業績手当(歩合給)が標準報酬月額の範囲に含まれるか
いつも大変お世話になっております。
この度、弊社では給与規程の改訂が行われる動きがありそうで、解釈が間違っていないか
ご指摘いただきたく、相談させていただければと存じます。
<前提>
・賞与がなく、代わりに「業績手当」として2ヶ月に1回「歩合給」として支給している
・給与規程に上記の旨の記載有
・業績手当は概ね基本給の4ヶ月分÷6回
・業績手当支給月は1,3,5,7,9,11月
今後の動きとして、下記のようになりそうです。
・基本給を下げて、発生する差額を6ヶ月分まとめて年に2回業績手当に上乗せして支給する
(例)基本給:250,000円の社員なら、基本給を225,000円にして、差額の25,000円×6=150,000円を1月と7月の業績手当支給時に上乗せする(前払い)
・業績手当、時間外手当、退職金等の算定については元の基本給(245,000円)を基準とする
目的としては社会保険料の標準報酬月額の算定額を下げるためらしいのですが、
少し調べたところ、年4回以上の賞与は標準報酬月額の範囲内となる、とありました。
上層部の意見としては、弊社の「業績手当」は歩合給として支給しており、これは
標準報酬月額算定の範囲外だ、ということなのですが、本当にそうなのでしょうか。
私の認識では、賞与というカテゴリーでなくても、年4回以上の支給があり、その旨が
給与規程に記載されていれば、標準報酬月額算定の範囲内となると考えていたのですが
間違いでしょうか。
私の解釈が正しいようであれば、いくら基本給を引き下げても、差額を支給されれば
社会保険料の減額にはならないと思うのですがいかがでしょうか。
何分、不勉強ですので何か間違いがございましたらご教授いただければ幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
投稿日:2016/08/22 10:55 ID:QA-0067110
- しんまい人事さん
- 東京都/通信(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、ご認識の通り、年4回以上の支給があり、その旨が 給与規程に記載されていれば、原則として標準報酬月額算定の範囲内となります。
加えまして、御社の業績手当の支給内容からみますと、歩合給であるとは到底いえませんし、かつ明らかに社会保険料算定上の「報酬」に該当する事は明白といえます。
このような変更措置についてはやはりコンプライアンス上見直されるべきというのが私共の見解になります。ただ上層部が進めている事ですので、人事担当部署は勿論、他部署共連携されながら進言されることが必要といえるでしょう。
投稿日:2016/08/23 10:44 ID:QA-0067147
相談者より
ご回答ありがとうございます。
確認したところ、給与規程からこちらの業績手当の詳細については削除するつもりのようです。
となると、「報酬」の範囲外となるのでしょうか・・・。
上層部の認識は、たとえば7月以降にいくら「歩合給」を支給しても、4~6月の算定時期を外していれば標準報酬月額の範囲外だ、とのことなのですが、
この考えは合っているのでしょうか。
できれば上層部にこれを認識していただき、この動きを阻止したいというのが本音です。
投稿日:2016/08/23 11:16 ID:QA-0067151大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
ご返事下さいまして感謝しております。
「給与規程からこちらの業績手当の詳細については削除するつもりのようです。
となると、「報酬」の範囲外となるのでしょうか・・・。」
― 手当の詳細を削除しても実態が文面の内容である限り報酬に含めなければなりません。あくまで手当の支給内容の実態に沿って判断しなければなりません。またこうした目的の為に給与規定内容を曖昧にする等というのはもっての外であり、労働基準法における就業規則への必要事項記載義務違反を問われる可能性が高いといえます。
「上層部の認識は、たとえば7月以降にいくら「歩合給」を支給しても、4~6月の算定時期を外していれば標準報酬月額の範囲外だ、とのことなのですが、
この考えは合っているのでしょうか。」
― 4月から6月のみを手当支給月から外すという手法は明らかに脱法目的の行為といえますので避けるべきです。さらに、仮に算定時期から外れてもご周知の通り要件を満たせば随時改定の適用対象になります。
勿論最終的には御社内で判断し決定すべき事柄になりますが、こうしたコンプライアンス上問題をはらんだ措置については決してお勧めできませんし、どうしても上層部が動かないようであればお近くの労務関係に詳しい弁護士または社労士に直接ご相談された上で対応される事も視野に入れられるべきです。
投稿日:2016/08/23 12:17 ID:QA-0067156
相談者より
度々ご回答いただきましてありがとうございます。
やはり、算定時期をずらしても「報酬」と見做されますか。
自分の解釈があっているようで良かったです。
おっしゃる通りコンプライアンス上問題があるようでは、このまま進めていくのはどうしても抵抗があります。
問題を上層部に認識していただく必要があるので、
出来る限り情報を集めて阻止の方向に持っていきたいと思います。
確認の意味で重ねての質問で恐縮ですが、例えば下記の支給例1と2では標準報酬月額は変わらないという認識で合ってますでしょうか。
支給例1
基本給245,000円
業績手当1,3,5,7,9,11月に15万円ずつ支給
(合計額面 3,840,000円)
支給例2
基本給222,500円
業績手当1,3,5,7,9,11月に15万円ずつ支給
差額分 1,7月に135,000円ずつ支給
(合計額面 3,840,000円)
上記が合っているのなら、上層部の考え方は間違っておりますし、それで指摘できればいいのですが…
投稿日:2016/08/23 14:03 ID:QA-0067159大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
ご返事下さいまして感謝しております。
ご質問の件ですが、当初からの回答の通り、標準報酬月額が下がる事にはならないものといえます。
勿論、行政がどこまで手当の実態をチェック出来るかは不明ですが、いずれにしましてもダメなものはダメとしかいいようがありません。
あとは御社内部での問題であって、こちらで議論を重ねるよりは社内で早速討議を始められる事が重要です。また、回答内容についても私の判断に過ぎませんので、御社側でも十分議論の上、大きな問題となる前に出来れば直接労務の専門家にご相談されるべきです。
投稿日:2016/08/23 19:54 ID:QA-0067164
相談者より
度々のご回答ありがとうございました。
何とかこの動きを阻止できるよう動いてまいります。
投稿日:2016/08/24 09:22 ID:QA-0067166大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
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ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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