結婚で勤務地が遠方になり、新幹線通勤が余儀なくされます。
お世話になっております。
会員登録させていただき、初めて相談させていただきます。
よろしくお願いいたします。
昨年入社の女性社員が、「このたび結婚する事になりました。住居は岡山県になります。岡山の支社に転勤は出来ませんでしょうか?」と申し出てきました。
弊社は岡山にも支社があるのですが、少人数(4~5名)の支社でとても人員を増やす事は出来ません。
女性社員は、「最悪、岡山支社に転勤できないのであれば、新幹線で通勤します。」と1時間40分かけて通勤する覚悟です。
新幹線通勤定期代は、1ヵ月13万円ほどになります。
弊社の社内規定では、通勤交通費全額支給となっております。
ここで質問です。
1ヵ月13万円の通勤交通費はとても払えませんので、出来れば女性社員に退職してもらえないか、と考えています。
それでも女性社員が、「どうしても辞めたくない、通勤します。」といってきた場合、どのように対応するのが適切でしょうか?
・社内規定があるので13万円の通勤交通費を払わないといけない。
・社内規定を変更し(例えば通勤交通費上限7万円)残りは自腹で通勤してもらう。
・女性社員と折り合いのつく金額(現状の通勤交通費など)で話し合い、残りは自腹で通勤してもらう。
・全社員の中で通勤交通費が一番高い社員と同額を支給し、残りは自腹で通勤してもらう。
・1ヵ月13万円は払えないと正直に伝え、解雇する(この場合不当解雇にならないか?)
など
お手数をおかけいたしますが、ご回答よろしくお願いいたします。
投稿日:2014/02/13 11:23 ID:QA-0057734
- だいちゃんⅡさん
- 大阪府/情報処理・ソフトウェア(企業規模 51~100人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
一定の上限を設けた上で、 雇用継続するのが現実的
住居及び移転の自由は、 憲法第22条で保証されています。 又、労働者の自由意思による転居により、 雇用契約に基づく労働提供ができなくなれば、 使用者は契約を解除することができます ( 労働契約法6条、 民法第543条 )。 然し、 労働提供が不可能になる 「 遠距離通勤 」 には法的定義があるわけでもなく、 具体的な社会的コンセンサスが確立してわけでもありません。 他方、 会社と社員間のルールブックである就業規則 ( 社内規定 )には、 格別の条件も付さず 「 通勤交通費全額支給 」 となっているようなので、 会社の一方的判断で不支給、 或いは、 減額支給することはできません。 然し本人が、 「 遠距離通勤によって、 健康維持、 業務遂行に問題はない 」 と主張するのであれば、 一定の上限を設けた上で、 雇用継続するのが現実的でしょう。 但し、 上限額の設定は、 他の社員の既得額を下回らない範囲で行うこと、 今後、 全社ルール化するため、 関連規則 ( 就業規則や付属の賃金規程 ) を改訂しておくことが必要です。 就業規則の改訂には、 従業員代表の意見書取得、 届出、 前社員への周知などが必要ですが、 詳細は割愛致します。
投稿日:2014/02/13 12:31 ID:QA-0057735
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
一定の上限を設けた上で、 雇用継続するのが現実的 P2
前回答、 最終段 「 前社員 」 は、 「 全社員 」 の誤記です。 失礼しました。
投稿日:2014/02/13 12:53 ID:QA-0057736
相談者より
早速のご回答ありがとうございます。
もう一点だけ確認ですが、
1時間40分ほどの通勤時間で、それを理由に解雇は出来ない。解雇すると不当解雇になるということで考えておいてよろしいでしょうか?
投稿日:2014/02/13 13:13 ID:QA-0057737大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
一定の上限を設けた上で、 雇用継続するのが現実的―P3
就業場所までの移動 ( つまり通勤 ) は、 労働債務を提供する社員側の責任です。 その通勤時間が、 何時間以上なら、 労務提供不能 ( 債務不履行 ) と決めつけて、 使用者が、 一方的に労働契約を解除 ( 解雇 ) することはできません。 既に、 説明致しましたように、 何時間以上なら通勤不可能といった具体的な定めがある訳でなく、 婚姻という私的理由での遠距離通勤に対して、 経営上無理をして、 転勤させる義務もありません。 従って、 「1時間40分ほどの通勤時間理由とする解雇 」 が、不当解雇かどうかは、 全く個別事案毎に判断されることになります。
投稿日:2014/02/13 20:56 ID:QA-0057741
プロフェッショナルからの回答
通勤手当について
1.交通費全額支給だから、新幹線通勤を認めなくてはならないということではありません。
であるならば、飛行機通勤も認めざるを得ないということになります。規定化してないのは、
想定外のことが起きたというのも要因の一つでしょう。今回の件を契機に新幹線通勤を認めるのか、認めるとすればどのようなケースか会社で検討し、就業規則を変更して周知することです。
不利益変更となりますが、合理性があれば問題はありまません。
今まで例がなく想定外、社員の個人的理由による引っ越しということであれば、さほど問題があるとは思えません。
ポイントはあくまで会社が許可するということです。
2.解雇はする必要はありませんし、リスクがありますので、避けるべきです。今後のことも
あるし、新幹線通勤は認めないとし、本人の判断にゆだねるか、話し合う余地があれば、
妥協点を模索することです。
投稿日:2014/02/13 21:28 ID:QA-0057742
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御相談の件ですが、通勤費の支給に関しましては法令で定められているものではございませんので、会社の就業規則の規定に従って支給有無や方法・金額等を判断することになります。
通常であれば原則通勤費全額支給であっても上限を設けたり利用手段に制限を設けたりしているはずですが、御社では上限が無い全額支給ということですので、原則としましては1ヶ月13万円の支給を求められても仕方が無いでしょう。今から規則変更しても明白な事後変更である為会社側の意思だけで適用する事は出来ません。
但し、文面のような社員側の主張は社会通念上疑問を禁じざるを得ませんので、まずは全面受け入れをされるのではなく、当人と相談され妥協できる範囲内での支給で決着されるのが妥当といえるでしょう。
恐らく女性社員は御社の通勤費規定不備を知っていてこのような厳しい要求に出たものと考えられます。法的な知恵を付けてきているようにも思いますので、話し合いでも思いがけない要求や会社の問題点等を指摘されて対応に苦慮する場面も無いとは言い切れません。まして、御社側から先に退職を要求する等というのは、格好の攻撃材料となりますので持っての外です。
従いまして、御社側でも労働問題に精通した弁護士に相談されるのが賢明です。出来れば立会いの上で話し合いを行う等慎重に対応される事をお勧めいたします。或いは、低コストで抑えたい場合ですと、労働基準監督署へ行かれて無料のあっせん手続きを利用するのもよいでしょう。中立的な専門家であるあっせん委員であれば、適切な妥協案を示される可能性は高いといえます。
投稿日:2014/02/13 23:06 ID:QA-0057743
プロフェッショナルからの回答
二段階
まず就業規則で通勤手当の上限を設けなかった責は会社にありますので、通勤費について支給は必要です。ただし新幹線特急料金まで出すことを求めるものではないので、普通運賃で交渉してはどうでしょう。早急に規則改定を行い、こうした十分想定し得る事態への対処はただちに取り組む必要があります。
次に遠距離を理由とした解雇は無理です。遠距離であることと業務遂行に何ら合理的理由がありません。もちろん実態として毎日往復4時間もかかったりすれば通常は業務に支障が出るでしょうが、会社が懲戒できるのは「支障のある勤務実態」であって、その原因は個人の自由です。このようなやっかいな社員を強引に退職に追い込むのは、きわめてリスキーでお勧めしません。基本は話し合いで、その上で体制を整えつつ、対処を進めるべきでしょう。
投稿日:2014/02/13 23:38 ID:QA-0057745
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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