駅から勤務場所まで交通手段がない場合の駐車場代について
最寄の駅から勤務場所まで7キロ相当の距離があり、路線バスも通行していないため、交通手段はタクシーのみとなっています。勤務場所は山村地域にあり、都市部からは50キロ以上の遠隔地にあります。
これまでは、自家用車で通勤してくる人が殆んどだったのですが、昨今は結婚・出産した後に配偶者の利便性を考慮して都市部近郊から電車と自家用車を乗り継いで通勤する人が増加しており、会社の最寄り駅の駐車場を利用してもらっています。その際、会社の内規上、駐車場代は課税対象になる、又は自家用車の非課税限度額の範囲内でしか支給できないことを理由に認めてきませんでした。しかしながら、月5000円~6000円程度の駐車代(月極の場合)の負担が通勤手当とは別に生じていること、タクシー以外に交通手段がないこと等は、合理的な理由があり、最も経済的な経路として特殊事情が認められないかという相談がありました。ちなみに、タクシーを利用した場合、片道2300円・往復5000円程度かかるため、月額計算するとタクシー代だけで10万円を超過してしまいます。また、駅前には300台のパーキングがありますが、月極めではなく、12時間で300円の利用料金がかかります。このような特種事情がある場合、駐車場代を自家用車の非課税限度額と別に支給することはできるのでしょうか。
投稿日:2017/08/03 12:39 ID:QA-0071837
- 小徳太子さん
- 千葉県/教育(企業規模 501~1000人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
月給の可なりの持出しなら「特定支出控除」制度の活用も
▼ 大変珍しいケースですね。自宅から、私有車で、直接、通勤する方が、安く、且つ、便利な気がしますが・・・、私どもには分からない状況なのでしょうね。
▼ タクシーを利用した場合、月給の可なりが吹っ飛んでしまうようだと、通勤手当の非課税限度枠を目一杯支給しても、尚、本人は可なりの持出しになるでしょう。
▼ 後は、本人に確定申告で、「特定支出控除」して貰い、税還付して貰うしか手はありません。これも、要件が厳しいのですが、平成24年度の改正により対象項目、対象者の範囲が広げられ、利用者が増えています。
▼ 通勤に使う交通機関の利用料を個人で支払っている場合、または支給される通勤費を超える場合は特定支出として所得控除するものですが、収入に応じて、給与所得控除額は変わってきますので、国税庁サイト「給与所得者の特定支出控除の改正について|国税庁」で確認して下さい。
▼ 尚、特定支出控除を受ける際には、会社側から業務上必要だと承認された書類と領収書が必要になる点に留意が必要です。
投稿日:2017/08/03 16:42 ID:QA-0071845
相談者より
早速のご回答、有難うございます。
ご指摘のように、自宅から自家用車で通勤した方が楽ではあるのですが、運転に不慣れな女性等の場合、通勤距離が20キロを超えると、豪雨や凍結した路面等を夜間に運転することになり、事故のリスクや不安が出てきます。
様々な事情を考慮すると、法人としても駐車場代を現状の通勤手当に上乗せして支給してあげたいという思惑があります。その場合、他に交通手段がないという特殊事情を考慮して、総額15万円の非課税扱いで支給できると、勤務者も法人も救われるのですが、合理的かつ経済的な経路として、駐車場代を支給することについてご教授いただきたいと思います。
投稿日:2017/08/03 18:18 ID:QA-0071848参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、非課税枠の問題は別としまして、人事労務の観点から申し上げますと、非常に特殊な交通事情である事からも、各従業員の取りうる通勤手段や経路等を考慮された上で、会社判断でやむを得ないと認める場合ですと、特例として通勤手当に加算して支給されてもよいものといえるでしょう。そもそも、タクシーのみしか利用できない場所で雇用されるわけですので、そうであればこうした問題は当初からきちんと対応出来るように準備しておかなければならないものといえます。事業所の立地条件が大変厳しいものである事から、会社側で多少コスト増になるのは不可避であると認識されるべきです。
そして、これを契機に、各従業員の通勤実態及びニーズを精査し、現状に適した規定内容の整備を進めていかれるべきといえます。その際は、税務の専門家である税理士の意見もきかれながら少しでも負担を軽減出来る方法を探られるとよいでしょう。
投稿日:2017/08/03 20:38 ID:QA-0071851
相談者より
早速ご回答いただきまして、有難うございました。特殊な環境を考慮した対応ができるよう、就業規則等の見直しも検討していきたいと思います。
これまでは、敷地内に社員・家族のための社宅を100戸以上要しており、社宅に居住して勤務してもらうことを原則としておりました関係で、対応整備が遅れてしまい、時代の進化に取り残された状況でした。社宅も老朽化が進み、ワークライフバランスの観点からもご教授いただいた事項を前向きに捉えて検討を進めていきたいと思います。
投稿日:2017/08/04 09:28 ID:QA-0071861大変参考になった
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