社用車の貸与について
いつも参考にさせていただいております。
社用車の貸与についての質問です。
ただいま社内規定を見直し中です。
弊社の、部長クラス・執行役員・取締役に社有車を無償で貸与(プライベートも使用可、燃料代も会社で負担)することは、税制面や事故時の会社責任の観点からいかがでしょうか?
参考になる資料がみつからず、質問させていただきました。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2022/03/04 15:58 ID:QA-0112990
- 新米人事君さん
- 栃木県/販売・小売(企業規模 301~500人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、社用車を私用で利用させる場合でも、万一事故が有った際には使用者としての責任が生じる事から、通常損害賠償責任等が発生する事になります。
従いまして、そのような極めて重大なリスクを負う事になる社用車貸与に関しましては、税制以前の問題としまして当然に避けるべきといえるでしょう。
尚、税制面につきましても確認されたいようでしたら、専門家である税理士にご確認頂ければ幸いです。
投稿日:2022/03/04 20:28 ID:QA-0113005
相談者より
ご回答ありがとうございました。
慎重に見直しいたします。
投稿日:2022/03/05 17:23 ID:QA-0113038大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
事故時の会社責任の観点からいいますと、社有車で事故を起こした場合の使用者責任の程度が問題になります。
会社は原則として使用者責任および運行供用者責任を負い、事故を起こした本人に対しては求償は可能ですが、金額については制限されます。
社有車の場合は、社用・私用を問わず会社に民事上の責任があるとされ、それは、交通事故における被害者保護の観点から、裁判上その責任条件についての適用範囲と内容が拡大されているためです。
ですから、例えば従業員が就業時間外に無断で社有車を使用して事故を起こした場合であっても、会社に民事上の責任があるとされ、社有車による事故の場合には、会社は原則的に、損害賠償責任を負わなければならないということになります。
その点、裁判例によれば、①その事業の性格、規模、②施設の状況、③被用者の業務の内容、労働条件、勤務態度、④加害行為の態様、⑤加害行為の予防もしくは損失の分散についての使用者の配慮の程度、その他諸般の事情に照らし、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる程度においてのみ、被用者に求償し得ると解され、損害額の4分の1を限度として求償できるにすぎないとしていますが、(茨城石炭商事事件 最高裁一小 昭51.7.8判決)必ずしも会社が負担しなければならないと義務づけられているわけではなく、事故の状況よっては、本人が全額負担する場合もあるということになります。
以上により、部長クラス・執行役員・取締役といえども、社有車を無償で貸与することは避けた方が賢明だと考えます。
その上、プライベートで使用は可、燃料代は会社負担となれば、適正な社有車管理とはいえず、他の従業員に与える影響も考慮すべきです。
投稿日:2022/03/05 08:29 ID:QA-0113012
相談者より
ご回答ありがとうございました。
大変参考になりました。
慎重に見直しいたします。
投稿日:2022/03/05 17:24 ID:QA-0113039大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
役員の社用車プライベート使用
▼合理的な計算で使用料の金額を決め、役員から徴収することが必要です。然し、具体的・合理的な計算方法に法の定めがある訳ではありません。実務的、且つ、税務対応可能な方法として次の様な定めが現実的かと思います。
▼まず、その車両の公私使用割合を決めます。つまり、「業務用に使用」する割合と「役員の私用」のために使用される割合を過去の状況や将来の予想から算定します。指標は「時間」でも「走行距離」でも構いません。
▼次に、その車両に関連して生じる平均的な1年当たりの減価償却費(未償却残高を未経過耐用年数で割る)、燃料費(年間のガソリン代)を合算した金額に「役員の私用」のために使用される割合を乗じて算定した金額を12で除して1カ月当りの使用料と定めます。
投稿日:2022/03/05 10:36 ID:QA-0113017
相談者より
ご回答ありがとうございました。
慎重に見直しいたします。
投稿日:2022/03/05 17:25 ID:QA-0113040大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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