私傷病と配置転換
いつも参考にさせていただいています。
社員が私傷病で病欠後、医師から就労許可がおりました。
弊社は過酷な職場環境で、重量物の取扱が中心です。
医師の想定する通常の製造業と差があるため、仕事内容をよく説明した上で就労許可の診断書をもらうようお願いしました。
結果は、無理は出来ないから職場を変えてもらう事が望ましいという返事だったそうです。
弊社は経理などの事務作業以外、医師のすすめているような職場環境はありません。
本人も、パソコンは使えないし、事務作業は考えたことも無いと言っています。
このケースで、本人がどうしても勤務を継続したいと希望した場合、どのような対応が良いのでしょうか。
人員的にも、業務内容的にも無理でも、事務所に席を用意しなくてはならないのでしょうか。
就業規則には、疾病や体力の不足による解雇は規定されています。
もし会社から健康状態に合った職場を用意できないと告げた場合、やはり会社都合の解雇や退職勧奨になってしまうのでしょうか。その時は退職金も会社都合退職で計算することになるのでしょうか。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2013/06/06 12:34 ID:QA-0054838
- *****さん
- 群馬県/鉄鋼・金属製品・非鉄金属(企業規模 51~100人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
職種限定ではない労働契約の場合、配置転換も模索する必要はありますが、本人のために軽作業を作る出すことまでは要求されません。よって文面の場合は職場復帰不可能という判断もありえます。解雇を回避するには休職制度による期間満了による退職が考えられますが、現在、休職中ではないのでしょうか。その場合には、文面にもあるように普通解雇が該当します。
退職金については、退職金規程によります。退職勧奨する場合には、本人との話し合いになりますが、退職金を会社都合とすることを条件とするケースが少なくありません。
投稿日:2013/06/06 15:59 ID:QA-0054847
相談者より
ご家族が強く在職の継続を希望していると聞いていたので、面談に先立ち相談いたしました。
先生方からの、辞めて欲しいと会社が言わなくても本人に見合った職場が無い状況は原則として疾病による解雇になる事、但し法的に解雇や退職勧奨も許されるケースである事、杓子定規でなく話し合いが重要である事、等のアドバイスを元に話し合いに臨みました。
社員から家族と話し合って辞める事にしたと報告があり、欠勤分の給与の一部を補償することで(事情で傷病手当受給不可)、病気による自己都合退職になりました。ありがとうございました。
投稿日:2013/06/08 09:23 ID:QA-0054883大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御相談の件ですが、私傷病の場合に客観的に見ても就労不能な状況になり、かつ就業規則上の解雇事由にも該当するという事であれば、解雇には合理性があるものといえます。
会社は慈善事業ではないですし、就労義務が果たせてこそ労働契約が成立するものといえます。勿論、当人が就労可能な業務が現にあれば配置転換による雇用継続の努力をされるべきですが、新たに健康状態に合った業務等を作り出してまで雇用継続する義務まではございません。
従いまして、解雇は可能ですが、退職金の取り扱いにつきましては法令で定めはございませんので、御社就業規則(退職金規程)の内容に従う事になります。恐らくは、規定上普通解雇になるものと思われますので、その場合には就業規則の定めに従って普通解雇の場合の支給額になるものといえるでしょう。
投稿日:2013/06/06 19:48 ID:QA-0054851
相談者より
小高先生へのコメントに書きましたが、円満に解決できました。ありがとうございました。
投稿日:2013/06/08 09:25 ID:QA-0054884大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
原則は就業規則の定めに基づく解雇
原職務を条件とする限り、 医師 ( 本人の主治医? ) の判断も、 本人は、 傷病から 「 治癒 」 しているとは言えません。 他方、 「 本人の健康に見合う職種、 内容の業務を見つけて就かせなければならない法律上の義務があるとは言えない 」 といった判例もあります。 従って、 就業規則の定めに従って、 解雇とすることは妥当だと思います。 退職事由は本人都合となりますが、 何らかの斟酌余地の有無判断は御社次第ということになります。
投稿日:2013/06/06 20:59 ID:QA-0054854
相談者より
小高先生のコメントに書きましたが、円満に解決できました。ありがとうございました。
投稿日:2013/06/08 09:27 ID:QA-0054885大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
落としどころ
業務を担務出来ないのであれば、復職は無理でしょうから辞めてもらうことになります。その場合は本人の都合ではありますが、トラブルにもなりかねませんので、しっかりと交渉し退職金については規定に則り、さらにプラスアルファできるとか、あるいは会社都合とするとか、結論ありきではなく、話し合いに沿って決めていくことが能率的と思います。
投稿日:2013/06/06 21:54 ID:QA-0054855
相談者より
小高先生のコメントに書きましたが、円満に解決できました。ありがとうございました。
投稿日:2013/06/08 09:27 ID:QA-0054886大変参考になった
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