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企業を前進させる「マネジメント・コーチ」の可能性

「Management Coach Inc.」代表取締役社長

大橋 禅太郎さん

経営トップが強いビジョンを持ち、より高いレベルを目指しているのに、その情熱が現場の社員に伝わらない ――そんな問題を抱える企業が大きなプロジェクトを試行しても、ことごとく失敗に終わるでしょう。経営トップのビジョンは絵空事となって、やがて企業は退行していく羽目になるかもしれません。解決策はないのか? IT関連企業の経営者として日米で名を馳せた大橋禅太郎さんは「問題こそが企業を前進させるパワフルなツールになる」と言います。経営陣に対するコーチングから始めれば、達成困難に思えるレベルの目標もクリアできるようになる、と。米シリコンバレーでの企業経営がピンチに陥った、そのときに大橋さんがめぐり合ったという「マネジメント・コーチ」。まだ日本ではあまり知られていない斬新なコーチングの理論と手法を公開します。

Profile

おおはし・ぜんたろう●宮城県生まれ。26歳のとき、自分で貯めた1000万円を元手に日本の科学技術情報を海外企業へ販売する「Value Exchange International」を起業。3年後にはアメリカ・シリコンバレーでインターネット上のマーケティング促進会社「GAZOOBA」を起業。10億 円以上の資金を集めて、2年で60人規模の会社へ成長した(2001年に売却)。その際、マネジメント・コーチのサービスに出会い、ブレイクスルーを経験。2001年、アメリカのマネジメントアソシエイツ社とライセンス契約を結び、「Management Coach Inc.」を創業。主な著書に『ガズーバ奈落と絶頂のシリコンバレー創業記』(インプレス)、『すごいやり方』(扶桑社)などがある。 http://www.managementcoach.net

マネジメント・コーチの「ウェーク・アップ・コール」

社員の潜在能力を引き出す有効な手法として「コーチング」が注目を集めていますが、大橋さんが提供している「マネジメント・コーチ」とはどんなものなのですか。

顧客企業の経営陣に対してコーチングを行い、ハイパフォーマンスな経営オペレーティングシステム(OS)をその企業に導入します。コーチングを提供する業者は、それぞれアピールポイントを持っていて、たとえば「社内のコミュニケーションを良くする」コーチや、「モラルを向上させる」コーチなどがありますが、マネジメント・コーチを顧客企業に説明するときは、僕はずばり「これは利益を改善するコーチです」と言います。具体的なやり方としては、8人以内の経営陣に対して、4回のセッションの中でいくつかのビジネス・テーマに関して議論させ、意識改革を図る。引いては企業全体のコミュニケーションを改革して、業績を飛躍的に伸ばすことを狙います。

僕がマネジメント・コーチというサービスを知ったのは、1998年にシリコンバレーで、インターネットを使ったマーケティング会社のGAZOOBA(ガズーバ)という会社を起業したことがきっかけでした。僕は会社経営の経験が浅く、なかなか業績が伸びなくて悩んでいた。その年の冬、このままでは次の年の春には資金が底をつきかねない状況にまで陥り、それで6人いた経営陣(日本人は大橋さんだけ)の一人が「マネジメント・コーチを雇ってみよう」と言い出したんですね。

僕はコーチングなんて胡散臭くて嫌だと言ったんですが、「歯医者に行くような気分でやってみたらいいじゃない」と押し切られました。最初は痛いだろうけど、うまくいけば後は楽になるかもしれないと。それでコーチとしてガズーバに来たのがマネジメントアソシエイツ社のハワード・ゴールドマンさんだったんです。

大橋 禅太郎さん Photo

ハワードさんは、まずどのようなことをしたのでしょう。

僕に向かって、いきなり「あなたの存在は会社にとってケツの穴です」と言った(笑)。まだ彼をコーチに頼むかどうか契約をする前ですよ。ハワードさんに対する憎しみが増すばかり(笑)。でもこれは僕に対する「ウェーク・アップ・コール」であって、コーチングの始まりだったわけです。

「Why」ではなく「How」の思考を植え付ける

それからどんなコーチングが行われたのですか。

会議形式で、司会はハワードさん。6人の経営陣全員が出席させられました。僕は経営トップを降ろされて、被害者みたいな気持ちでいましたね。しかも6人とも毎日目が回るほど忙しいのに「初回のワークセッションですべてのプロセスを完了します。ただし9時間かかります」と。

で、その初回、ハワードさんは6人に紙を配って「ガズーバがいま抱えている問題点を『どのようにすれば××××できるだろうか』という質問形の文章にして書いてください」と切り出した。「会社の業績が良くない」と書くのではなく「どのようにすれば会社の業績が良くなるだろうか」というふうに。紙に書かせたのは、お互いの内容をシークレットにするためだったのでしょう。

そして一人ひとりにそれを読ませた。「どのようにすればガズーバの製品が顧客に受け入れられるだろうか?」「どのようにすれば現場のやる気が上がるだろうか?」「どのようにすれば資金を集めることができるだろうか?」……。そうするうちに、何となくですが、僕は会社が抱える問題点がより具体的に見えたり、解決策を考えたり、そんな気になってきたんです。

何が変わったのでしょうか?

今抱えている問題をまず棚卸しして、それを質問のかたちで文章化しただけ。でもそれで、「問題」が「チャレンジ」に変わっていった。

ハワードさんは僕らに「How(どうするか)」の思考を植え付けたんですね。何か深刻な問題が発生して、それについて考えるとき、普通はだれでも 「Why(なぜ)」の思考を持って、とにかく原因を探ろうとします。でも、その考え方をしていると、問題はどんどんドツボにはまっていくんです。

大橋 禅太郎さん Photo

たとえば、出席者の一人が遅刻して、会議が定刻どおりにスタートできなかったとします。そのとき、その問題を引き起こした遅刻者に向かって、きちんと出席していた人たちは何を問いかけますか? 多くの場合「なぜ遅れた?」でしょう。それに対して遅刻した人は、会議に遅れてしまうと自分でわかってから言い訳をあれこれ考えていて、「目覚し時計が鳴らなかったんです」とか「前の仕事が長引いちゃって」などと回答するんじゃないでしょうか。

すなわち「自分は悪くないんだ」ということを主張するケースが多いと思います。「なぜ目覚まし時計がならなかったのか」と、さらに問いかけても、 「時計のメーカーが悪いんです」なんて言うかもしれない。結局、そんな「Why」の思考法でいくら遅刻の問題を議論したところで、今日遅刻したその人は明日も遅刻するかもしれず、また会議が定刻どおりにスタートできない、遅刻常習犯に対して何の解決策も見つからない、という悪循環になるだろうと思いますね。

達成困難な問題がブレイクスルーを導き出す

「How」の思考で遅刻に対処したら、どうなるでしょう。

「How」の思考を採ると、遅刻した人に向かって「あなたはどのようにすれば遅刻しないでしょうか」と問いかけることになります。すると、遅刻した人は、その問いに言い訳を返すことは的はずれになるので、できません。次回から遅刻をしないための何かアイデアを考え、みんなの前で答えなくてはいけません。「モーニングコールをだれかに頼みます」とか「会議を控えているときは逆算して仕事を終えます」などと自分のアイデアを自分で言うと、それが約束となって、次回はそれをかなりの確率で実行して、遅刻はしないはずです。遅刻の問題の解決に向けてアプローチが起きて、メンバーがその実行をはっきりと約束する、ということになります。「How」の思考を採った結果、遅刻の問題こそが組織を前進させるパワフルなツールになったというわけですね。

業績不振だった僕のガズーバでも、経営陣が「How」の思考法で問題の解決に向けてアプローチを始め、そしてそれぞれのアイデアを壁に張り出しました。さらにハワードさんの指示で、どの解決策のアイデアをいつまでに実行するかという目標を立てた。だれかに押しつけられた目標ではなく、経営陣6人が自分たちで作り、自分たちで決めた目標ですから、責任を持って実行していく意識が自然と生まれてきて、それからガズーバの抱えていた問題がほぼすべて解決してしまったんです。僕はそのとき、「黒魔術」でも見たような気持ちになりました。

マネジメント・コーチのサービスを受けてから半年後、ガズーバは業績が急上昇し、 社員も16人から60人まで増え、2001年に入って売却することになりました。僕以外のアメリカ人の経営者5人は全員MBAを取得していましたが、もしもハワードさんのサービスを受けていなかったらそれまでの「Why」の思考から抜け出せず、ブレイクスルーは起きなかったでしょうね。

それで帰国後、日本でも「マネジメント・コーチ」のサービスを始めた。

そうです。日本に帰ってきてシリコンバレーでの起業経験について講演をしたときに「マネジメント・コーチのことをもっと教えて」と、トップ企業の経営者たちに言われたんですね。そこでハワードさんの協力を取りつけて、本格的にやることになったんです。

これまで大橋さんが手がけた日本企業に対するマネジメント・コーチでは、具体的にどのようなケースがありますか。

大橋 禅太郎さん Photo

たとえばウェディングやレストランのプランニングなどを手がける、社員数220人ほどの会社のケースでは、コーチング開始から半年で利益が3億円から5億円へと急増しました。

この会社の社長はカリスマ経営者を絵に描いたような魅力的な人物なのですが、あまりにカリスマ的すぎて、社長のメッセージが現場に伝わりにくいという問題がありました。メッセージが伝わっても、具体的にどうすればそれが実現できるか社員はわからない。社長のリクエストが「無茶である」ことを言い訳に、社員は「だからできません」という言葉で済ませたがっていたんです。

「約束を守らない」会社にはコーチングしても無駄

しかし、その会社の社員は、毎日の業務をこなすだけで手一杯だったのかもしれません。

そうかもしれませんが、たとえそんな状況の中であっても、社長のメッセージを自分自身のものと実感して、達成困難な仕事に挑もうとしない限り、ブレイクスルーは起きません。

社長と5人のゼネラルマネジャーで初回のワークセッションをしたとき、やはり熱意の点で差が感じられました。そこでまず、「今会社が抱えている問題は何ですか?」と問いかけ、問題の棚卸しをしたんですね。「共通の目標達成に向かって社員が協力する姿勢がない」「社長から評価を受けたいと望むあまり、ノウハウを共有しない」……などと問題が明確になると「何とかしなければ」という雰囲気が出できたので、今度はそこに「How」の思考法を入れるために質問形の文章に書き換えてもらいました。「どのようにすれば共通の目標達成に向かって社員が協力するか」「どうすれば社員がノウハウを共有するだろうか」……。

それで問題がチャレンジに変わり、当初、社長が唱えていた「イケてるサービスを提供しよう」というビジョンは、「2002年9月30日までに、売り上げ 40億円、利益7億円を達成することにより、世界一のホテルマネジメント会社となる準備が整う」――という戦略的フォーカスに変わることになりました。前者のビジョンと、後者の戦略的フォーカスだったら、どっちのリクエストが実現される可能性が高いでしょうか?

ワークセッションから2カ月後、「音を立てて会社が変わりました」とゼネラルマネジャーは言い、社長は「みんな気前がよくなった」と言いました。さっきの戦略的フォーカスの目標を「どうやったら達成できるか」という思考で社員が仕事を始め、社長の「無茶な」リクエストに対しても、「やってみます!」と答えるようになったんですね。この会社はもともと熱い集団だったのでしょう、高い目標設定と、それに向かっていった過程で起きた様々なチャレンジにもことごとく立ち向かい、パフォーマンスが日々上がっていきました。

大橋 禅太郎さん Photo

まず問題が何かを明確にし、解決に向けて短期的なアプローチを立て、そして社員が自分の達成すべきことについて考え、それを約束する――そうすればブレイクスルーは起きるということですね。

ただし、最初から社員のパワーのない会社や、やる気のない経営陣ばかりの会社はいくら優秀なマネジメント・コーチがやって来てもブレイクスルーは起きないでしょうね。「約束を守る」という土壌のない会社もダメです。

だから僕は顧客企業で最初のワークセッションを行う日もウイークエンドではなく、わざと平日の忙しい曜日を選んだりしています。そこでだれか一人でも「忙しくて出席できなくなりました」などと言い出す会社というのは、ブレイクスルーが起きる可能性が低いとみなします。朝10時からワークセッションを始めると決めたのに、10時2分にようやく出席者全員が集まって平然としている会社もダメ。約束を尊重する土壌がない。マネジメント・コーチが来る日に突然虫垂炎にかかったとしても、手術せず応急処置で這ってでもワークセッションに出席する――そんな経営者が率いる会社でないとコーチングの効果はあまりないだろうと思います。

(取材・構成=丸子真史、写真=中岡秀人)


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