年俸制に含む割増賃金の考え方
このたび、年俸制社員の給与について
①毎月(1/17)と残業手当。
②夏・冬賞与(各2.5/17)
の支給を見直し、年12回支給に変更することを検討しています。
また、割増賃金も上乗せして支給することを併せて検討中です。
■上乗せすべき割増賃金について、教えてください。
(1)割増賃金のベースは、統一しなければならないか?
つまり、全社員一律「(例えば)月30時間、休日出勤2日」なのか?
もしくは、部や業務、あるいは人単位で「月○時間、休日○日」と設定できるか?
(2)月によって、時間外時間に幅がある場合、年間の合計額で精算することは可能か?
また、割増賃金を上乗せする場合に従業員等へ説明する方法のアドバイスなどいただければと、思います。
(業績不振により月額基本給を減額しました。その際、雇用期間を一律に1年延長し納得を得たのです。が、旧給与の手取り額を満たすかのように残業が多くなりました。業務量は変わりません。)
投稿日:2010/01/22 16:55 ID:QA-0019001
- *****さん
- 東京都/通信(企業規模 51~100人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
年俸制の基本的な考え方
製造業では、残業をすると生産量が増えます。
生産した製品が売れることを前提とした場合、残業をすれば、売上高が増加します。
このプロセスでは、残業時間と売上高が連動していました。
ところが、これは高度成長期の考え方で現在は通用しないものです。
そこで、「時間」ではなく、「仕事の成果」に対して賃金を支払うという考え方が出てきました。
これが「成果主義」的な賃金の考え方です。
この考え方で重要なのが、「成果」に対する「評価」です。
貴社の場合、「評価基準」「成果」に対するルールが曖昧なため、今回のような質問が出てきたと思われます。
まずは、年俸換算をして、その年俸に見合った「仕事」をしているのかという見直しをされると次のステップに進めると思います。
投稿日:2010/01/22 17:16 ID:QA-0019003
相談者より
投稿日:2010/01/22 17:16 ID:QA-0037431参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、年俸制の場合でも賃金に関する月1回払いの原則は守らなければなりませんし、全額払いの原則に関しても同様です。
その上で御質問にお答えいたしますと‥
(1)‥ 上乗せする固定残業代であっても時間外労働や休日労働の実態を反映するものでなければなりませんので、部署や個々の社員毎に事情が異なる場合には当然ながら各々個別に設定する事が必要です。
(2)‥ 最初に申し上げました通り月毎に精算が必要ですので、年度末で調整する事は出来ません。
尚、固定残業代の方式を採られても、実際の時間外及び休日労働割増賃金額を下回る場合にはその差額を都度支給しなければなりません。
また、固定残業代を採られる事によって「残業は当たり前」といった考え方が定着し、長時間労働の温床になり易い等デメリットも多い為、基本的に安易な導入は避けるべきというのが私共の見解になります。従業員への説明が困難というのであれば尚更そのようにいえるでしょう。
また御社の場合ですと、賃金減額といった別の措置と絡んでいることもあり特殊な状況下での方策ともいえるでしょう。従業員にとりまして減給に引き続く会社による一方的な制度変更は、その内容の適否に関わらず会社への不信感を高めかねません。
年俸制も含めた賃金支給や残業のあり方について、業務事情に照らし合わせ出来れば今一度労使間で話し合って知恵を出し合い、最善と思われる方法について十分に検討された上で制度整備を行われることをお勧めいたします。
投稿日:2010/01/22 21:19 ID:QA-0019006
相談者より
ありがとうございました。
上司と調整し、段階的に変更していく方向でまとまりました。残業については、変形労働制も含め検討していくことになりました。また、関係部署等とも話し合いを重ねたいと思います。
投稿日:2010/01/28 17:53 ID:QA-0037433参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
管理監督者の休日出勤における賃金 年俸制の管理監督者の賃金の考え方... [2011/05/23]
-
割増賃金について 割増賃金の対象に住宅手当は含まれ... [2007/02/13]
-
週40時間超えの休日賃金について 現在、当社では40時間を超えた部... [2015/01/29]
-
割増賃金の除外賃金 割増賃金の基本となる賃金からは除... [2006/10/11]
-
賃金テーブル 同一労働同一賃金に関する賃金テー... [2020/01/20]
-
一定時間の残業を賃金に含む社員の法廷割増賃金は 1ヶ月に60時間を超える時間外労... [2010/05/19]
-
入社時の賃金計算について 弊社では、当月分の賃金を毎月15... [2008/03/05]
-
割増賃金の考え方 通常、労働時間が一日8時間越え、... [2010/06/23]
-
パートの割増賃金について パートの割増賃金についてです。1... [2011/05/23]
-
パートタイマーの有給休暇の賃金 弊社ではこれまで、1日6時間、1... [2013/12/19]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
賃金のデジタル払いチェックリスト
賃金のデジタル払いに関して理解・整理するためのチェックするためのリストです。
人事担当者が使う主要賃金関連データ
人事担当者が使う主要賃金関連データのリストです。
賃金制度や賃金テーブルの策定や見直しの際は、社会全体の賃金相場を把握し、反映することが不可欠です。
ここでは知っておくべき各省庁や団体が発表してる賃金調査をまとめました。
賃金テーブル例(職務等級制度)
職務等級制度を採用している場合の賃金テーブル例です。改訂の際の参考資料としてください。
賃金テーブル例(職能等級制度)
職能等級制度を用いた時の賃金テーブル例です。改訂の際の参考資料としてお使いください。