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退職手当の返納について

 いつも参考にさせていただいています。
 退職手当の返納についてご教示ください。
 
 死亡により退職した職員がおり、既に遺族に退職手当を支給した後にその職員の非違行為が発覚しました。
 在職していれば当然に懲戒解雇で退職手当は不支給だったでしょうし、生きていれば退職手当の返納規定により返納させたでしょうが、本人が死亡している場合に遺族に返納請求することは可能でしょうか?

投稿日:2005/09/14 14:00 ID:QA-0001970

*****さん
東京都/公共団体・政府機関(企業規模 10001人以上)

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プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答3

プロフェッショナルからの回答

新島 哲
新島 哲
新島労務管理事務所 所長

退職手当の返納について

確かに退職手当支給後に非違行為が発覚し返納を請求することはできます。もちろん、規定に定めがあるという前提ですが。

但し今回のケースはもう少しややこしいと思います。単なる退職手当ではなく遺族一時金であるからです。この点につきどのように規定されていますでしょうか。

個人的には遺族の補償や在籍中の功労と非違行為の程度を比較しつつ返納請求を検討すべきかと思いますが。

投稿日:2005/09/14 23:01 ID:QA-0001976

相談者より

 ありがとうございます。
 返納については、在職中の行為に係る刑事事件で禁錮以上の刑になった場合に返納させることができるとしています。

 支給対象については、職員が退職した場合に、その者(死亡による退職の場合には、その遺族)に支給する。との規定ぶりです。遺族一時金との表現はしていません。

 正直、返納の要件が「禁錮以上の刑」なので難しいかと思っていました。
 そこで、追加で教えていただきたいのですが、現在は返納要件や退職後支給までの間に非違行為が発覚した場合に不支給にする要件を「禁錮以上の刑」としていますが、本件のように本人が死亡して刑に処せられないケースを想定して「懲戒解雇相当の非違行為があった場合」とすることは可能でしょうか?
 個人的に気になるのは、刑事事件の場合、司法機関の判断がないのに社が事実の判断をできるのかという点です。

投稿日:2005/09/15 10:05 ID:QA-0030778大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

新島 哲
新島 哲
新島労務管理事務所 所長

追加質問について

懲戒の内容に応じて退職金の減額や不支給を規定することは可能です。問題は懲戒に当たるかどうかということでしょう。単純に逮捕されただけで事実確認がされていない場合などは懲戒が難しいでしょう。会社が実際に損害を受けた場合は懲戒に当たるとは思いますが、そうでなければ会社の社会的評価が傷つけられたか、事業遂行に何らかの支障を来たしたかどうかという判断になるかと思います。

投稿日:2005/09/15 11:40 ID:QA-0001987

相談者より

 分かりました。
 では、本件の規定を設けた場合、死亡退職した職員に既に支給した退職手当は、懲戒解雇相当の非違行為が認められた時点で遡って不支給要件に該当するため遺族に返納請求できると解してよろしいでしょうか。(今回のケースに遡及適用することはできないと思いますので、将来のケースを想定してます。)

投稿日:2005/09/15 18:31 ID:QA-0030783大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

新島 哲
新島 哲
新島労務管理事務所 所長

遺族への返還請求について

遺族に支払う退職金となると、これは単なる退職金ではなく遺族一時金としての性格がありますので、返却請求できるかどうか判断が分かれるところです。と言いますのは、後から発覚した懲戒事由により退職金の返還を請求することができるのは退職者の「不当利得」だからと言われています。一方善意の遺族にとっては必ずしも不当利得ではありません。よって非常にグレーであり、私は少なくとも一方的は返還請求は難しいと考えます。話し合いが必要ではないでしょうか。

また、退職金の積立方法が遺族受け取りを前提とした保険商品であれば会社が返還を受けることにより、課税される可能性もあるかと思います。

この内容につきましては、労働法規というよりも民事に近い内容となってきますので、私にはこれ以上踏み込んだ回答は難しいところです。大変恐縮ですが、どうかご理解頂きたいと思います。

ただ、死亡してから非違行為が認められるというケースはそれ程多くないと思いますので、お気持ちは察しますが、あまり揉めないようにすることが良いとは思います。

投稿日:2005/09/16 12:04 ID:QA-0002011

相談者より

 詳細に渡りご教示いただきありがとうございました。
 今後の制度設計に役立てていきたいと思います。

投稿日:2005/09/16 12:37 ID:QA-0030793大変参考になった

回答が参考になった 0

回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
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