主治医が就業可能としている場合の会社の安全配慮義務
いつも参考にさせて頂き有難うございます。
以前にも似た内容をご相談したのですが、
前回は給与、今回は休職指示の可否について
ということで再度ご相談致します。
弊社の社員で、毎月4日程度欠勤するものがおります。
弊社では原則として暦日1週間の欠勤時には
診断書を求めておりますが、上記のような断続的な欠勤については
特に診断書を求めていません。
同社員は、過去にメンタル疾患で長期で休職になったことがあり、
弊社としても注意して状況を見守ってきました。
今般、現場の状況を確認致しますと、
当日の朝に体調不良を原因として欠勤することが多く、
・現場の業務運営に大きな負担がかかっている
・始業直後に体調不良を訴えることも多く、
会社の安全配慮義務上も配慮が必要と考えられる
といった課題がございました。
ついては、
主治医の休職を要するような診断書を取り付けた上で
当社産業医と面談の上で休職を命じ、
回復を待ちたいところではありますが、
同社員の上司に確認したところ、
主治医は同社員について就業可能という見解であることが分かりました。
そこでご質問なのですが、主治医は勤務可能と判断している場合に
当社産業医の判断で休職を命じることにリスクはないでしょうか。
就業規則では、会社の安全配慮義務の観点から、
会社産業医が就業すべきではないと判断した場合には、
休職を指示できるとしております。
同社員自身が主治医の診断結果として、就業可能と報告している以上、
労働提供義務がある…という指導もやんわりと行っておりますが
過去の休職もあり、あまり強硬には指導できません。
一方で、社員には就業する権利はありますので、
一方的な休職指示も難しく、この点への配慮に苦慮しております。
どうぞ宜しくお願い致します。
投稿日:2016/08/31 09:54 ID:QA-0067238
- *****さん
- 京都府/繊維製品・アパレル・服飾(企業規模 3001~5000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、主治医が就業可能と判断している内容を明確にされることが重要といえます。
現実問題としまして毎月4日欠勤しているわけですから、その程度の欠勤は避けられない病状であるのか、それとも単に当人が怠業しているだけなのかを明確にされることが必要です。
対応としましては、まずは当人の許可を得て主治医と面談し、就業状況を伝えた上で現状をどのように判断されるか意見を聴かれるのがよいでしょう。
その上で、産業医にも相談し、最終的には医師ではなく会社の判断で休業可否を決められるといった流れになります。
尚、回復の見込みが立たず、今後も同様の状況が続くと考えられる場合ですと、休職期間満了による退職規定がなければ、一時しのぎの休職では解決につながりません。その際は、労働契約日数を減らすか、それも難しければ勤務不良を理由とした解雇も視野に入れざるを得ないものといえます。
投稿日:2016/08/31 10:29 ID:QA-0067239
相談者より
服部様
早速ご回答頂き有難うございました。
ご指摘の通りかと思います。
弊社では休職期間満了による退職を就業規則に定めており、休職となり復帰が難しければ、そういった方向で進めることにします。
投稿日:2016/09/01 14:32 ID:QA-0067256大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
診断書が万能ではない。会社側の関係責任者間でシッカリ検討を。
▼ 最も理解し難い点として、「人事部署が確認するまで、主治医の見解が、当該社員の部署長で留まっていた」という事実です。これだけの過去病歴と措置歴があり、現在も事態悪化中に、このような状況では、安全配慮義務も何もあったものではありません。
▼ 主治医には、本人説明以外に、労務内容、労働環境、労働負荷を判断することは困難です。ここは、御社産業医、人事部署長、本人所属長に、上位責任者による協議で、配置転換、時短、休職、退職勧告、それらの組合せ措置を検討することをお薦めします。
▼ 主治医診断と就労との関係は、産業医の判断によることになります。「就業可能と報告している以上、労働提供義務がある…という指導もやんわりと行っておりますが過去の休職もあり、あまり強硬には指導できない」、「指導もやんわりと」といった、あまりにも腰の引けた態度では、何も解決できません。
投稿日:2016/08/31 11:52 ID:QA-0067240
相談者より
川勝様
ご回答を頂き有難うございました。
ご指摘の通り、現場で断続的な欠勤状態を黙認してきた状況に問題がありました。
主治医には業務内容他を伝えた上で、意見を確認し進めたいと思います。
投稿日:2016/09/01 14:35 ID:QA-0067257大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
休職が可能かどうかは、その根拠となる休職規定にどのように記載してあるかによります。メンタル疾患が増えている昨今では、労務提供不完全を休職理由のひとつとしておくべきでしょう。
診断書提出についても、会社が必要とした場合にはとしておくべきでしょう。
さて、現在の規定では、産業医が判断した場合はとあるようですが、求職命令は、会社が判断すべきものです。ここも見直しが必要です。
上記事項はさておいても、
毎月、体調不良で欠勤とのことですから、これは、普通解雇事由に該当しききます。解雇規定も確認してください。
休職は解雇猶予措置ですから、本人とよく話し合うことも必要です。労働者には、自己保険義務がありますから、産業医にみてもらうことを判断材料とすることもよろしいと思います。
投稿日:2016/08/31 18:18 ID:QA-0067243
相談者より
小高様
広範囲のご回答を頂き有難うございました。
昨今では、社員の価値観の多様化に加えて、現場管理職の担当範囲の拡大もあり、かつてのようには丁寧にフォローが出来ておりません。
こうした現状を踏まえて、ご指摘の通り、規程の見直しを含めて考えていきたいと思います。
有難うございました。
投稿日:2016/09/01 14:38 ID:QA-0067259大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
休職
>安全配慮義務の観点から、会社産業医が就業すべきではないと判断した場合には、休職を指示できる
安全配慮義務と、産業医の判断で休職を命じるのは意味が異なります。あくまで休職は会社が判断し、命じるもので、産業医はその判断の参考とするものです。
現実に業務を任せられない以上、話し合って非常勤に勤務形態を変更する、無理なら退職するなど、根気強く本人と交渉する必要があるでしょう。重要な情報が隠れていたり、だらだらと欠勤が放置されたり、管理体制にも検討すべき点があるようにも見えます。勤務状態や面談記録などしっかり残しておかないと、会社側が不利になります。
投稿日:2016/09/01 00:38 ID:QA-0067247
相談者より
増沢様
ご回答有難うございました。
現場と人事で複数階層があり、連絡が上手くいっていないといった課題はご指摘の通りです。
社として統一の方向性をもって進めたいと思います。
投稿日:2016/09/02 12:02 ID:QA-0067270大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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