退職勧奨に関する制限の有無
お世話になります。研修準備で左肩の腱を痛めて肘が上がりにくくなり、労災扱いで通院をしている社員がおります。実は会社の業績不振でリストラのターゲットとして彼を退職勧奨できないかという意見が社長から出てきております。解雇に関しては労働基準法第19条の制限があるのは知っておりますが、労災で通院はしているものの通常勤務できている社員に対する退職勧奨を制限するような規定はございませんでしょうか?そのような制限が無ければ心おきなく通院していようが気にせず退職勧奨に着手できるのですが、アドバイスを宜しくお願い致します。
投稿日:2013/11/13 21:34 ID:QA-0056841
- supersalarymanさん
- 東京都/輸送機器・自動車(企業規模 51~100人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
退職勧奨の対象とすべき法的、 合理的事由は見当たらない
退職勧奨は、 企業側からの合意解約の申込みですから、 通常、 その行為自体は違法とはなりません。 然し、 実際には、 ご説明の様に、 解雇の前段階であることが多く、 そのためには、 解雇に必要な手順に準じた進め方が必要になります。 解雇制限の法遵守は当然のこと、 勧奨事由、 対象者選定などの合理性、 就業規則における明記など、 解雇に必要な手順を視野にいれて対応することが必要です。 ご説明によると、 対象の社員は、 法19条の対象者であり、 勤務も支障なくこなしているとのことなので、 退職勧奨の対象とすべき法的、 合理的事由は全く見当たりません。 何か、 特別な理由があるのでしょうか。
投稿日:2013/11/14 11:17 ID:QA-0056845
相談者より
ご回答いただき、ありがとうございます。いわゆるローパフォーマーという見方をされているのでターゲットになっております。
投稿日:2013/11/14 23:54 ID:QA-0056864参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
労働基準法第19条の解雇制限ですが、「労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間」と定められています。従いまして、休業していなければ退職勧奨は勿論、解雇制限にもかかりません。
しかしながら、整理解雇の場合ですと、こうした法規定とは別に判例上で確立された4要件(解雇の必要性・解雇回避の努力・人選の合理性・労使間での真摯な協議)を満たす事が原則として求められます。
勿論、退職勧奨であれば解雇ではない為4要件は必要ないですが、その場合でも解雇と同様の「退職強要」と受け止められないよう注意しなければなりません。具体的には、長時間に及ぶ面談や執拗な勧奨の反復、或いは退職以外に選択肢がないかのような言い回しは避け、あくまで当人にとってのメリットも伝えた上で最終的には当人の自発的な意思による判断を求められることが重要といえます。
投稿日:2013/11/14 14:50 ID:QA-0056849
相談者より
ご回答いただき、ありがとうございます。参考にさせていただきます。
投稿日:2013/11/14 23:56 ID:QA-0056865参考になった
プロフェッショナルからの回答
退職勧奨について
業務上の怪我について、解雇は制限されていますが、退職勧奨は解雇ではありませんので、
法違反とはなりません。
ですから、退職勧奨したが本人が拒否した場合には、解雇はできませんし、
退職勧奨について、退職を強要することは実質、解雇ととられますので、
避ける必要があります。
投稿日:2013/11/14 16:25 ID:QA-0056855
相談者より
ご回答いただき、ありがとうございます。ストレートな回答に感謝いたします。
投稿日:2013/11/14 23:58 ID:QA-0056866大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
リスク
退職勧奨自体は合法でも、当人からすれば納得いかない場合など、事態のエスカレーションが考えられます。社長がそうおっしゃる根拠が重要で、著しい業績不良などの客観的証拠がある場合以外は、むしろ避ける方がリスク回避になるように感じます。あまりたいした根拠もなくターゲットを選んでいるようであれば、それh非常に危険ですので、解雇の4条件等を十分検討された上で、総合的な人員配置、人事政策を立てられることが優先と思います。
投稿日:2013/11/14 23:40 ID:QA-0056863
相談者より
ご回答いただき、ありがとうございます。ありがちなパターンですが、個人的好き嫌いによる判定の域を出ませんので、慎重に対応いたします。
投稿日:2013/11/14 23:59 ID:QA-0056867参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
試用期間中と期間後の退職勧奨 試用期間中の退職勧奨と、試用期間... [2022/11/11]
-
退職勧奨の面接について 弊社は50名弱の会社です。近々社... [2009/05/26]
-
翌日に跨ぐ勤務時間について 基本的な質問になるかと思いますが... [2005/11/10]
-
退職勧奨と解雇の違い 解雇の場合は1ヶ月前に告知、1ヶ... [2010/07/13]
-
退職勧奨について 基本的な質問で恐縮ですが、以下の... [2014/03/14]
-
退職勧奨と「退職願」 退職勧奨と退職願についてご教示く... [2010/04/20]
-
退職勧奨と解雇 退職勧奨を行う基準につき、お伺い... [2019/04/03]
-
解雇制限取扱について 解雇制限について確認したい事項が... [2007/03/14]
-
退職勧奨、整理解雇での規程の必要性 就業規則では現在、「会社はやむを... [2011/10/31]
-
無断欠勤で連絡がとれない社員について 無断欠勤を続けており、電話にも出... [2021/06/15]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
勤務間インターバルの規定例
勤務間インターバル制度を就業規則に規定するための例です。
テーマ別研修の目的・テーマ例・留意事項
事業展開と課題から必要な研修テーマを決定します。テーマには「グローバル研修/コンプライアンス研修/リーダシップ研修/ダイバーシティ研修」などがあります。
ここでは、研修テーマの設定、テーマ研修例の解説、研修の運営上の留意事項などを盛り込み整理しました。
社内研修広報
社内で研修を行う際に通知するための文面例です。
セクハラ防止規定(モデル規定)
セクハラ防止に関するモデル規定です。禁止する行為と、懲戒処分の程度を含んでいます。