有給休暇と欠勤の取り扱いについて
いつも参考にさせていただいております。
基本的なことかもしれませんが、有給休暇と欠勤の取り扱いについて教えて下さい。
ご家庭の事情等で、朝遅刻して出勤する場合(早退についても同様です)の取り扱いです。
当法人では、1時間10分遅れて出勤する場合、1時間10分を全て有給休暇(当法人は時間休の取得が可能ですが、この場合は2時間の有給休暇)とするか、70分の欠勤とするか、のどちらかで処理しています。
従業員自らがどちらかを選択、または選択せざるを得ない場合は仕方がないと考えますが、個人的に、従業員にこの2つから選択させることには無理があると感じていて、有給休暇1時間+欠勤10分とする扱いも選択肢に加えることが、従業員にとっても一番好ましいのではないかと考えます。
上記の場合、従業員に有給休暇のみ、欠勤のみを選択させる処理に違法性はないのか、また有給休暇と欠勤を組み合わせて処理することに法的問題はないのか、ご教示いただけると助かります。
投稿日:2025/09/21 18:01 ID:QA-0158549
- なべやんさん
- 宮崎県/医療・福祉関連(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
イノキュウの回答
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 有給休暇の性質
年次有給休暇(労基法第39条)は「労働者の請求により、労働義務のある時間を免除する制度」です。
時間単位の有休を導入している場合(労使協定必須)、労働者は「必要な時間数」を指定して請求できます。
使用者はこれを拒むことはできません(時季変更権の行使ができるのは1日単位のときのみ)。
2. 欠勤の性質
欠勤は「労働義務があるにもかかわらず労務を提供しなかった状態」です。
欠勤部分については ノーワーク・ノーペイ の原則により給与を控除して処理します。
3. ご提示の取り扱いパターン
(1) 「全て有休で処理」か「全て欠勤で処理」の二択にする場合
法的には違法ではありません。
ただし、有休は労働者が請求する権利ですので、労働者が「有休を使いたい」と請求した場合は認める必要があります。
逆に「欠勤で処理したい」と言えば、使用者が「必ず有休を使え」と強制することもできません。
→ したがって「二択から選ばせる運用自体」に違法性はありませんが、労働者の意思を尊重する必要があります。
(2) 「有給休暇+欠勤を組み合わせる」方式
例えば、1時間分は有休、残り10分は欠勤扱いとする方法です。
これは 労基法上も問題ありません。
実際、時間単位有休の制度を導入している企業では「端数処理」として組み合わせ運用を認めている例があります。
→ むしろ労働者の利便性を高める運用であり、法的リスクはありません。
4. 実務的な留意点
規程・ルールの明文化
就業規則や社内規程に「時間単位有休の取得単位は1時間」「端数については欠勤と組み合わせ可」と明示しておくと、従業員にとっても分かりやすいです。
端数切上げ/切捨てルール
「1時間単位でしか使えない」として、70分遅刻を2時間有休で処理するのも合理的ですが、従業員にとっては不利になりがち。
「1時間は有休、残り10分は欠勤」という処理を認める方が柔軟で望ましいと考えられます。
不利益取扱いに注意
有休請求を拒否したり、「必ず欠勤処理」と一方的に決めると、労基法違反のリスクがあります。
5. 結論
「全て有休」「全て欠勤」の二択運用 → 違法ではないが、労働者の意思を尊重する必要あり。
「有休+欠勤の組み合わせ」 → 法的に問題なく、むしろ従業員に有利な柔軟運用として推奨できる。
就業規則・社内規程に明文化し、運用を統一しておくことが望ましい。
→ 実務上は「1時間単位の有休+端数は欠勤」という処理を基本ルールにするのがバランスが良いと思います。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/09/24 09:31 ID:QA-0158573
相談者より
ご回答ありがとうございます。
従業員にとって、一番働きやすい休み方を選択できるような就業規則の整備をしていきたいと思います。
投稿日:2025/09/24 15:45 ID:QA-0158607大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
時間有給
時間有給は分ではなく時単位なので、現状は問題ありません。
また有給は会社が指定するものではないので、本人が選択できる制度であれば問題ありません。
投稿日:2025/09/24 09:47 ID:QA-0158577
相談者より
ご回答ありがとうございます。
従業員にとって、法的問題もなく、本人も納得できるような選択肢を提示できるよう就業規則を整備していきたいと思います。
投稿日:2025/09/24 15:51 ID:QA-0158609大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
有休は遅刻早退のために使用するものではありませんので、
原則として、遅刻早退に有休を使用しないことをお勧めします。
事前に連絡があり、例外的に時間単位有休を認めるのでしたら、
2時間分使用となります。
組み合わせは、メリハリがありませんし、従業員も勘違いをします。
かつ管理も煩雑になりますので、止めた方がよろしいでしょう。
投稿日:2025/09/24 12:03 ID:QA-0158594
相談者より
ご回答ありがとうございます。
事前連絡なく遅刻する従業員はいませんので、できるだけ本人の意向に沿うような選択肢を提示できるよう、就業規則の整備をしていきたいと思います。
投稿日:2025/09/24 15:55 ID:QA-0158610大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
以下につきましては、法令的な問題はありません。
但し、前提として、本人が選択できる状態であることが必要です。
|従業員に有給休暇のみ、欠勤のみを選択させる処理に違法性はないのか、
|また有給休暇と欠勤を組み合わせて処理することに法的問題はないのか
また、運用上という観点では、選択肢が3パターンも存在しますと、煩雑に
なりやすい傾向が生じます。有給休暇1時間+欠勤10分の組み合わせが可能
なのであれば、有給休暇2時間も可能であると通常考えられ、認める必要が
生じるでしょう。
本来、有給休暇は遅刻の補填をするものではなく、事前申請が原則ですので、
遅刻であれば、素直に遅刻として運用なさることを推奨いたします。
投稿日:2025/09/24 13:42 ID:QA-0158601
相談者より
ご回答ありがとうございます。
人事としてもシンプルに処理したいところではありますが、従業員の意向にも沿えるような選択肢を提示できるよう、就業規則の整備をしていきたいと思います。
投稿日:2025/09/24 15:58 ID:QA-0158611大変参考になった
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