時給者の月額手当の残業計算について
時給者の月額手当支給時の残業計算についてご質問です。
時給 1,000円
月額手当 3,000円
当月の所定労働時間 120H 月平均所定労働時間 分かりません
残業時間 10H
月額手当分の残業代は、以下の計算式
月額手当÷月平均所定労働時間×1.25×残業時間
で算出するのは分かっているのですが、時給者(パート)は、年間の休日数が不確実です。その場合は、当日の所定労働時間を使って残業計算しても問題ないのでしょうか?
月額手当÷当月の所定労働時間×1.25×残業時間
投稿日:2025/10/23 14:45 ID:QA-0159828
- ほうちゃんさん
- 福岡県/建設・設備・プラント(企業規模 11~30人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
月平均所定労働時間の算出自体が困難な場合、当月の所定労働時間を
用いることも可能です。
但し、その場合は毎月の計算方法を統一することが前提であり、単価計算
における算出方法も会社規程上に規定されている必要があります。
つまり、賃金計算根拠が会社規程(給与規程等)に明確に規定されている
状態であれば、ご記載の計算方法も問題ございません。
投稿日:2025/10/23 15:34 ID:QA-0159832
相談者より
回答ありがとうございました!
投稿日:2025/10/28 09:40 ID:QA-0159995大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
結論から言うと、「当月の所定労働時間」を使って月額手当分の時間単価を算出しても構いません。ただし、その方法を継続的・一貫して運用することが前提になります。以下に理由と注意点をご説明申し上げます。
1.割増賃金算定における基本原則
割増賃金の算定基礎に含める手当には、
「労働の対償として継続的に支払われる手当(皆勤手当・職務手当・資格手当など)」が含まれます(労基法第37条、昭和63年3月14日基発150号)。
よって「月額手当」も、性質によっては割増賃金算定基礎に含める必要があります。
2.月額手当部分の時間単価算出方法
原則としては次の式が基本です。
月額手当 ÷ 月平均所定労働時間 × 1.25 × 残業時間
ここでいう「月平均所定労働時間」とは、
年間の所定労働時間を12か月で割った数値(例:160H前後)を指します。
ただし、年間休日数が変動する・パートタイマーで月の勤務日数が不安定な場合には、
「当月の所定労働時間」を使っても差し支えありません。
3.「月平均」か「当月」かの実務的判断
項目→月平均所定労働時間方式→当月所定労働時間方式
精度→年間を通じて均一化される→月ごとの実態に即して算出
運用→固定的で簡便→毎月算出が必要
適用例→正社員・月給者→パート・時給制など勤務変動者
法的評価→いずれも適法(明確・合理的であれば)→同左
→ つまり、どちらの方式でも法令上問題ありません。
重要なのは「合理的な方法で一貫していること」です。
4.実務運用例(時給+月額手当)
条件
時給:1,000円
月額手当:3,000円
当月の所定労働時間:120H
残業:10H
計算
(1)月額手当部分の時間単価
3,000 ÷ 120 = 25円/H
(2)手当分の残業加算額
25 × 1.25 × 10 = 312円
(3)時給部分の残業加算額
1,000 × 1.25 × 10 = 12,500円
(4)合計
12,812円(残業手当総額)
5.注意点
算定方法を給与規程に明記することが望ましい
「月額手当を支給する場合の残業単価の算出方法は、当月の所定労働時間による」
などと明文化しておくと、トラブルを防げます。
「当月所定労働時間」の算定根拠を明確に
勤務カレンダー・シフト表など、会社の年間スケジュールで定義するのがベターです。
月額手当の性質確認
割増賃金の基礎に含める必要がない手当(通勤手当・家族手当等)であれば、
そもそも計算に入れないよう整理しておきましょう。
6.まとめ
項目→判断
当月の所定労働時間を使う→ 問題なし(合理的であれば)
月平均所定労働時間を使う→ 一般的(固定的な労働時間制に多い)
要件→一貫運用・根拠明示・手当性質の確認
実務推奨→パート・シフト勤務者には「当月所定労働時間」で対応可
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/10/23 15:54 ID:QA-0159836
相談者より
回答ありがとうございました!
投稿日:2025/10/28 09:40 ID:QA-0159996大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
その計算方法自体に問題はありません。
ですがこの場合、月々の残業時間が同じであっても、月によって残業代が異なり、パート時給者に不信感が生じる恐れもでてきますので、残業代の計算方法(根拠)を就業規則(賃金規定等)に定めておく必要があります。
投稿日:2025/10/24 07:51 ID:QA-0159856
相談者より
回答ありがとうございました!
投稿日:2025/10/28 09:41 ID:QA-0159997大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、本年度の月平均所定労働時間が未確定の場合ですと、当月までの月平均で計算されるとよいでしょう。
つまり、極力年平均に近いと考えられる時間で計算される必要性があるものといえます。
投稿日:2025/10/24 21:25 ID:QA-0159908
相談者より
回答ありがとうございました!
投稿日:2025/10/28 09:40 ID:QA-0159994大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
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