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“若年労働力減少時代”に求められる人事賃金諸制度
総額人件費管理から安定的な労働力の確保へ

過去10年間の人事制度のトレンド

私が名南経営に入社したのは平成6年。よって人事コンサルタントの仕事を始め、今年で13年目になりますが、当時の人 事制度と言えば、まだ職能給の全盛期だったように記憶しています。その後、一部企業における職務給制度の導入を経て、多くの企業が成果主義に突入していく 流れを文字通り最前線で見てきたわけですが、いまになって改めて当時を振り返ってみると、この職能給から成果主義への人事トレンドの変化は、結局は企業が 厳しさを増す経営環境の中で総額人件費管理を進めた歴史だったように思えてなりません。

まずはいま求められている人事制度への道筋を確認するために、成果主義の導入が積極的に進められたこの10年間の人事制度の流れを復習してみましょう。

職能給の運用上の課題が指摘され、その解決案として成果主義が導入されていった時期。その制度見直しの理由として、よく以下のような主張がなされていました。

技術革新や経営環境の変化により、過去に蓄積された能力の高さが、必ずしも現在の成果につながらなくなってしまった。いわゆる「(過去に蓄積した)能力は あるが、(現在の業務を十分に遂行する)実力はない」という社員が増加する中で、保有能力ではなく発揮能力、つまりアウトプットである成果を公正に評価 し、処遇を決定する必要がある。

この主張は、当時の労働環境の変化を的確に表現しているでしょう。IT化を中心に、仕事の現場で求められる能力はこの 10年ないしは20年間で大きく変化しました。例えば、本稿のテーマである人事制度設計の業務も、かつてはプロット図(年齢と給与の散布図グラフ)ひとつ を作るだけでも、方眼紙を買ってきて、鉛筆でプロットを打っていったと思いますが、今ではEXCELを使えば一瞬でグラフが作成されます。もちろんいまで も手で書いて仕事にならないということではないでしょうが、正確性やスピード、そしてそこから導き出される検討の精度の高さを考えれば、この業務を行うこ とはEXCELなしではもはや不可能でしょう。また、それ以前に人事労務管理に関する時代の流れや法改正などに関する情報を常に仕入れ、知識のブラッシュ アップを行わなければ、完全に時代に取り残されてしまいます。

このように、仮に20年前に最高の評価を受けていたトップクラスの人材であったとして も、もしその後の環境変化に対応していなければ、いまでは評価以前に仕事にならないのです。よって、過去に蓄積した保有能力の高さではなく、現在、どのよ うな仕事を行い、どれだけの具体的成果を出しているのかを中心に評価し、処遇を決定しようとする成果主義の考え方は、環境変化が激しい現代においては、出 るべくして出たものであるといえるでしょう。しかし、現実問題として、こうした「能力と実力のギャップ調整」といった理由は、成果主義導入の大義名分とさ れただけで、実際には総額人件費管理、そして賃下げのための口実に使われた事例が非常に多いように思います。

以下では、職能給を初めとする過去の賃金制度が持っていた構造的な課題と、総額人件費管理としての成果主義導入の経過を見てみることにしましょう。

生涯で賃金と貢献度が精算される仕組み

職能給を初めとする過去の賃金制度が通常描いていたS字カーブは、年齢が低いときには「貢献度の高さ>賃金」となって いる一方で、一定の年齢を超えると賃金カーブが反り上がり、45歳を超える頃になると「貢献度の高さ<賃金」となり、定年までの勤続をもってその貢献度と 賃金が精算される仕組みとなっていました。言わば、若い頃の安月給を中年以降に取り戻す制度です。

この仕組みは、社員の平均年齢が若いうちは会社にとっても非常に大きなメリットがありま した。「いまは安月給かもしれないが、将来は給与カーブが反り上がり、高い給与がもらえる」という絵を見せることで、実際の貢献度よりも安い賃金で社員を 働かせることができたのですから、当然です。社員も、高度経済成長と終身雇用が当たり前の時代環境を前提に、それを疑うことはありませんでした。

このようにして日本企業は相対的に安い賃金で社員を雇用し、業績を伸ばすことができたと 指摘できるでしょう。しかし、このような不健全な仕組みがいつまでも維持できるわけがありません。社員の平均年齢が高くなるにつれ、賃金カーブは反り上が り、企業における人件費負担は増加していきました。

そして1992年、団塊の世代が賃金の損益分岐点とされる45歳に到達したのです。仮に その後も職能給を続けるとすれば、実際の貢献度に比して、相対的に高い賃金を支給しなければならない時代に突入したのです。そこにバブル崩壊後の企業経営 の低迷が加わり、自動的に人件費が上昇していく職能給をやめ、総額人件費管理を行いやすい制度に移行する必要性が高まったのでした。

職能給から職務給、そして成果主義へ

こうした時代背景の中、職能給の抜本改革が進められた初期には、アメリカ型の職務給をベースにした制度の導入が一部の 先行企業で進められました。職務記述書に基づいて各ポジションの職務価値を測定し、賃金を決定するという仕組みがそれに当たりますが、これなどは文字通り 職能給が本来的に持っていた賃金決定における「人」という要素を排除し、「仕事」に値段を貼り付けることによって、総額人件費管理を行おうという取り組み でした。例えば、ある支店の支店長の基本年俸を800万円と設定したのであれば、誰が支店長を勤めようとも原則として基本年俸は800万円で、職務ランク の見直しがなされない限り、一切の昇給は行われないのです。等級ごとの上限号俸こそあれ、毎年何らかの昇給が行われた職能給と比較すれば、総額人件費管理 が強化できるというのは言うまでもありません。もっともこの「人」の要素を排除し、仕事の価値に基づいて賃金を決定するという手法は、当時のわが国にはあ まり合わなかったのでしょう、全国的に見てそれほど普及することはありませんでした。

しかし、この職務給の考え方は職能給の運用に悩んでいた多くの日本企業を刺激し、成果主 義の爆発的普及のきっかけとなったことは間違いありません。そもそも成果主義は、明確な定義付けがなされないままに普及していきましたので、どのような制 度を成果主義と呼ぶのかは解釈の分かれるところではありますが、いずれにしても、個人の保有能力よりも、具体的に発揮された能力や結果を重視し、報酬設定 をしていったというのが基本的な特徴となっています。

先に述べたように、技術革新やIT化の進展、経済の成熟化など経営環境の劇的な変化が進 む中で、保有能力の積み上げを評価する職能給には、現実的に少なくない課題が見えていた時期でもあったため、行動や成果など、より具体的な発揮能力を評価 する新しい人事制度のフレームは爆発的に普及して行ったのです。しかし一方では、個人のノルマと報酬を直結させ、「ノルマが達成できないのだから給料が減 るのは当たり前」と、給与カットのための言い訳に「成果主義」というキーワードが使われるという場面も多く見られました。企業経営環境の低迷による総額人 件費削減という強いプレッシャーが、健全な成果主義の成長を阻害してしまったように感じます。

優良な労働力をいかに安定的に確保・育成するかが課題の時代

このように、職能給から成果主義への移行は、主として団塊の世代を中心とした社員の平均年齢の上昇、そして経営環境の 低迷による総額人件費管理の必要性を背景に進められましたが、ここに来て、さらなる環境変化が訪れています。団塊の世代が定年退職を迎える2007年問 題、これに少子化による若年労働者数の相対的減少と企業業績の回復が重なり、人事労務管理のポイントが大きく変わろうとしているのです。このように見る と、成果主義が注目を浴びた頃の経営環境と正反対の状況が、いま目の前に広がっており、またしても人事制度変革の圧力となっていることがわかりますが、こ れからの人事制度は、総額人件費管理を意識しながらも、それだけに止まらず、優良な労働力をいかに安定的に確保・育成するかという視点で、その設計を進め ることが強く求められています。

私が仕事の本拠を置いている愛知県は、かなり長い期間、日本一の労働力不足地域となって います。現実的に求人活動を行っても、ほとんど社員の採用ができないという状況に陥っており、企業経営として新たな戦略を打とうにも、人材がおらず、計画 の見直しを強いられる事例が後を絶ちません。この雇用が逼迫した状態は、現時点では愛知県のような一部の地域と、東京・大阪の大都市圏を中心に見られる状 況かもしれませんが、労働力人口の減少や企業業績の回復という要因は、特定の地域限定のものではなく、わが国の構造的な現象である以上、今後、愛知県と同 じような状況は日本全国に広がっていくことでしょう。つまり、人材不足が企業の発展を阻害する時代に突入していくのです。

政府としては国力を維持・向上させていくため、女性や高齢者の活用、外国人労働者の受け 入れなどの対策を具体化していく必要がありますが、企業としても、優良な労働力を安定的に確保していくための環境整備を進めていかなければ、企業の発展は おろか、存続さえも危ぶまれる状況に陥りかねません。そのためには「賃金制度改革」という狭い議論に止まらず、採用から定着、育成、そして退職率の管理と いった人事労務管理のもっとも基本的な事項全体を見直していく必要があるでしょう。

そこで以下では、こうした環境認識の中で、どのような人事労務管理が求められるのかについて、述べていきたいと思います。

若手人材の離職をいかに抑制するか

今回の連載は「“若年労働力減少時代”の人事賃金制度改革の実務」についてですが、構造的な労働力不足の環境の中で、 少しでも優良な人材を安定的に確保・育成するという視点で考えた場合には、人事賃金制度以前の問題に踏み込まざるを得ません。特に人材の採用が厳しさを増 す中では、既存の人材、中でも若手の人材の離職率を抑制することが急務となっています。

若手社員の離職率の高さが多くの企業で問題になっていますが、彼らが退職を決意する理由 には、様々なものがあります。退職者との面談を行うと、賃金の低さや人間関係、長時間労働など労働環境の悪さに関する課題が挙げられることが多いのです が、ここでは、それらと同等、もしくはそれ以上に重要な課題である、「先が見えない状態への不安」について触れることとしましょう。

社員の最大の不満・不安要因「先が見えない状態」

先が見えない状態の対象には、「会社」と「個人」という2つの要素があります。

まず会社ですが、よく聞かれるのは「社長や上司の言うことは朝令暮改で、どちらに向かっ ていけばよいのかわからない」であるとか、「会社がどうありたいと考えているのかわからない」というような不満の声です。社員が安心して職務に専念するた めには、何らかの形で会社のビジョンや方針が示され、組織内で共有されている状態が望まれます。「好きにしていいよ」という状態は、社員にとってはどこま で自由に行動してよいのかの限度がわからず、むしろ社員の動きを悪くします。

これを解消するためには、「会社はこうありたいと思っている」、「会社は社員のこういっ た行動を望んでいる」という会社の経営に関する基本的な考え方を様々な場面や仕組みを通じて社員に伝え、浸透させていくことによって、社員が行動するうえ での価値判断基準を共有することが求められています。それが共有できれば、結果的には組織と個人のベクトルを一致させ、社員の前向きな行動を引き出すこと ができます。

経営環境が目まぐるしく変わる状況ですから、5年先までの完璧な経営計画を策定するとい うことは不可能でしょう。だからといって、会社の考えを社員に伝えなくてよい理由にはなりません。不確実性が増している時代だからこそ、会社の芯となる考 え方を共有することが求められています。

若手社員を転職に駆り立てるキャリア不安

次に社員個人としての先が見えない状態ですが、こちらは「このままこの仕事を続けて大丈夫だろうか?」という不安感がその典型でしょう。

新入社員として入社し、勤続5年を経過。そろそろ仕事全体が理解でき、自らの判断でイレ ギュラーな業務にも対応できるようになってきた。上司としては、その成長を喜び、今後の活躍を期待するタイミングです。しかし、当の社員本人にしてみれ ば、ここからがキャリア不安の始まりとなります。新入社員からの5年間はガムシャラに頑張ってきたため、あまりキャリアについて考えることはなかったで しょう。しかし、仕事が落ち着き始め、周りが見えてくるようになると先ほどのような不安感が頭をもたげてきます。学生時代の友人の中にはそろそろ転職をす る者も出てきて、より具体的に自分のキャリアを考える場面も増加します。

大企業の場合であれば、充実した社員教育制度や定期的なローテーション制度によって、社 内でのキャリア形成というイメージも持ちやすいでしょうが、中小企業の場合には実質的にローテーションはほとんど行われません。結果、「このままだと、こ の仕事を定年まで続けることになるだろうな。自分は本当にそれでよいのだろうか」という不安が高まることとなります。特にいまの30代前半までの世代は、 学生時代に多くの大企業が破綻する現実を目の当たりにし、いわゆる就職氷河期に就職活動を行った年代であるため、自らの市場価値について過剰なまでに敏感 になっています。

また最近は、35歳が転職の上限年齢と言われることが多いため、キャリア志向が強い社員 ほど、この年齢が近づくと転職を焦って人材紹介会社に登録したり、「手に職をつけなければならない」と考え、資格取得に走ったりする傾向が見られます。会 社から見れば、やっと修行期間を終え、これから具体的な貢献をしてもらおうと考えている20代後半から30代前半の社員というのは、会社の思いとは裏腹 に、大きなキャリア不安を抱え、ちょっとしたことで社外に流出してしまうリスクを抱えているのです。

こうした若手人材の離職を抑制し、安定的な労働力の維持・メンテナンスを行っていくため には、当たり前のことですが、自社での個人キャリア形成の道筋を提示し、安心して自社で働いてもらえる環境を作ることが必要となります。かといって大企業 のようなキャリアパスを用意することは、中小企業では不可能ですから、中小企業でもできる範囲での対策を講じることとなります。

例えば、若手社員によるジュニアボード(社内の中堅クラスの社員で構成される疑似役員 会)を設置し、彼らの意見を経営に取り入れる経営参画の仕組みを用意したり、複数部門によるプロジェクト型の業務遂行ユニットを設け、狭くなりがちな視野 を広げたりするといった対応、もしくは小さなプロジェクトのリーダーをキャリアの早い段階で経験させることなどが考えられるでしょう。また、中小企業の特 性を活かし、社長が積極的に社員との接点を持ち、コミュニケーションを深める中で、彼らの考えを実現するための支援を行うということも有効です。

具体的な対策案としては様々なものがあるとは思いますが、いずれにしても、社員が自らの 担当業務に埋没し、キャリアの閉塞感を感じないように、常に知的な刺激を与えて、その目線を高くさせ、会社経営への参画意識や組織における自己有用感を感 じられるような環境を意識的に用意してやることが重要です。

上昇志向が弱い人材群の人事管理

ここまでは上昇志向が比較的高い人材のマネジメントについてお話ししましたが、すべての社員にこうした対策が有効かと 言えば、そうではありません。近年、「仕事はそこそこで」と考える人材群が相対的に増加しており、そうした上昇志向があまり高くない人材の新たなマネジメ ントを考えなければならない事案が増えています。

かつての人事制度は、そのすべてが社員の上昇志向を前提に考えられていたようなところが あります。職位職階制でも職能資格制度でも同じですが、社内に何らかのランクや階段を設けて、社員にその階段を上るように要求するというのが、その基本的 な考え方でした。例えば、職種別・等級別の昇格要件を定め、それをクリアし、昇格することで給与も増加する仕組みを用意し、「頑張って上を目指そう」とい うメッセージを社員に投げかけていたのです。しかし最近、どうもその仕組みだけでは、すべての社員に安心して頑張ってもらうことは難しいと感じる場面が増 えてきました。

基本的に経営者や管理者は高い上昇志向を持って、そういった階段を上ってきた人達です。 そして人事制度構築を支援する人事コンサルタントも、多くは上昇志向が強い人種。それらの人材が集まって人事制度の検討を行うとすれば、当然に「社員には 上昇志向がある」という前提で、制度設計を行うことになります。しかし、冷静に職場の状況を見てみると、決して社員の全員が強烈な上昇志向を持って、階段 を上っていこうと考えているわけではないことに気づかされます。むしろ最近は、上昇志向が弱い社員のほうがマジョリティーではないかと思うことが多くなっ ています。

以下で述べることは、まだまだ私の中で仮説ではありますが、本来的に大多数の人間は仕事 と生活のバランスを考え、自分に合った生き方を志向するものだと最近考えるようになりました。しかし、高度経済成長期を中心に、猛烈に働いて豊かな生活を 手に入れようとする社会的雰囲気が、それを抑圧し、誰もが上昇志向をもって働かなければならない状況に追い込まれていただけなのではないでしょうか。ここ 数年、「ワークライフバランス」が人事労務管理におけるキーワードになっていますが、わが国が豊かになり、生活における欠乏を感じない環境になってきて、 マジョリティーであるあまり上昇志向が強くない人々が、初めてその本質を素直に表現できるようになったではないかとさえ思えます。

ここで注意しなければならないのは、こういった上昇志向があまり強くない人材は、「でき ない社員」とは違うということです。確かに、彼らにはかつてのモーレツ社員のように、会社の命令に従って、次から次へと襲ってくる困難に立ち向かっていく というような逞しさはないかもしれません。しかし、自らの仕事に対するしっかりとした考えを持ち、それに基づいて良い仕事をしようと考えている社員がほと んどではないかと思います。積極的に役職に就き、組織を動かしていこうという行動は少ないかもしれませんが、地道ながらも確実に担当する仕事を進め、会社 の業務を支えてくれていることが多いはずです。

これに対し、上昇志向の塊であることが多い経営者や管理者がこうした社員を見ると、非常 に物足りなく思ってしまうことが多いようです。しかし、ここは仕事と生活に対する個人の考え方が多様化しているという事実を認め、彼ら・彼女らが安心して 実力を発揮できる環境を作ってやることが、組織としてのパワーを引き出すためには重要です。

ちなみに私自身も比較的上昇志向が強いほうだと自認していますが、かつては誰もが自分と 同じような考えを持っているだろうと考え、自分の理屈で強引に組織を引っ張ろうとしていました。結果は言うまでもなく、うまくいきませんでした。私の強引 なやり方についていけず、退職する社員も出てきました。そしてある意味でどん底の状態で初めて、自分がマジョリティーではないことに気づいたのです。彼 ら・彼女らは決して仕事ができないのでも、やる気がないのでもなく、そもそも仕事に対するスタンスが違うだけなのです。様々な考えを持った社員が職場の中 には混在しています。まずはその事実を認め、各社員がどのような考えを持って仕事に向かっているのかを理解することが重要であると、そのとき気づかされま した。

上昇志向が強くない人材のマネジメント問題については、まずは人事労務管理を行う経営者 や管理者のみなさんの意識変革が何よりも先決ですが、具体的な人事制度としては、社員の動機に合った仕事の設計を行うことができる仕組みの用意や職務設計 の支援をしてあげることが必要でしょう。例えば、フレックスタイム制など、より柔軟で個人が選択できる労働時間制度の採用や、年に1度程度のキャリア面談 による職務設計の見直し、そして職務内容に応じた賃金体系の明確化なども求められることでしょう。

まとめ

以上の通り、今回は過去10年間の人事制度の変遷と環境変化、そしてこれからの時代における人事マネジメントのうち、人事制度以前の諸問題についてお話させていただきました。次回は賃金制度改革のポイントについて取り上げたいと思います。

日本法令発行の『ビジネスガイド』は、1965年5月創刊の人事・労務を中心とした実務雑誌です。労働・社会保険、労働法などの法改正情報をいち早く提 供、また人事・ 賃金制度、最新労働裁判例やADR、公的年金・企業年金、税務、登記などの潮流や実務上の問題点についても最新かつ正確な情報をもとに解説しています。こ こでは、同誌の許可を得て、同誌2006年11月号の短期集中連載(全3回)「“若年労働力減少時代”の人事賃金制度改革の実務」の第1回を掲載します (第2回、第3回も随時掲載予定)。『ビジネスガイド』の詳細は日本法令ホームページへ。

【執筆者略歴】
●大津章敬(おおつ・あきのり)株式会社名南経営 人事労務部マネージャー 社会保険労務士。1993年社会保険労務士資格取得、94年早稲田大学法学部卒業、同年株式会社名南経営入社。94年に名南経営センターに入社以来、200社以上の中堅中小企業のコンサルティングを手がけている。著書に『強い会社を作る人事賃金制度改革』、『中小企業の退職金・適年制度改革実践マニュアル』(いずれも日本法令刊)などがある。各種金融機関、各地商工会議所はじめ全国で講演活動を行っており、98年からは社会保険労務士向け人事コンサルティング講座「人事あすなろ塾」の講師も務めている。

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東京都 放送・出版・映像・音響 2021/02/14

 

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