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職種別採用と「通常の業務」について

弊社は、新卒、中途ともに「プログラマ」「Webデザイナー」「営業」などの職種別採用を中心に行っている会社です。
(入社後、職種を変更する場合も、まれですがあります)

怪我や疾病により「通常の業務」が遂行できるまでに回復していない場合、休職復帰を拒否したり、もしくは雇用契約解除をする理由となり得ると思いますが、ただ通常の場合は他の正社員が従事している他の職務への変更などを行うのが前提であり、それなしに解雇などは出来ないと認識しています。

弊社のような職種別採用の場合、その職種の業務が出来ない(例えば「IT機材管理」の募集で入った社員が、腰痛のため機材運び等が出来なくなる)ことが、「通常の業務」が履行できない=解雇事由となり得るのでしょうか?

契約社員などですと、その職種限定と認識されますが、正社員となるとやはり上記のように他の職務への変更を図るのが筋かと考えていますし、また会社としてもその姿勢で対応することが、長い目で見た経営上は望ましいと思います。
しかしながら会社の状況が悪い、もしくは社員が職種変更を拒否して今までの職種を続けようとする(結果として、「通常の業務」が出来ているとは言えない)と、上記理由で解雇などの対応を取らざるをえないかと思います。

このような時の対応の指針や事例などがあれば、いただければと思います。

投稿日:2010/08/04 15:11 ID:QA-0022159

*****さん
東京都/情報処理・ソフトウェア(企業規模 101~300人)

この相談に関連するQ&A

プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答5

プロフェッショナルからの回答

川勝 民雄
川勝 民雄
川勝研究所 代表者

解雇権濫用の法理の壁は厚いが、後を引かない解決の検討を

■ 極めてバリアーの高い専門職種だけに、一般業務への転換は、本人の同意、会社側のコスト、両面において極めて厳しい状況にあると拝察します。解雇などの対応しか選択肢がないと判断されるところまで進んでいるのですね。

■ 解雇というのは、労働者にとって重大な事柄で、極めて多数の係争事例があるのはご存知の通りです。平成19年12月に公布された、「労働契約法」では、最高裁判決で確立していた、いわゆる、解雇権濫用法理を法定化しました(第16条)。

■ 解雇権濫用の法理とは、「 合理的かつ論理的な理由が存在しなければ解雇できない 」 というもので、理由存在の立証責任は、解雇する側にあります。解雇の合理性について言えば、次のような要素があります。

 ① 傷病等による労働能力の喪失・低下
 ② 労働者の能力不足・適格性の欠如
 ③ 労働者の非違行為
 ④ 使用者の業績悪化等の経営上の理由

■ ご相談の事例では、主として、① の私傷病事由に加え、副次的に、④ 職種転換させる経営余力不足が、合理性の要素になるかとも思いますが、いずれにしても、厳しい対応となりそうです。疾病の回復見通し、処遇変更も含めた他の職務への変更の可能性、解雇に関する経済的条件の引上げなどを幅広く検討され、後を引かない解決に向けてご検討されることをお勧め致します。

投稿日:2010/08/04 22:21 ID:QA-0022169

相談者より

ご回答ありがとうございました。

こちらに関連しての質問なのですが、休職判断についても悩む場合があります。
例に挙げた腰を痛めた社員に関しては、業務の重要な部分を占める機材の運搬が出来ず、現場管理者からは回復まで(見込み2週間程度)休ませたい、と言う話がありました。
ただ診断書は、「機材運搬でなければ業務可能」というものであったため、人事側からは「他の可能な業務をやらせるか、業務に関する勉強に取り組む」という提案をしましたが、最終的に管理者が「他の業務も、勉強するべき事項もない」として、結果的に違う課の仕事を手伝う(重要性が低く、専門知識が必要無いもの)ことになりました。

本人の意思も関係してきますが、このような場合、休職を命ずることは適当なのでしょうか?または休職ではなく、(余裕があるので)有休を取らせて治療に専念してもらう、という対処も検討しましたが、今回は行いませんでした。

休ませることが、本人にとってショック(会社から必要とされていないと感じてしまう)可能性もあり、悩んでおりました。

ご意見いただければ幸いです。

投稿日:2010/08/05 10:50 ID:QA-0040858大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

この回答者の情報は非公開になりました
 

職種別採用と解雇

既に回答がありますので、簡略に述べます。
職種別採用をしている場合、原則として現職務に復帰が前提です。したがって、疾病などで他の職務に転換すれば復職可能としても、それを会社が当然と考える必要はないでしょう。
ただ、原則を常に維持しないといけないというわけではないです。一定期間ののちに元の職務に戻れる、あるいは他の職務で採用する余裕があるなどの場合に例外処理することはありえます。
むしろ復職できない場合、再就職に不利なことがあります。休職後の自動退職が再就職に不利にならない配慮は必要でしょう。その配慮がないために紛争になることが多いからです。

投稿日:2010/08/04 23:18 ID:QA-0022178

プロフェッショナルからの回答

服部 康一
服部 康一
服部賃金労務サポートオフィス代表

お答えいたします

ご利用頂き有難うございます。

ご認識の通り、職種限定で採用した場合でも可能であれば、正社員の場合他職種への配置転換も含めた雇用継続の努力を行なわれるのが妥当といえるでしょう。

しかしながら、勤務可能な業務が無い、或いは人員が余剰している等で他職種への配置転換が現実に困難であるといったケースも十分考えられます。

そのような場合に、無理をして新たな職種・業務等を創出し配置するといった必要性まではございませんし、まして本人が異動拒否をして勤務不可能な現職にこだわるとすればもはや解雇以外の選択肢は事実上ないものといえるでしょう。

但し、そうした場合の多くは、異動自体を拒否しているのではなく、待遇面での不利益を拒んでいるものと考えられます。処遇内容が就業規則等で明確になっている以上、当人の希望を受け入れる義務はございませんが、会社としまして多少なりとも改善可能な部分があれば相談の上柔軟な対応をされることも視野に入れられるとよいでしょう。

投稿日:2010/08/04 23:26 ID:QA-0022179

相談者より

 

投稿日:2010/08/04 23:26 ID:QA-0040867大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

川勝 民雄
川勝 民雄
川勝研究所 代表者

解雇権濫用の法理・・後を引かない解決の検討を P2

■ 最初のご質問の通り、「 IT機材管理 」 という職種別採用 ( この管理業務が、特定職種というほど、専門性が高いのかどうかは分かりませんが ) であれば、私傷病事由で業務遂行が出来なくなれば、会社 ( 職場 ) 状況が許す範囲内で、選択肢を模索するしかないでしょう。
■ 「 機材運搬でなければ業務可能 」 という診断書があったとしても、更に、主治医や産業医の意見を求め、会社を休むことがより早期回復の早道という判断が出来るのであれば、無理をして専門知識不要の軽職 ( 当然、給与引下げの議論も出てくる ) に就けるより、有休なり、欠勤なり、休職なりにより、休ませるのが、最善の選択肢と考えます。
■ 現場実態が分かららず、ましてや、本人の受けるショックの程度は推し量るべくもありませんが、初めに、括弧コメントしましたように、「 IT機材管理 」 という職種が、採用時から前面に出すほど、専門性の高い職種なのかという疑問は消えません。

投稿日:2010/08/05 11:30 ID:QA-0022191

相談者より

 

投稿日:2010/08/05 11:30 ID:QA-0040873大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

藤田 敏克
藤田 敏克
社会保険労務士法人SRグループ 代表

職種別採用と「通常の業務」について

私傷病により休職し、復職が困難な場合、多くの事業所では、一定の期間がすぎてもなお復職できない社員は、退職したものとして取り扱う規定をおいています。基本的には「休職期間満了の事実をもって労働契約の解消(解雇ではなく退職)事由とする規定は有効」とする場合が多くあります。

また契約社員か正社員かにかかわらず、、御社のように、特定の職種につくことを条件に採用された社員は、基本的に配置転換をしないことを条件に契約されているかと思います。したがって会社としても配置転換をさせる義務はないでしょう。
特定の職種につく社員が長期間、私傷病で業務ができないという状態は、会社側の負担も大きくなるので、会社は「社員による債務不履行」で解雇とすることも可能かと思われます。

注意点としましては、入社時の「配置転換をしない」という条件を、本人と会社側双方が共通の認識を持っているか、さらに「復職が困難な場合は解雇とする」という旨が就業規則の条文に明記されているかが重要になってきますので、しっかりと確認する必要があるかと思われます。

投稿日:2010/08/06 01:23 ID:QA-0022221

相談者より

 

投稿日:2010/08/06 01:23 ID:QA-0040886大変参考になった

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回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
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ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。



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