行方不明者の取扱い
いつもお世話になります。
現在、就業規則を見直しているのですが、行方不明者の取扱いについてご相談がございます。現在、就業規則の“退職”の項目に「行方が不明となり、連絡が取れなくなり30日が経過した場合で、解雇手続きをとらないとき」と定めています。しかしながら、やむを得ない事情により連絡がとれない場合については、何も定めておりません。
他社の就業規則などをみると「従業員が無断欠勤連続14労働日に及んだときは、その最終日をもって自己都合退職したものとみなす。ただし、会社への連絡が病気その他別の事情でやむを得ずできなかったと会社が認めたときは取り消すことがある」と定めている例もありました。
基本的には30日も経過してから行方不明者が現れることはないとは思いますが、万が一そのようなケースが発生することを想定して、同様の文言を加えた方が宜しいのでしょうか。また、加える場合、どのような文言が適切でしょうか。ご教授いただきますようお願い申し上げます。
また、30日が経過して様々な退職手続きを終了した後に50日程経過して本人が現れた場合、退職手続きは既に終了しておりますので、再入社という扱いになるのでしょうか。ご回答の程お願い申し上げます。
投稿日:2014/07/11 23:18 ID:QA-0059580
- 次朗さん
- 愛知県/機械(企業規模 1001~3000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
無断欠勤に対する取扱い
現在の定め自体は、 《 「 (本人が ) 30日以上の無断欠勤 」 x 「 ( 会社が ) 解雇手続きをとらない 」 ⇒ 自然退職 》 という構図で、 些か、 多数の一般事例からかけ離れた違和感のある内容ですね。 無断欠勤は行為であり、 事由は原因です。 前者は、 客観的、 且つ、 明確に認識できますが、 後者は、 推測の世界です。 推測 ( 病気かな、 事故かな、自 分の意思で失踪したのかな、そ の他連絡が出来ない様な事態が発生しのかな、 等々 ) を限りなく膨らませて規則に盛り込むことは、 規則を冗長化し、 余り役に立たないのみならず、 記載されているが故に、 不必要な事態に発展する契機にもなり得ます。 お勧めとしては、 「 従業員が無断欠勤連続14労働日に及んだときは原則として解雇 」 とし、 解雇後、 出社、 継続雇用を希望した場合には、 無断欠勤に至った事由聴取を含め、 その都度、 会社として決定されることです。 雇用再開の場合は、 社会・労働保険も含め、 退職手続きが完了しているので、 当然再度雇用ということになります。 尚、 行政通達では就業規則の規定によっては2週間以上の無断欠勤は解雇できるとしているいますが、 実務上は、 即時解雇は後日トラブルになる可能性もありますので、 通知を内容証明郵便で送るなどの手続きが必要です。 また、 労働条件の不利益変更に該当するかも知れませんので、 チェックと対応措置の検討も必要です。
投稿日:2014/07/12 11:23 ID:QA-0059581
相談者より
ご回答ありがとうございます。
投稿日:2014/07/16 08:38 ID:QA-0059628参考になった
プロフェッショナルからの回答
行方不明者の取扱いについて
まず、会社として、退職の種類を決める必要があります。自己都合退職とみなすのか、自動退職
なのか、解雇とするのかです。解雇とした場合には、解雇不当などの問題が出てきますので、
解雇以外をお勧めします。
ただし書きにについては、犯罪に巻き込まれたり、急な入院で、長期間意識不明などを想定していると思いますが、不要と思います。レアケースでもあり、労務不能にはかわりありませんし、
ご質問のように混乱を招く恐れがるからです。原則、退職でよろしいのではないでしょうか。
また、例外は従業員にとって不利益ではありませんので、例外の事例が出た時に、そして
それが他の従業員にとっても納得のいくものであれば、その例外を認めるとともに就業規則に
追加記載してもよろしいでしょう。
あえてあらかじめ記載するのであれば、質問の文例でよろしいのではないでしょうか。
投稿日:2014/07/13 10:52 ID:QA-0059582
相談者より
ご回答ありがとうございます。
参考にさせていただきます。
投稿日:2014/07/16 08:40 ID:QA-0059629大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、現行規定でも14日が30日に延びるだけですので、特に大きな問題があるというわけではございません。
また、「やむを得ず」の件ですが、非常にレアなケースですし、仮に定めが無くとも復職を認める事は可能(むしろ当然に復職させるべき)ですので、必ずしも定めを置く必要性はないものといえるでしょう。
しかしながら、万一の際に備え従業員に安心感を与えるという主旨であれば、定めを置かれてもよいでしょう。仮に退職手続に関しまして事情が異なる事が明らかになれば、退職自体の有効性が無くなりますので再入社ではなく退職の取消とされるのが通常の取扱いといえます。
投稿日:2014/07/13 23:17 ID:QA-0059587
相談者より
ご回答ありがとうございます。
再度検討してみます。
投稿日:2014/07/16 08:41 ID:QA-0059630大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
一つ目の質問ですが、就業規則の内容は一般的なものに留めておくことがよろしいかと思います。ご質問にありますやむを得ない事情などレアなケースなどは運用細則の中などに持っておくようにしたらいかがでしょうか。二つ目の質問ですが、文言を追加するということであれば自動(自然)退職条項を追加してみてはいかがでしょうか。たとえば「従業員が無断で出勤しなくなり、所在までもが不明となり、その期間が継続して14日以上に達したとき退職」のような表現もあります。古い通達ですが、無断で2週間欠勤すると労働者の意思で退職したと取り扱ってもいい(基発513号 昭和23.3.31)という見解も出されております。その無断欠勤がその従業員の解約申し入れの意思表示であると認められる場合には、解雇には当たらないということです。ただ、従業員とのコミュニケーション不足から労務上のトラブルに発展することもございます。まずは電話やメールなどで本人へ連絡を取ったり、場合によってはご両親などからも連絡を取ってもらうなどの措置をとるのがよろしいかと思います。それでも連絡が取れない場合は、最終的に公示送達の手続きとなります。三つ目の質問ですが、「事実上の退職手続き」で済ませた場合は、その手続きは無効ですので、この退職手続きを撤回し、社会保険等の手続きを再度行う必要があります
投稿日:2014/07/16 01:09 ID:QA-0059627
相談者より
ご回答ありがとうございます。
大変参考になりました。
投稿日:2014/07/16 08:42 ID:QA-0059631大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
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