退職済み従業員からの給与請求に関して
いつも大変お世話になっております。
この度、退職された従業員から深夜手当の差額を求める請求書が届きました。
どのように対応すればよろしいでしょうか?
詳細は以下になります。
①当該従業員はハローワーク経由ではなく、代表がプライベート上で誘われた
方になります。
②当時のハローワークの掲載内容では夜勤手当2,500円/日と掲載されていたが
雇用契約書では25%/時間で雇用契約書を締結。
③面接時には夜勤手当2,500円/日ではないかと面接担当者に確認し、修正する
よう依頼した。
④その後、担当者から社長へは連絡が無く、雇用契約書の更新もしていない。
⑤上記担当者は退職済みで、現状連絡が取れない状況。
どのように対応すべきか大変苦慮しております。
皆様のお考えをご教授いただけましたら幸いでございます。
投稿日:2025/08/19 15:02 ID:QA-0156842
- くにひでさん
- 愛知県/その他業種(企業規模 51~100人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
以下の3点がポイントになります。
口頭でどのような会話を行っていたか等、事実関係を調査する必要があります。
・深夜手当に対し、従業員へはどのような説明を行っていたのか。
・以下、依頼したの際、どういった会話がなされていたのか。
・請求を断る為の根拠・証拠が十分揃っているのか。
雇用契約書の契約内容は有力な証明書類としての効果があるものの、
一概に法令的にYes、Noの回答を申し上げることが難しい事案であり、
トラブルが発展した場合は、民事的な場で解決がなされる事案に該当します。
必ずしも支払う必要があるとは断言できるものではありませんが、
会社としても、夜勤手当2,500円/日で把握されており、請求金額の計算根拠が
請求書に記載され、計算結果が正しいものであるのであれば、請求書通りに
支払うという判断が早期解決へ一番近い判断となります。
投稿日:2025/08/19 16:03 ID:QA-0156847
相談者より
ありがとうございました。
投稿日:2025/08/20 09:39 ID:QA-0156867大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
今回の件は「ハローワーク求人票」「面接時の説明」「雇用契約書」の内容が食い違っているため、労使間の認識齟齬による未払賃金(深夜割増)請求と整理できます。以下の観点で対応をご検討ください。
1. 法的整理
労働基準法上の原則
深夜割増は「通常の賃金の25%以上/時間」で支払う義務があります(労基法37条)。
固定額(例:1勤務2,500円)を支給する場合でも、少なくとも法定の25%割増相当額を下回ってはいけません。
今回の問題点
ハローワークの求人票:2,500円/日と掲載
雇用契約書:25%/時間と明記
本人は面接時に「2,500円/日ではないか」と確認し、修正依頼をしていた → 会社側で対応されないまま勤務開始
→ 求人票・面接時説明と実際の契約条件が不一致のまま労働契約が履行された可能性があります。
2. 会社がまず確認すべきこと
実際に支給していた深夜手当の金額
「25%/時間」で計算した金額と、求人票の「2,500円/日」との差額を比較。
実際の労働時間の深夜部分の時間数
1日ごとに22:00~翌5:00の労働時間を確認し、25%割増額と照合。
求人票の記載内容と説明の証拠
ハローワークに出した求人票のコピー
面接担当者のメモ・メール・本人の主張など
雇用契約書の原本
3. 請求に対する対応方針
差額が発生している場合
法定の25%割増以上を支払っていれば「未払い賃金」には当たりません。ただし、求人票や説明で「1日2,500円」と約束したと認められると、労働契約法上の「労働条件明示義務違反」や信義則違反を主張される可能性があります。
少額であれば、会社の信頼維持のために「和解的に差額を支払う」判断も現実的です。
差額が発生していない場合
25%計算の方が2,500円を上回っている、あるいは同等であれば、法的には未払いはないため「契約通り支払済み」と回答可能です。
争いになる可能性がある場合
内容証明郵便で「支給方法」「契約書記載内容」「求人票との差異はあったが法定割増は満たしている」旨を明示して回答する。
請求が大きく、解決困難な場合は、弁護士・社労士へ相談して対応方針を固めるのが望ましいです。
4. 再発防止策
ハローワークの求人票と雇用契約書の条件を必ず一致させる。
面接担当者と経営者との連絡体制を整備し、修正依頼があれば確実に反映。
雇用契約書に「求人票と異なる場合は雇用契約書を優先する」旨を明記する。
5,まとめ
まずは実際の「深夜勤務時間」と「支給額」を再計算し、差額があるか確認する。
差額があれば、信頼関係維持の観点から和解的に支払う方が安全。
差額がなければ、契約通りであり「未払いはない」と回答できる。
今後は求人票と契約書の齟齬をなくす仕組みを整備する。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/08/19 16:39 ID:QA-0156848
相談者より
大変参考になりました。
ありがとうございました。
投稿日:2025/08/20 21:58 ID:QA-0156906大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
退職従業員の自由な意思
以下、回答いたします。
(1)時系列としては、以下の順番ではないかと推察されます。
・当時のハローワークの掲載内容では夜勤手当2,500円/日と掲載されていた。
・当該従業員はハローワーク経由ではなく、代表がプライベート上で誘われた方になります。
・面接時には夜勤手当2,500円/日ではないかと面接担当者に確認し、修正するよう依頼した。
・25%/時間で雇用契約書を締結。
(2)仮にそうであるならば、なぜ、退職従業員が 「25%/時間で雇用契約書を締結」(同意)したのかが論点になると認識されます。
(3)労働者の同意に関しては、以下の判例(山梨県民信用組合事件 平成28年2月19日 最高裁判決)が参考になると考えられます。
※就業規則に定められた賃金や退職金に関する労働条件の変更に対する労働者の同意の有無については,当該変更を受け入れる旨の労働者の行為の有無だけでなく,当該変更により労働者にもたらされる不利益の内容及び程度,労働者により当該行為がされるに至った経緯及びその態様,当該行為に先立つ労働者への情報提供又は説明の内容等に照らして,当該行為が労働者の自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するか否かという観点からも,判断されるべきものと解するのが相当である。
(4)上記(3)を踏まえ、退職従業員に対して、以下の点について照会することが考えられます。そして、その回答を踏まえ、雇用契約書の締結が退職従業員の本意であったのか否かを検討することになろうかと思われます。
1)なぜ、「面接時には夜勤手当2,500円/日ではないかと面接担当者に確認し、修正するよう依頼」したのか。
2)なぜ、雇用契約書の締結に応じたのか。
3)その際に(これに先立ち)、会社側からどのような説明があったのか。
投稿日:2025/08/19 18:57 ID:QA-0156853
相談者より
ありがとうございます。
投稿日:2025/08/20 11:26 ID:QA-0156874大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
退職した従業員が請求してきた深夜手当の差額というのが、具体的に何との差額を指しているのか詳細が解りませんが、自身で計算した結果不足額が生じているので差額を支払えということでしょうか?
であれば、まずは、深夜割増賃金の計算に誤りがないかどうかを精査し、不足額があれば支払う、間違いがなく単に退職者の勘違いであればその旨説明してあげたらよろしいでしょう。
ただし、夜勤手当2,500円/日がどういう位置づけのものであるのかは、ハッキリさせておく必要があります。
夜間の勤務であることに着目して、深夜割増賃金とは別に、夜勤1回につき定額の夜勤手当(2,500円)を支払っているような場合、この夜勤手当は、通常の労働時間または労働日の賃金には該当しないため、割増の基礎に算入する必要はないということになります。
雇用契約書に深夜労働割増賃金は25%割増(法定どおり)で支払うと明記されているのであれば、時間外労働と重なった場合には50%割増となりますが、夜勤手当2,500円/日は計算の基礎に算入する必要はありません。
投稿日:2025/08/20 09:21 ID:QA-0156865
相談者より
ありがとうございました。
投稿日:2025/08/20 21:58 ID:QA-0156907大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
人事というより法律的対応が必要な事案の可能性がありますので、弁護士との連携も視野に入れ、社内関係者からできる限り情報を得て下さい。
まずは貴社側としては雇用契約書という絶対的証拠がありますので、その内容を覆すような申立てについての証拠探しです。社長がスカウトした人材であれば、社長が経緯を知らないのか、契約時手続き時に何らかの記録がないかなど調べ、何一つ証拠が見当たらなければ、申し立てについても対応できない旨をソフトに連絡してはどうでしょう。
恐らく先方が証拠を出してくると思われますので、終始宥和的な態度で進めることが重要です。逆に証拠がなければ対応もできませんので、弁護士には早めに相談しておくのが良いと思います。
投稿日:2025/08/20 12:41 ID:QA-0156876
相談者より
ありがとうございます。
弁護士への相談も検討させていただきます。
投稿日:2025/08/20 22:00 ID:QA-0156908大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、担当者に確認が出来ないという事でしたら、ハローワークの求人で公に示されていた事からも当人の主張を認められるのが妥当と思われます。
通常であればそれ程大きな支払額にはなると考えられませんし、御社側の条件表示に不手際が有った事からもこの度については支給されておくのが賢明といえるでしょう。
投稿日:2025/08/20 18:59 ID:QA-0156895
相談者より
ありがとうございます。
投稿日:2025/08/20 22:01 ID:QA-0156909大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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