

対象者が前向きにフィードバックを受け止めるために、工夫していることはありますか。

「CBASE 360°」では、回答者による選択式設問の回答とフリーコメントをAIにより要約しており、「フィードバックレポート」として対象者に届けています。レポートに記載されているのは「強み」「改善点」「評点」「アドバイス」です。改善点だけでなく、対象者の「強み」を分かりやすく示しています。

評点を気にされる方が多いのですが、数値は絶対的なものではありません。例えば、若手メンバーが多い部署では、管理職との経験値に差があるので、管理職に対して点数を高くつけやすい傾向があります。一方、ベテランばかりの部署では、管理職を見る目が肥えているので辛口になりやすく、点数が低くなりやすい。こうした傾向があったとしても、設問同士の相対関係によって、個人の強みや改善点は明らかになります。

また、評価者の特徴をマトリックス表で示しています。縦軸を本人の回答結果、横軸に他者からの回答結果を配置し、真ん中の線より右側に強み、左側には改善点が出てくるようになっています。

【イメージ】CBASE 360°:評価者の特徴

右側が強み、左側が改善点。左上、右下に本人と他者の認識にギャップがある点を表示。

マトリックス表の左上には、「本人はできていると認識しているが、他者からはまだ期待値に達していないこと」、右下には「本人は自信がないけれど、他者から見るとできていること」が表示されています。自らが自覚していない良いところに気付ける点が特徴です。

加えて、フィードバックに関する感謝のコメントをシステム上で送信する機能や、受け取った後に振り返りをサポートする機能も付いているため、モチベーションを保ちながら自身の成長に向き合えます。

「CBASE 360°」導入後に研修を行われていますが、研修はどのような流れで進むのでしょうか。

企業ごとの習熟度や要望によって進め方は異なりますが、まず評価者にご回答いただく点は共通しています。事前に回答者向けの説明会を実施するケースが多く、「誹謗中傷にならない書き方をすること」「良い点だけでなく、今後期待したい点もしっかりと書くこと」を説明します。コメントは具体的であればあるほどいいですね。「どのような状況のどんな行動がどういった影響を与えたのか」が分かりやすいほど、評価される対象者の気付きが大きいからです。

回答が終わったら、その内容を基にレポートを作成します。その後、フィードバック研修を実施して、評価対象者にレポートの読み解き方をレクチャーします。そして、グループに分かれて「ポジティブフィードバック研修」を実施します。各自のレポートを基に、評価対象者に対して他の参加者が「どのような点を長所としてフィードバックされたか」を質問する、ヒーローインタビューのような時間です。

「CBASE 360°」を何度もご活用いただいているお客様の場合は、研修以降の工程を人事部門の方々が対応されているケースもあります。

研修を終えた本人が、その学びを職場に伝えることも重要になりそうです。

とても重要ですね。最近は360度フィードバック実施後に、評価された対象者と回答者で1時間程度対話の時間を設けることをお勧めしています。例えば、「実は、あの時こんなことを思っていた」「あの意思決定には、こんな背景があった」など、レポート結果を活用して、言うきっかけがなかったことを話すことができるのです。ただ、人間関係がうまくいっていない組織では、スムーズに対話が進まないので、私たちがお手伝いすることもあります。

一番良くないのは、360度フィードバックを受けた本人が職場で何も話さないことです。回答者の立場からすると、一生懸命考えて回答した内容を受け止めてもらえているのかが分からず、「自分の回答が相手を傷つけてしまったのかもしれない」と気にしてしまうこともあります。そのため、対象者が一言お礼を伝えたり、対話の場をもったりすることがとても大切です。

「CBASE 360°」を導入した企業の反応はいかがですか。

多くの企業様から、「360度フィードバックが社内の心理的安全性の醸成につながった」との声が寄せられています。従業員の方々からは、「俎上に載せることを躊躇していた話題を、話しても大丈夫なのだと気づいた」「思ったことを話しても否定されなくて安心した」などの感想があったそうです。また、従業員同士がお互いの「強み」と「伸び代(改善点)」をフィードバックし合うことにより、会社全体として「成長をサポートし合う風土が醸成された」というお声もいただきました。

ただし、こうした研修や対話を実施しても、一度で劇的に組織が変わるわけではありません。繰り返していくことで、徐々に変革をもたらすことができます。また、「CBASE 360°」が作成しているフィードバックレポートの内容は、組織の風通しの良さに応じて調整できるようになっています。例えば、風通しがあまり良くない企業の場合は、上司、部下、同僚というカテゴリーをなくして、より誰のフィードバックなのかが分かりにくくなるように配慮することも可能です。組織に合った取り組み方で、継続的に実施することが体質改善につながります。

フィードバックと対話を駆使することで、組織の体質や在り方は変化していく

今後、「CBASE 360°」をどのように発展させ、企業の管理職支援や組織開発に貢献していきたいと考えていますか。

参加者がフィードバックを「他者からのギフト」として受け取れるように、レポートにさらに磨きをかけていきます。まだ計画中ですが、寄せられたフィードバックコメントを活用して、一人ひとりの強みを表すキャッチコピーを作るのも面白いですね。他にも、社員一人ひとりの強みをチームメンバーの構成に生かせるような機能開発も進めています。

こうしたサービス開発のヒントは二つあります。一つ目は「CBASE 360°」をご利用いただいたお客様からのご要望です。企業によって状況が違い、さまざまなアイデアをいただくので、その声を生かしながら新機能に役立てています。

二つ目は、当社内での実験です。例えば、「心理的安全性をどのように醸成していくか」は多くの企業が抱える課題ですが、「物事の良い面に目をむけて、人を褒める習慣」を定着させようと考えたのです。

例えるなら、コップに水が半分入っていたときに、「もう半分しかない」と思うのではなく「まだ半分もある」と考えられるようになること。この視点があれば、会社の人間関係においても、課題より強みや可能性に目を向けられます。

そこで実施したのが「グッドフィードバック」という取り組み。月に一度、社員の良いアクションを切り取ってフィードバックする、というものです。当初は月に一度でしたが、制度を運用する事務局のメンバーから「フィードバックの頻度をあげたい」という声が出て、チャットツールで日常的に行う運用に変えました。このように社内で行った良い取り組みを、サービス開発につなげていきたいと考えています。

最後に、管理職の支援や育成に向き合っている人事担当者の皆さまへ、メッセージやアドバイスをお願いいたします。

変化は急に実現できるものではなく、少しずつ進んでいくものです。フィードバックは一人ひとりの主観ですが、共有して、対話を通してすり合わせることで、新しい共通認識が生まれます。フィードバックと対話を繰り返していくことで、組織や管理職の在り方は少しずつ変化していくでしょう。「360度フィードバック」を効果的に実施することで、管理職とメンバーが共に成長し、力を発揮できる環境を実現してください。

深井 幹雄さん(株式会社シーベース 代表取締役社長 CEO)
会社概要

国内実績トップクラスの360度フィードバックシステム「CBASE 360°」をはじめ、データを活用した人材育成用の「課題別研修」や、組織開発用「対話プログラム」をご提供しています。

360度フィードバックや、エンゲージメントサーベイ施策では、はじめての実施からデータ活用までトータルサポートいたします。またデータを活用した課題別人材研修や、組織開発の第一人者である中村和彦教授 監修による組織開発 対話プログラムもご提供しています。

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