就業中(時間外、休日出勤)にプログ投稿
当社の事務系の男子社員が、昨年の3月以降、就業中(時間外、休日出勤)に全く私的なプログを作成していたことが判明しました。午前8時30分から20時の間にプログを運営するサイトに投稿した回数は115回に及びます。(このことはプログを解析して分かりました。)
今回のような場合、その社員に対し、記事を作成するに要すると思われる時間を一回につき60分とし、その分の給与を弁済させることは可能でしょうか。(毎回長い記事を投稿しています。)
また、懲戒として出勤停止2週間程度を考えていますが、諭旨免職、あるいは解雇は可能でしょうか。当社員の責任は当然として、その上司の管理監督責任としてどの程度までの懲戒が可能でしょうか。
投稿日:2006/07/28 11:14 ID:QA-0005568
- *****さん
- 東京都/商社(専門)(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
全く違う視点ですが・・・
「仕事で成果をだす」ことが重要だということが日本でもあたりまえの世の中になってきました。「時間」に対して給与を支払うのではなく、「よい仕事」に対して給与が支払われるというのが一般的になってきたようです。今回のご相談の場合には、まだ、「時間」に対して給与を支払う賃金制度であるための問題のような気がします。また、「企業文化」として、「公私混同しない」というような「価値観の共有」ができていれば、おこらない問題だとも思われます。「社員教育」「評価制度」「賃金制度」により、社員の「仕事の成果」「望ましい行動パターン」などを明確にしておかないと、再発するのではないでしょうか。
投稿日:2006/07/28 11:52 ID:QA-0005569
プロフェッショナルからの回答
- 佐藤 貴則
- 株式会社エスティワークス 代表取締役 特定社会保険労務士
賃金控除について
御社の就業規則上で、怠業によるノーワークの客観的事実が明らかになり、本人もそれを認めた場合には、その部分についてノーワークノーペイとして賃金控除する、ということが明確になっているのであれば賃金控除は可能だと思います。
そうした規定が無い場合は、労働とは監督者の指揮命令下におかれていることが前提である以上、一定の拘束はされているわけであり本件のように圧倒的に本人に非があるとしても、ただちに賃金控除できるかどうかは微妙なところだと思います。
それ以外では制裁を下すか損害賠償をするかということになります。
制裁に関しては全て御社の就業規則の規程によります。労働法上の制限は以下の通りです。
①制裁としての賃金カットについて
「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。」とされています。
従って、制裁として処理するのであれば、減給はこの範囲で行うことになります。
②懲戒処分について
懲戒処分については、懲戒処分規程においてどのように規程されているかによります。今回の行為は一般的には「重大な服務規律違反」として処分対象とすることになると思いますが、御社の規程に照らして判断してください。
ただし、懲戒解雇にする場合は、客観的合理性、社会的相当の見地から被処分者と処分対象行為を多角的に判断する必要があります。具体的には、これまでの処分実績、指導履歴や、当人の会社への貢献度との均衡、年齢、再就職の可能性、他の事例との均衡などが上げられます。
なお、監督者に関する連帯責任を問う場合にも就業規則上の処分規程は必要です。
ちなみに前段の労基法の減給制裁の制限は、就業規則に定める制裁としての制限であり、御社が労務提供に関する債務不履行を理由に少額訴訟を起こすということであれば制裁制限には抵触しないと思います。
ただ会社が社員に請求訴訟を起こすということは労働環境への影響としては好ましくないので段階的制裁を踏んでいくことが妥当な線かと思います。
投稿日:2006/07/28 12:30 ID:QA-0005570
相談者より
投稿日:2006/07/28 12:30 ID:QA-0032324参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
業務外のサイトアクセス
■ネット株や外為取引、更に、製薬会社社員のドラッグ掲示板への書込み、自動車会社の社員の暴走族サイトでの発言、電力会社社員の原発反対サイトへの参加などによる企業信用の失墜問題に対する企業防衛は、ネット環境のオープン化、提供されるサービス範囲の拡大、高機能化、低廉化によって難しくなる一方です。今回のご相談のケースも新しい形の人事上の課題を提起しています。
■職員が私物PCを使って校内LAN経由で株取引サイトへアクセスし、接続時間が、延べ917時間にも及んでいた事例で、県教委が、停職6カ月の処分と、この917時間を欠勤時間として扱い、約280万円の給与の返還も求めたケースがあります。このように、構内LANの使用や、執務時間中のアクセス履歴や時間帯把握が簡単なケースに対しては、殆んどの大手企業は対応を済ませています。中小企業でも、その気になれば可能でしょう。
■然し、大手企業といえども、社員の行動を把握できない携帯電話メールを使ったネットへのアクセスへの対処に悩んでいるようです。就業時間外、休憩時間中、休日、休暇日などに、会社の機器やネット環境を使用せずに行われるネットアクセスでは、アクセス先のコントロールが効かず、履歴把握もできないのでお手上げです。
■もちろん、社員がネット上でどのような発言をするかは基本的には自由であり、とりわけ、会社の外での発言を制約することはできません。しかしながら、社員としての自覚を欠く行為が会社に損害を与えたのであれば、それは十分に懲戒処分などの対象となるでしょう。重きに失してはいけませんが、このような行為が発覚した場合に、しかるべき処分が行えるよう、就業規則類を整備するとともに、現実にも厳正な対応を取ることが必要です。
■今回のケースでは、賃金カット、諭旨免職や解雇などの懲戒、上司の管理監督責任などをお考えのようですが、どのような措置を講ずるにしても、まず御社内において、上記情報をご参考に、考え方(基本方針)の整理、服務規律・禁止行動・懲戒事由と程度・管理者義務などにつき、就業規則として文書化し、且つ全社員に周知徹底することが絶対条件だと思います。今回にケースには即応できないかも知れませんが、先ずは正攻法ステップを採られることをお勧め致します。
投稿日:2006/08/01 13:34 ID:QA-0005607
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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