勤怠の扱いに関して
弊社始業時間は8時30分となっております。
今現在会社の慣習としましては8時20分を越えて打刻した社員は遅刻扱いとなり、かつ8時30分までの10分間は勤務時間としてカウントされません。
(就業規則にも8時20分以降は遅刻とする明示はありません)
就業開始時刻が8時30分からにも関わらず8時20分までに打刻しなければ遅刻扱いとなることは問題ないのでしょうか。
打刻時間が就業開始時間とならないことは承知しておりますが、
始業時間前の時刻を遅刻扱いとすることに問題はないのでしょうか。
御確認の程よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/04/21 13:31 ID:QA-0151271
- aliveさん
- 滋賀県/機械(企業規模 11~30人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問のケースでございますが、
遅刻扱いが、どのような内容の扱いになるのかで、
問題有無も、問題有の場合の問題程度も異なってまいります。
仮に、就業開始時刻の8時30分には就業を行っているにもかかわらず、
給与上、遅刻としての賃金控除を行っていたり、人事考課上の評価基準
にしていたりしていますと、問題があると言えるでしょう。
まずは、遅刻に対するペナルティ的な取扱いの整理から始める必要がございます。
投稿日:2025/04/21 14:27 ID:QA-0151272
相談者より
ご回答頂きありがとうございます。
また、情報不足申し訳ありません。
弊社は給与の中に1ヶ月毎に無遅刻無欠勤であれば支払われる所謂皆勤賞といったものがありまして、そちらの支払いが無くなることとなります。
また、8時21分で打刻し遅刻となった場合、
その時点で午前休の半日有給を申請し、"遅刻しなかった"ことすることが可能です。
20分以降で打刻しつつ、半日有給を申請しないことが1ヶ月に3回発生した場合、欠勤扱いとなります。(3回の遅刻で1回の欠勤は就労規則に明記有)
御確認の程よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/04/21 16:03 ID:QA-0151275大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
始業時間が8:30なのに、8:20以降を遅刻扱いとするのは?法的・運用的に問題あり。遅刻ではありません。
どうすれば問題ないルールになる? 就業規則に明記し、始業時刻そのものを変更するなどの手続きが必要です。
慣習だからよい? 慣習でも不利益な取扱いには合理的根拠と明示が必要です。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.結論
法的・運用的に問題があります。
始業時刻は8時30分と定めているにも関わらず、それより前(8時20分以降)の打刻を「遅刻」と扱うことは不適切です。
(1) 労働契約・就業規則の基本原則
始業時間は 就業規則や雇用契約に定められた「労働義務の開始時刻」 を指します。
始業前に出社していること=労働義務ではない(※特に業務開始が8:30なら、それ以前は会社側の指揮命令下にない)
したがって、8:30が始業であるならば、それ以前に出社していないことを理由に「遅刻」扱いするのは無効(違法ではないが、不合理)です。
(2) 遅刻の定義
「始業時刻を過ぎてから業務を開始したこと」が遅刻です。
つまり、8:30以降の打刻 → 遅刻の可能性あり(業務開始が遅れたかどうかが判断材料)
8:20~8:29の打刻 → 遅刻ではない
(3) 慣習でも「明文化されていないルール」は強制できない
「8:20を超えたら遅刻」という社内慣行があったとしても、就業規則などに明記がなければ、それを理由にペナルティ(遅刻扱い・賃金控除)はできません。
実務上は、遅刻控除や評価への反映をする場合、明確なルールを就業規則・社内規程に記載しておく必要があります。
2.実務上のリスク
項目 内容
賃金トラブル本来勤務扱いとなるべき時間が「無給扱い」にされていた場合、未払い賃金請求のリスクあり
労基署対応始業前の早出が「黙示の指示」とみなされると、残業代請求の対象になる可能性あり
評価・懲戒処分不明確なルールに基づいた遅刻扱い → 不当な人事評価とされる恐れあり
3.適切な対応例
内容 実務的アドバイス
出社推奨時間を設けたい場合「業務開始準備のため、8:20までに出社を推奨」と通知。ただし、強制ではない
実際の始業時間は変えずに業務開始を早めたい始業時間を8:20に変更し、就業規則を改定(労使協定が必要)
評価・マナー指導として活用したい遅刻扱いではなく、「業務姿勢・マナー」として注意・評価項目に反映するのが妥当
4.まとめ
質問 回答
始業時間が8:30なのに、8:20以降を遅刻扱いとするのは?法的・運用的に問題あり。遅刻ではありません。
どうすれば問題ないルールになる? 就業規則に明記し、始業時刻そのものを変更するなどの手続きが必要です。
慣習だからよい? 慣習でも不利益な取扱いには合理的根拠と明示が必要です。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/04/21 15:38 ID:QA-0151274
相談者より
詳細なご回答誠にありがとうございます。
問題があるのかないのか半信半疑でしたがご回答頂けたことで認識をはっきりとさせることができました。
是正させられるように急ぎ対応して参ります。
投稿日:2025/04/22 12:53 ID:QA-0151303大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご返信をいただきまして、ありがとうございました。
詳細なご状況、拝読させていただきました。
結論、貴社の制度・運用には問題がございます。
ご記載いただいた内容より、始業開始時間前である8時20分に打刻が無ければ
遅刻とされること自体が、遅刻ではありませんので、不適切な点が多いです。
貴社の会社規程及び、運用に問題が多々ある印象でございます。
すでに本来の賃金が正しく支払われていない可能性も伺えます。
大きな問題に発展する前に、是非、見直しをお願いいたします。
なお、内容を拝見させていただく限り、見直し点が多々ある印象です。
貴社に顧問社労士がいらっしゃらなければ、労務の専門家である、
社労士の顧問契約のご検討をいただくことを推奨いたします。
投稿日:2025/04/21 17:45 ID:QA-0151280
相談者より
ご回答頂きありがとうございます。
他の問題に関して社労士の方に相談をしているという旨の連絡を受けたことがありますので、社労士の方とのつながりはあるようです。
が、この遅刻の件に関しては恐らく存じ上げないのかと思います。
今回の遅刻運用の件には問題があるとのことですのでその社労士の方に相談するか、労働基準監督署や弁護士事務所に相談に行くか、急ぎ対応するようにいたします。
重ねてご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/04/22 12:58 ID:QA-0151304大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、始業時刻前は当然ですが業務に従事する義務が有る時間ではなく当人の自由時間になります。
従いまして、こうした自由時間内で遅刻扱いとされる措置に関しましては、明らかに越権行為であり認められません。御社で仮にそのような運用をされますと、午前8時20分が始業時刻とみなされ、その時点から労働時間扱いとして賃金支払の対象時間となりますので注意が必要です。
投稿日:2025/04/21 22:43 ID:QA-0151285
相談者より
ご回答頂きありがとうございます。
運用方法に問題あること、承知いたしました。
是正に向け対応して参ります。
投稿日:2025/04/22 13:02 ID:QA-0151305大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
問題あります。
就業規則上の始業時刻が8時30分であれば、その時刻には席に着き、業務を開始していればそれで問題はないのであって、単に打刻時間を理由に遅刻扱いとなり賃金まで控除されるとなれば、そこに法的な根拠があるのかという話になり、かつ説得力もありません。
万が一、従業員が労基署に申告すれば、是正指導の対象になる可能性は否定できず、控除した賃金の支払いを勧告される可能性もあります。
このような悪しき習慣は、速やかに廃止すべきです。
投稿日:2025/04/22 08:28 ID:QA-0151289
相談者より
ご回答頂きありがとうございます。
是正させられるように対応して参ります。
投稿日:2025/04/22 12:51 ID:QA-0151302大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
労働時間の管理
【御相談】
始業時間前の時刻を遅刻扱いとすることに問題はないのでしょうか。
【回答】
労働時間は、使用者の指揮監督のもとにある時間とされています。そして、一般に、タイムカードの打刻時刻により労働時間を推定することが許されています。
但し、始業時刻前の打刻については、通常は使用者の指揮監督のもとにあるとは評価できず、特別の事情がない限り、始業時刻をもって業務開始時刻と認めるのが相当とした旨の裁判例があります(イーライフ事件)。
一方、使用者は、労働基準法上の、賃金全額払いの原則、法定労働時間の定め、賃金台帳の調製の定め等に則り、労働時間を適正に管理するため、労働者の労働日ごとの業務開始時刻等を確認し、これを記録することが必要とされています。
そして、この確認し、記録する方法としては、原則として、(ア)使用者が自ら現認、若しくは、(イ)タイムカード等の客観的な記録を基礎として確認、記録とされています。こうした方法がとれない場合には、自己申告制となります。
以上を踏まえ、本件について考察してみますと、(1)遅刻扱いとした社員の業務開始時刻はいつなのか、(2)8時20分までに打刻をした社員が始業時刻までに業務を余儀なくされた場合等において、当該社員の業務開始時刻はいつとなるのか、という論点があろうかと思います。
これらについては、使用者による現認、若しくは、自己申告制により業務開始時刻を確認、記録する必要があると考えられます。
投稿日:2025/04/22 10:10 ID:QA-0151295
相談者より
ご回答頂きありがとうございます。
弊社ではタイムカードの打刻によってデータ上で勤怠を管理できるようになっております。
現在8時20分の壁がありますため社員は基本的にそれまでに出勤しており、例えば25分に打刻した場合でも30分の始業には十分間に合うのが現状かと考えております。
8時30分の始業までに業務を開始できる状況となるように同僚には徹底させつつ、8時20分以降の打刻で遅刻扱いとする運用に関しては是正するように対応して参ります。
投稿日:2025/04/22 13:16 ID:QA-0151306大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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