休職明け社員の雇用形態変更について
弊社にメンタル不調によって休職した後、復職した社員がおります。
もともと正社員だったものの、復職時に役員より正社員復帰を認めない旨の指示があり、契約社員として復職させました。(主治医からの復職許可は出ています)
その際、契約期間は3ヶ月で、正社員復帰の条件として下記の条件を設定しました。
・6カ月以上勤続している(3カ月でも契約の見直しを検討)
・フルタイム勤務可能
・勤務態度や業績が良好
弊社は時差勤務を認めており、本人は通常より出勤時間を30分後ろ倒しにしているのですが、欠勤や遅刻もなく、上司からの評価も高いため特に勤務上の問題は起こっていません。
近々契約から3ヶ月が経つため、契約更新の時期になるのですが、
役員より、本来の始業時間から働いていないため、正社員復帰は認めず契約社員としての雇用を継続するよう指示がありました。
正社員復帰の条件に本来の始業時間で働くことを組み込んでおらず、本人にも伝わっていないため、これを受け入れてもらうのは難しいのではないかと考えています。
あくまでも契約書上は6ヶ月以上の勤務が本条件になっているため、後出しの条件をいったんの正社員復帰拒否の理由としても問題ないのでしょうか?
それとも、3ヶ月でも見直しを検討としている以上、適切な条件でないのなら正社員復帰の拒否はできないのでしょうか?
投稿日:2025/05/07 16:00 ID:QA-0151868
- いまりがわさん
- 東京都/情報処理・ソフトウェア(企業規模 51~100人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
労働者から「差別的取扱い」や「契約条件違反」で争われる可能性があり、
復職者への不当な不利益変更とされ、企業イメージや職場の心理的安全性にも悪影響が生ずるおそれがあります。
特に精神的な疾患での復職者に対する処遇については、裁判所も厳しく判断する傾向があります。公平性・合理性・事前合意がない不利益変更には慎重であるべきだと思います。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
この件に関しては、労働契約法や判例上の「契約の合理性・合意の有無」という観点から判断されることになります。以下のポイントを整理してお答えします。
1. 結論:
「後出しの条件」を理由に正社員復帰を拒否することは、法的に問題となる可能性が高いです。
2. 理由の詳細:
(1) 復職時の契約内容・条件が基準になる
復職時に提示された契約内容において、正社員復帰の条件として明示されていたのは下記の3点のみとのこと:
6カ月以上の勤続(3カ月でも見直し検討)
フルタイム勤務可能
勤務態度や業績が良好
この条件に「始業時間を通常通りに戻すこと(時差勤務をしないこと)」が含まれていないため、それをあとから理由として用いることは、労働者との合意に反する運用とみなされる可能性があります。
(2) 現在の勤務状況が条件を満たしている
欠勤・遅刻なし、評価も高く、フルタイム勤務(時差あり)も行えている。
契約内容上、実質的に正社員復帰の条件は満たしているといえる。
この状況で正社員復帰を拒否すると、合理性を欠いた差別的取扱い(=不当労働行為)とされるおそれもあります。
(3)「3ヶ月でも契約見直しを検討」と記載してある点
「検討」とあるため、義務ではなく裁量の余地があるとはいえ、恣意的で不透明な基準で拒否すると、不利益取扱いと見なされかねません。
特に、本人に伝えていなかった条件を理由に不合格とする場合は、不信感・トラブルの原因になります。
3.企業側が取るべき対応
今後の条件を明示するのであれば、契約更新時に明文化する
→ たとえば「正社員登用の条件として、通常の始業時刻で勤務可能であること」など、本人にも書面で伝える。
今回の契約更新では、正社員復帰を前提とした方向で検討するか、明確な基準が不十分であることを認めたうえで猶予期間を設ける
就業規則や人事制度の見直し(復職時の処遇に関するガイドラインなど)を行う
4.リスクまとめ
労働者から「差別的取扱い」や「契約条件違反」で争われる可能性があり、
復職者への不当な不利益変更とされ、企業イメージや職場の心理的安全性にも悪影響が生ずるおそれがあります。
特に精神的な疾患での復職者に対する処遇については、裁判所も厳しく判断する傾向があります。公平性・合理性・事前合意がない不利益変更には慎重であるべきだと思います。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/05/07 18:16 ID:QA-0151884
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
復職は、原則として元の職務となりますが、
役員の指示によりというのでは、公平性、透明性に欠けます。
復職について、
正社員復帰を認めないのはどういう場合なのか、
契約社員はお試し期間としてなのかなどは、就業規則に規定しておく必要があります。
会社として明確な根拠なく、役員の一存だけで、正社員に復帰させないのであれば、
従業員のモチベーション低下や、トラブルに発展するリスクが大きいといえます。
投稿日:2025/05/07 20:42 ID:QA-0151894
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、勿論後出しで条件変更等といった措置は明らかに不合理であって認められないものといえます。
特にメンタル不調の場合ですと、こうした事で不安を生じる事によって折角回復されたものが再発するといった重大なリスクを招きかねませんので、当初の要件を満たせば当然に正社員へ復職させるべきといえます。
投稿日:2025/05/07 22:39 ID:QA-0151901
プロフェッショナルからの回答
契約変更
【御相談】
あくまでも契約書上は6ヶ月以上の勤務が本条件になっているため、後出しの条件をいったんの正社員復帰拒否の理由としても問題ないのでしょうか?
それとも、3ヶ月でも見直しを検討としている以上、適切な条件でないのなら正社員復帰の拒否はできないのでしょうか?
【回答】
契約内容の変更については、原則、両者の合意が必要です。復職社員が合意しない限り、「正社員復帰の条件に本来の始業時間で働くことを組み込む」ことは困難です。
一方、「3カ月でも契約の見直しを検討」については、その趣旨に則り、信義に従い誠実に履行することが求められていると考えられます。
投稿日:2025/05/07 23:56 ID:QA-0151912
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
貴社が制度として時差出勤を認めているのであれば、役員の方が仰る、
本来の始業時間から働いていないことを条件とすることは、不合理では
ないでしょうか。まずはこの点について、役員の方と折衝可能であれば、
今一度、お話し合いください。
また、役員の方の判断が固いようであれば、改めて、役員の方と正社員の
復帰条件をより詳細に再設定していただき、契約更新時に提示することが
求められます。
当初、どこまでご本人とお話をされているかは存じ上げませんが、
当初の条件提示として、6カ月以上勤続しているとしているのであれば、
6カ月経過時点が、正社員復帰判断のデッドラインと思案します。
6カ月経過時点においても、事前提示条件と相違した判断がなされた場合、
トラブルを引き起こし、会社側が不利なケースが想定されますので、
詳細な提示条件は、しっかりと事前に役員の方と擦り合わせください。
投稿日:2025/05/08 07:43 ID:QA-0151916
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
6ヵ月以上の継続勤務を条件としながら、3ヵ月、つまり最初の契約期間が満了した時点で契約の見直しを検討ということですから、検討はすべきでしょうが、ただし、検討した結果、あと3ヵ月は契約社員のままでというのも、それはそれで有りです。
ですが、会社として時差出勤を認めており、出勤時間を30分後ろ倒しにしているだけで、時短勤務ではなく通常勤務を熟しているいうことであれば、本来の始業時間から働いていないため、という理由には説得力はなく、かつ合理性もありません。
正社員復帰の条件として、文面にある3つの条件を満たしている限り、本人のモチベーション維持のためにも、3ヵ月の期間満了後、それが困難なら6ヵ月後の正社員復帰を認めてあげるのが適正であるといえるでしょう。
投稿日:2025/05/08 08:27 ID:QA-0151919
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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