57歳到達者の賃金カット
当社では、20年程前に定年を57歳から60歳に延長した際に、57~60歳(管理職含む全員)までの賃金は、56歳時の年収の75%としています。その方法として賞与全額カット、一部手当のカットにて処理をしています。(計算の過程で月収は増える場合もあります。)
就業規則には、57歳を超えた者については、56歳以下と支給対象項目が違うこと、賞与は支給しないこととして記載し、労働者代表者(労働組合はありません)の意見書を添付のうえ、労基署にも届出し受理されています。
労働者代表者の意見書をもらい、同意のうえ労基署にも届け受理されているので、問題はないかと思っていますが、一部社員から賃金の未払い(不利益変更)に当たるのではないかとの質問がありました。
法的に問題はないでしょうか。もし問題があるとしたならば、どのような対応をすればよいでしょうか。
投稿日:2015/11/17 12:30 ID:QA-0064190
- SSOさん
- 東京都/運輸・倉庫・輸送(企業規模 101~300人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
「不利益変更」や「賃金未払」というのは理解できない
▼ 現行の定年(60才)制度自体は、20年も前に、所定の手続きに沿って、改訂、導入、問題なく実施されてきた制度で、現時点になって「不利益変更」ではないかとの質問は、全く、理解できませんね。又、「賃金の未払」は、事実なら、重大な違法行為ですが、本質問に関する限り、イメージが湧きません。何か、別件でもあるのですかね。
▼ 「法的に問題はないか」とのご質問ですが、60才定年を据え置く場合には、高年齢者雇用安定法により、65才までの雇用機会確保のための継続雇用制度を設ける義務はありますが、これも法に沿って導入されていれば、ご相談の事案には当て嵌まりません。
投稿日:2015/11/18 12:02 ID:QA-0064198
プロフェッショナルからの回答
定年延長に伴う賃金減額
20年前の改定ですので、
変更については、今さら、不利益変更ということではないと思いますが、
社員の言い分も聞いてみて、それに対して、説明することは必要と思います。
ちなみに、意見書は、あくまで就業規則に添付する従業員代表の意見ですので、同意書とはなりません。仮に不利益変更の同意書ということであれば、個別に同意を取る必要があります。
同様な判例としては、第四銀行事件があります。
このときは、賃金減額には合理性があるとされましたが、
あくまで、個別案件ごとに、総合的に判断されます。
合理性の有無は、以下、参考にして下さい。
「合理性の有無は、具体的には、就業規則の変更によって労働者が被る不利益の程度、
使用者側の変更の必要性の内容・程度、変更後の就業規則の内容自体の相当性、
代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況、労働組合等との交渉の経緯、
他の労働組合又は他の従業員の対応、同種事項に関する我が国社会における一般的状況
等を総合考慮して判断すべきである」
投稿日:2015/11/18 12:58 ID:QA-0064200
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、当該就業規則が労働基準法に基づき入社時点において従業員にも周知されているという事でしたら、就業規則の内容は既存の労働条件として認められますので不利益変更には該当しません。また、このような事前に内容の定めがある給与減額自体にも原則として違法性はございません。
恐らく20年程前の変更ですので問題はないものと思われますが、万一変更後の就業規則が見えない場所に保管されたまま等で周知がなされていない場合ですと、監督署へ届出がある場合でも就業規則の内容は無効となりますので注意が必要です。
投稿日:2015/11/19 19:44 ID:QA-0064212
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