就業規則に則って解雇をする際に気をつけることを教えて下さい
初めて相談させていただきます。解雇という繊細な問題からご意見をお伺いしたく、こちらに書き込ませていただきました。
当社には解雇について、就業規則で下記のように定めた一文があります。
・服務規律を乱しまたは会社の業務運営を妨げもしくは会社に協力しないとき
今回この条件に当てはまる人物がおり、この一文を解雇事由として解雇を検討している次第です。
問題の人物は営業職。元々直行直帰、早退、休日出勤について個人で勝手に行っている事実が
複数回あり、上長を通して指導をお願いしていた社員となります。
主な流れは下記のとおりです。
①総務が業務に使う借上げ車両の距離精算報告書類のひな形を変更したが、
その記録することを当人が拒否。理由は「面倒だから」(本人が社内一斉メールにて公言)。
その後、メールにてその必要性についてやり取り→最終的に社長が直々に本人へ説明。
その際はやり方をもっと簡単にすることを検討してほしいと要望も伝えてきたが、
最終的には従う旨を社長の前で了承した。
②①の件から初めて迎えた、勤怠ならびに立替精算処理の書類提出日、社内新人研修中
(当人は講師として登壇)に①の件に不満を述べ、更に過去提出してきた勤怠や立替
精算処理関連の書類作成はすべて記録ではなく捏造していたことを、公言。
(複数名の新人は対面でそれを聞く)
そして私(総務管理職)はZoomにて間接的にその発言をリアルタイムで聞き、
途中から録音を開始。→録音できた部分ではっきり確認できるものは下記二点。
・今回書類は出さないこと。怒られるだけなら問題ないとの発言。
・こんな風にうまくやらないと、と新人に向けての発言。
③社長並びに役員に向けた問題報告を即日実行→直接の上長にも報告。
録音が取れなかった部分ではあるが、金銭と引き換えになる書類は記録ではなく
勝手に作成しているとはっきり述べていた部分は詐欺罪や横領にあたるといっても
過言でないでないと判断していること。
またそれを社内新人向け研修の最中に公言していることから、会社にとってはマイナスな
影響しか与えないため、解雇の方向で動きたい旨を通告。
直接の上長がせめて自分からはまず話をしたいとのことを社長も受け入れ、④を決定。
④当人から書類が提出→必要なものが揃っていないことから、基本給や固定給については
支給するが、それ以外のもの(交通費や車の立替費用)については保留とし、また
今回の件に関して追って連絡をするのでその沙汰を待つように指示。
⑤当人は激怒。(録音があること、また私が聞いていたことを当人は知らない)
説明もなしに支給されないのはあり得ないと仰り、他の人に訴え出るとのメールが来たため
重ねて書類不備による支給停止であること、けれど再三お願いとお知らせのやり取り後に
こういった書類不提出を行っていることから、書類を直せば支給されるといったレベルを
すでに超えていること、他の方々にも報告済みであることをお伝えし、重ねて待つよう
お伝えした。(←現在ここ)
私個人としては、社長直々の口頭注意(その後上長からも同じ文言を繰り返して頂いた)後、
実際に書類を提出せず、また複数回指導の後に②~④までの流れを経ていることから
就業規則の解雇要件に則り、解雇したいと考えているのですが、解雇が認められない
懸念事項はありますでしょうか?
面談を行うこと、またその際、まだお知らせしていない内容(録音や直接聞いていたこと)を
お伝えすることも視野に入れ、当人には穏便に解雇を受け入れていただきたいと考えています。
背景として危惧していることは、当人は新卒のころからこの会社で働いており、
十数年勤務→一度自己都合により退職。
今年の4月に社長自ら口説いて、営業職として再雇用をした経緯があります。
尚、書面でもまた口頭でも、一人を優遇するような条件、その他措置について
行った事実はありません。ですが、当人は自らを出戻りと称し、だからこそ自分の
言うことやることはすべて正しいと思っている言動や行動が見受けられます。
また記録の義務を怠っているにも関わらず、それでもお金をもらえるものと考えている
姿勢からも、あまり常識的な反応を得ることは難しいのではないかと考えています。
こういった背景や事情、物的証拠、状況証拠だけでは解雇は難しいでしょうか?
皆様のご意見をお伺いできれば幸いです。
投稿日:2020/11/27 00:09 ID:QA-0098586
- sakakiさん
- 長野県/その他業種(企業規模 31~50人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、文面内容を拝見する限りですと、この度の一件に限らず当人の度重なる非行はがあり、それに対する会社の措置も適切と思われますので、解雇処分は妥当と考えられます。むしろ遅きに失した感すらあるといってもよいでしょう。犯罪の捜査ではございませんので、確たる証拠までなくとも会社が就業規則の解雇事由に該当する状況と判断すれば解雇は可能といえます。
勿論、解雇問題につきましては更なる詳細経緯を踏まえた上での慎重な判断が必要ですので、出来れば直接弁護士等の専門家にご相談された上で対応される事をお勧めいたします。
投稿日:2020/11/27 10:19 ID:QA-0098601
相談者より
ご回答いただき、ありがとうございました。
顧問弁護士にも相談をして、最終的にどうすればいいのか動いていきたいと思います。ちなみに労働基準監督署にも事前相談に行ったところ、恐らく解雇予告除外は適応できるだろうとのことでしたので、必要な書類などを整えている所です。
色々とありがとうございました。
投稿日:2020/12/03 11:14 ID:QA-0098796大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
個別人事コンサルティング事案に相当する重い内容なので、掲示板では一般論だけを述べます。
ご提示状況であれば十分解雇事由に該当すると思われますが、それであっても解雇には慎重になるべきです。それは解雇を避けるという意味ではなく、懲戒を順番に進めるべきとの考えです。
まず上長、、ついには社長にまで理不尽なクレームを付けた点、また新人にも聞こえる場で不正行為を認めた点など、順番に懲戒規定に沿った処分を行います。本来はそれらがその時点でできていればより効率的でしたが、事実がなくなる訳ではありませんので、今からでも対処すべきでしょう。
このような問題人物であれば、それでも不服従や暴言があり得ますので、その懲戒時に二度と問題を起こさないなど誓約も取り、その上で書類不整備なども追求することになります。
いずれにしても自動的に一気に解雇ではなく、順番にていねいに証拠を集め、会社が万全の体制で慎重に進めることが必要です。
最後に、このような問題人物を採用してしまった社長の経営責任も問われるべきです。採用において、ここまで見る目がない人物が採用を決めてしまったガバナンスの無さは経営責任といえるでしょう。
投稿日:2020/11/27 11:08 ID:QA-0098611
相談者より
ご回答いただき、ありがとうございました。
確かに経営責任についても押さえておく必要がありますね……。参考にさせていただきます。
投稿日:2020/12/03 11:12 ID:QA-0098795大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
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ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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