年俸制の導入
よろしくお願いいたします。
年俸制の導入を検討するよう指示を受け、勉強中です。
基本的には現在の年収を16分割し2回の賞与時に16分の2づつを支給します(みなし残業代を含む)。
ご質問は現在支給している、家族手当の扱いですが一般的には別途支給ですか?
その他注意する点はありますでしょうか?
弊社は中途採用が多く、前職の給与を参考に給与を決めていますので、基本的な給与テーブルがありません。その様な中、社内で不満をもらす者もいます。
仕事振りを評価し年俸制を導入したほうが良いのではないかと現在検討中です。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2008/03/25 12:58 ID:QA-0011856
- *****さん
- 東京都/医療・福祉関連(企業規模 11~30人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
年俸制の基本趣旨は「業績給」
ご相談を拝見し、ご連絡差し上げます。
年俸制の直接的な意味は、もちろん「年間ベースで金額を取り決める給与(俸給)」というものですが、実質的な趣旨は、業績給、つまり業績に応じて決定(変動)する報酬というものです。
したがって、ご質問の家族手当のような「生活扶助的」で、業績とは関係なく支給される給与項目を残すことは、年俸制の導入趣旨にはなじまないと言えます。
また、年俸制云々を別にしても、家族手当や住宅手当、地域手当といった生活扶助的給与項目の原資は、ここ10数年来徐々に削減される傾向にあります。
なお、年俸制導入上の留意点や検討事項は多岐に及びますが、大くくりにすると、個々人へ支給する報酬という側面と、会社のコストとしての人件費という側面から整理できます。
報酬的側面からは、
-年俸決定根拠の決め方
-人事評価との連動のさせ方
-等級レイヤー別の報酬水準
-支給対象者の受け止め方
-支給分割、支給ペース 他
といった検討事項があります。
また、人件費マネジメントの側面からは、
-全体原資の決定根拠
-全体原資の変動根拠
-年間での変動のさせかた
-変動の幅
-査定との整合性
-会計管理との整合性 他
といった事項があるでしょう。
ご参考まで。
投稿日:2008/03/25 22:06 ID:QA-0011860
相談者より
投稿日:2008/03/25 22:06 ID:QA-0034754大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
「年俸制の導入を検討するよう指示を受け‥」とございますが、「年俸制」と決められたその目的は具体的に何でしょうか?
賃金制度を変更する場合、まず第一にその変更主旨が明確になっていなければ制度設計していく過程で適切な判断が出来ず、時間を浪費すると共に仮に出来上がっても意図が見えず従業員にも不信を呼ぶ制度となりかねません。
ご相談の家族手当の件もそうした目的が見えてこない限り明確な答えは出ないものといえます。
仮に業績重視の為制度変更を行なうということでしたら、既に田添様御回答の通り同手当が無用というのは明白です。(※ちなみに、業績重視の賃金制度=年俸制とは限りません。)
御社には「基本的な給与テーブル」つまり、きちんとした賃金制度の枠組みが存在していないということですと、年俸制導入の意図自体が元から曖昧な可能性がありますので、その点が危惧されますが実際の所はいかがでしょう‥
おっしゃる通り、しっかりと「仕事振りを評価」して賃金決定に反映させるということであれば、何も年俸制にこだわる必要はございませんので、あくまで選択肢の一つに留めておくべきといえます。
貴殿がどのような立場でどの程度裁量権を持っておられるかは存じ上げませんが、出来れば今一度賃金制度の見直しの主旨について指示を受けた方(経営者?)に確認・整理されて明確な方針を定めてから設計に取り掛かることをお勧めいたします。
投稿日:2008/03/26 01:27 ID:QA-0011868
相談者より
ご指導ありがとうございます。
ご指摘の「年俸制」と決められた‥何でしょうか?
前職の賃金を参考に賃金を決めて採用していますが、数年経ち当初の貢献度見込みから乖離する者がおり、社内にて不平不満の声が出ているため、年俸制を導入し業績に見合う賃金を決めようと検討してます。
同時に役職手当(肩書きは残すが)の廃止も検討しています。
投稿日:2008/03/27 11:14 ID:QA-0034760大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
年俸制の必要性に疑問
貴社はまだ検討段階ということですので、否定的な意見を申し上げます。
日本企業独自の年俸制は、エグゼクティブクラスに限定して適用は多少の意味がありますが、貴社のように全般的に適用する意味が特に見出せません。
小職の否定的見解を不審に思われるときは、肥後文雄先生の『定昇のないメリットペイ』や旧日経連のコメントをご覧ください。
また貴社には賃金テーブルがないので不便とのことですが、賃金テーブルも特に必要ありません。
現状の基本給比率が少ないときは、諸手当を見直す必要がありますが、基本給項目を新たに設定することは避けなければなりません。
まして特定の基本給項目用の賃金表等は旧態依然としています。作成するとすれば、基本給全体を決定する賃金表ですが、その前に基本給項目の一本化が必要です。
日本の人事部の書式・文例に掲げてます「最適賃金」のような手法を推奨申し上げます。
投稿日:2008/03/26 10:49 ID:QA-0011874
相談者より
投稿日:2008/03/26 10:49 ID:QA-0034762参考になった
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
年俸制導入についてのご回答
はじめまして。株式会社イプセの水戸大介と申します。
弊社は組織人事コンサルを行っておりますので、様々な会社様の制度改定を
お手伝いをさせていただいております。
その視点からアドバイスをさせていただきます。
賃金体系の変更というのは、人事制度の中でも、もっともデリケートな部分ですので、
ご心配だと思います。
今後進めていくにあたって、まず、おさえていただきたい点は、賃金体系だけを
クローズアップをするのではないということです。
まずは、企業の目標があり、それを達成させるための1つのツールとして人事制度があり、
その人事制度の1要素が賃金体系である、という視点から見ていく必要があります。
そうしないと、賃金体系の細部ばかりが気になってしまいます。
人事制度といったときに、大きく①キャリアコース、②評価制度、③賃金制度、
と分けられますが、それぞれが連動して初めて人事制度の運用がうまくいきます。
ですから、本来は今後の会社の方向性を考え、どのような人材が求められるのか、
その人材を確保するにはどうしたらよいか、また、社員のモチベーションを高く
保つにはどうしたらよいか?などを達成させるための、トータル的な人事制度の仕組み
が必要です。
でなければ、根本的な部分をはずしてしまい、単なる会社の自己満足の制度になりかねません。
また、中途採用の社員が多く、前職の給与に引っ張られている現状を考えますと、
例えば、「部下なのに自分よりも年収がいいのではないか?」とか、
「同じような仕事をしているのに、自分より年俸がいいのではないか?」など、
社内の疑心暗鬼をよび、モチベーションダウンの原因となっている可能性があります。
にもかかわらず、年俸制だけを導入してしまうと、より一層社員の方の不満が上がる
可能性もあります。
(そういった場合は、よりいっそう明確な評価制度と賃金体系の連動が求められているかもしれませんね。)
年俸制導入にあたってのそもそも論になってしまいましたが、もし、ご希望であれば、
もう少し詳しい参考資料もお送りできますので、よろしかったら、ご連絡くださいませ。
(ちなみに、家族手当に関しましては、他の皆様と同じ意見でございます。)
重要なプロジェクトですので、ぜひ、がんばってくださいませ。
投稿日:2008/03/26 13:40 ID:QA-0011881
プロフェッショナルからの回答
- 関野 吉記
- 代表取締役社長
年俸制の鍵は職務内容
すでに多くのご意見がでておりますね。
私は外資系やアメリカの日本企業が
従来の日本式人事制度をグローバル化にあわせ、年俸や業績主義に変更するお手伝いをする視点から、他の企業が躓く点をお知らせします。
制度を変更する際に、みなさんも書いておりますように、大きな目的をコミュニケーションする必要があります。
その後、メリット、デメリットを説明し
強いリーダーシップで実施していくパワーがない場合、あまりお勧めできません。
成功するには、
1)明確な企業の事業ゴール
2)それに合わせた職務内容の明記
3)職務のそれぞれの目標設定
4)年俸を決定する評価制度
5)評価をする管理職の教育
このような基本が整って初めて運用でき
会社は人件費を上手にコントロールできるようになります。
現状の制度を少々手を加える変更は、失敗のもとです。
今後企業は、好むと好まざるに関わらず
年俸制に変更していくことと思いますが、
じっくり戦略を練って、一気に変更することを
お勧めします。
また、他の方と同じように家族手当など
諸手当は年俸制の場合、すべて含みます。
年俸=職務のバリューと考えております。
いろいろな制度が作れますが、
一つの意見としてお知らせします。
投稿日:2008/03/26 15:16 ID:QA-0011884
相談者より
投稿日:2008/03/26 15:16 ID:QA-0034768大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
こちらこそご返事頂き感謝しております。
文面の件ですが、前回も申し上げました通り「年俸制→業績に見合う賃金」とは限りませんので月給制を年俸制に移行する理由としては根拠が弱いと感じます。
社内不満も、賃金の支払形態というよりはおっしゃる通り実態との剥離から生じているものといえるでしょう。
月給制のままでも業績対応の評価基準が公平かつ明確であり、適切な運用が行なわれた際には十分に対応可能です。
他の先生方の回答も参考にされた上で、まずは「形式(月給か年俸制か)」よりも「内容(どのような評価基準・方法等により業績重視の実態に合った賃金決定を行なうか)」を方針付け検討された上で導入設計されることをお勧めいたします。
投稿日:2008/03/27 11:54 ID:QA-0011897
相談者より
投稿日:2008/03/27 11:54 ID:QA-0034773大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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