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人材採用“ウラ”“オモテ”

ハードワーク体験がトラウマに
海外本社との「時差」の苦労

ようやく「働き方改革」に取り組みはじめた日本企業に比べて、欧米本社の外資系企業は労働生産性が高く、スマートな働き方をしているイメージがある。しかし、同時に成果へのコミットメントも求められるため、マネジャークラスともなると、見えないところで相当な頑張りが必要になるともいわれる。企業によっては「定時」というものが存在しないような環境もあるという。

有力外資系企業からのオファー

「Yさんに、内定したとお伝えいただけますか」

採用内定の通知を送ってきたのは、世界的な大手メーカーM社だった。欧州の企業なので日本での知名度はそこまで高くないが、欧米では誰でも知っている有名企業だ。

Yさんは、私がM社に紹介した管理部門のマネジャー候補である。日系のベンチャー企業に勤務しているが、その前は外資系企業で同じようなポジションを経験したことのあるベテランだ。キャリアからいっても、M社に内定したのは驚きではなかった。

「久しぶりに大きな案件になりそうだ」

人材紹介会社にとっても、キャリアのあるマネジャークラスのポジションが決まるのは非常にうれしいことだ。一般職にくらべると年収が高いため、紹介手数料もそれなりの金額になる。また、企業の中核となる人を紹介することは、紹介会社本来の役割でもある。

さっそくYさんに内定を伝え、感触を探ってみた。

「ありがとうございました。ただ、少し考えさせてもらえますか」

Yさんのテンションは意外に低い。あまり乗り気ではないのだろうか。

「何か気になっていることがあるのなら、M社に確認しますが……」

「M社の本社はヨーロッパですよね。本音をいうと、外資系企業への転職は慎重に考えたいんです」

思いがけない言葉だった。最初の転職相談のときにYさんは、勤務経験もあるので外資系企業も含めて紹介してほしいと言っていたはずだ。実際に面談時の私のメモにも「外資可」と書かれている。

「年齢のこともあり、あまり希望を狭くすると紹介されないのではないかと思ったのです。知人からも、幅広く探した方がいいとアドバイスされていましたので……」

Yさんは40代後半だったが、転職活動をはじめてみると、外資だけでなく日系企業でも何社か面接を受けることができ、最終段階まで進んでいる会社もあるという。

「なぜ外資系企業は優先順位が低いのでしょうか。よかったら教えていただけませんか」

私は疑問をYさんにぶつけてみた。


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