勤務状況に問題のある社員の人事異動について
ありがとうございます。いつも悩んだ時には色々と事例を読ませていただき、勉強になっております。
今回相談したいことは、工場に勤務する高卒3年目の正社員についてです。入社時から居眠りが目立ち、職場に配属されてからも、出社はギリギリ、就業中の居眠りが頻発しています。これまでに、複数の上司から注意・指導を行い、その時は直るのですが、時間の経過とともに元に戻るの繰り返しです。
昨年末に、保護者にも来社していただき、弊社役員が、当該社員の現状・これまで会社が対応してきたことを説明し、次回に同様の状況になった場合は転勤を伴う異動をさせる旨を伝えております。
半年が経過し、これまでと同様の勤務状況になってきました。これまでは、高卒で未だ子供ということを考慮し、口頭注意だけで譴責にはしておりません。
ここで御教示ねがいたいことは、弊社はこれまでに高卒の工場勤務者について、配転はあるものの、転勤を伴う異動をさせた事例が無いという中で、
(1)弊社の就業規則(懲戒)は、口頭注意→譴責→減給→降格→出勤停止→諭旨解雇→懲戒解雇という手順です。譴責→減給→降格(正社員から非正規へ)→一定期間の出勤停止の手順を踏まず、転勤を伴う異動をさせても良いものでしょうか。(問題はないでしょうか)
(2)就業規則には「会社は、業務運営上必要あるときは、転勤を命じ、あるいは職種・職階の変更を命ずる」という条文はあります。今回の転勤命令は、パートタイム社員が多くいる職場の中で正社員が、このような勤務態度を繰り返すと、周りの士気が下がるため、懲戒的要素を含む異動ともいえます。
2009年11月の相談「転勤辞令の意義留保」で服部康一先生が回答されていますが、これと同じ考え方でよろしいでしょうか。宜しくお願い申し上げます。
投稿日:2016/07/18 00:25 ID:QA-0066828
- とりさん
- 大阪府/医薬品(企業規模 301~500人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
扱いが甘すぎる。解雇も視野にいれた措置方針を
▼ いくら高卒だといっても、雇用契約を締結し、勤めて貰っている訳ですから、初期研修期間を除き、一人前の労働者としての取扱いが鉄則です。本人固有の人間性なのか、会社の扱いが甘いのか、いずれにしても、就業規則に基づき厳しく取り扱うことが必要です。
▼ さもないと、「周りの士気が下がる」ことは避けられませんが、これは、「本人の勤務態度そのもの」より、「会社が全く懲戒措置も取らず、放置している(少なくとも、その様に受取られている)」ことが原因です。
▼ 入社後、丸2年も徒過している訳ですから、人事部だけでなく、他部署の責任者を含めた処罰委員会を立上げ、解雇も視野にいれた、毅然した措置方針を決めるべきです。
▼ 尚、転勤は、昔の「処罰としての島流し」ではなく、純粋に業務上の必要性に応じて行うべき異動です。本事案の解決には役立つものではありません。
投稿日:2016/07/19 11:17 ID:QA-0066833
相談者より
ありがとうございました。扱いが甘いのは承知しております。近々、賞罰委員会を開催し、委員会として決めたことを取締役会に上程して、懲戒を実施する予定でございます。
なお、減給や降格では職場に残る可能性があるため、転勤を伴う異動発令で依願退職をさせる方向を考えております。
投稿日:2016/07/20 23:41 ID:QA-0066844大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
まず、2009年11月の相談「転勤辞令の意義留保」については、勤務地限定の問題等があり本件とは事情が全く異なりますので、当事案では参考にされないようお願いします。
その上で当事案について申し上げますと、転勤は仮に制裁的意味が含まれているとしましても規定上の制裁ではございません。従いまして、制裁規定に関わらず別途実施する事が可能になります。
勿論、転勤措置に合理性がなければ無効とされる場合もございますが、当事案の場合ですと、当人の現状を考慮した上で異動させる方法も選択肢の一つであるといえますので、その旨当人に事情を説明して転勤させてもそれ自体は問題ございません。
但し、まずけん責等規定上の制裁を科して改めさせるという方法もございますので、どちらが望ましいか御社自身でよく検討し判断されることが重要といえます。
投稿日:2016/07/19 11:30 ID:QA-0066836
相談者より
ありがとうございました。当人の現状を考慮した上で異動させる方法も選択肢の一つであると、ご教示いただきましたので、懲戒の手順・方法を賞罰委員会で話し合ったうえ、取締役会に上程するようにいたします。
投稿日:2016/07/20 23:48 ID:QA-0066845大変参考になった
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