年次有給休暇の付与タイミング、及び付与基準の変更について
お世話になっております。
年次有給休暇について2点ご相談があります。
①現在、正社員の年次有給休暇の初回付与を入社日に設定しています。
付与日数は入社日ごとに定めており、4月~9月は10日、10月以降は段階的に5日、3日としておりますが、2回目の付与が翌年度の4月1日に一斉付与という形を取っており、2回目付与日数は一律11日となっています。
この付与日数では下期に入社した社員への初回付与日数が不足していることが判明したため、制度を是正すべく検討をしております。
選択肢としては、以下を検討していますが、何か懸念点や助言等ありましたらいただけますでしょうか。
1)下期入社者への初回付与日数はそのままに、半年経過後に残りの日数(5日、または7日)を付与する。(その間に2回目付与のタイミングが来る)
2)下期入社者への初回付与日数も10日にする
3)下期入社者への初回付与休暇は年次有給休暇とは別途の特別休暇とし、翌4月1日の付与を初回付与日として10日付与する。
②一方、パートアルバイトスタッフに関しては法令通りの内容で、入社半年後に初回付与、その後毎年4月1日に一斉付与をしております。
ただ、これまでシステム上8割出勤したかどうかの実績確認ができなかったために、出勤率に関係なく付与を行ってきました。システムの変更により出勤率の算定ができるようになった今、この8割ルールを運用上導入しようと思っていますが、社員にとって不利益変更にあたりますでしょうか。
就業規則上では元々「前年度所定労働日数の8割以上出勤した職員に対して、勤続年数に応じ付与する」旨規定しており、運用実態が伴っていなかった部分を変えていきたいという状況です。
運用変更のプロセスに関して助言があればいただきたいです。
長々とすみませんが、どうぞよろしくお願い致します。
投稿日:2023/08/25 17:02 ID:QA-0130330
- まみむめみみみさん
- 東京都/その他業種(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
この付与日数では下期に入社した社員への初回付与日数が不足していることが判明したということですから、根本的に見直す必要があります。
①1)~3)まで下期入社者だけについて考えていますが、上期入社者も含めて
根本的に見直す必要があるでしょう。
例えば、2)下期も10日付与とするなども、逆に上期者と不公平感はないのかです。
このようにするのであれば、4/1と10/1のダブル基準日も検討する必要があります。
②まずは、過去数年調査してください。システム上できないからといってチェックしなくていいということにはならないでしょう。出勤簿でも確認できます。
不利益変更というよりは、チェックを怠った部署等への注意、指導という類でしょう。
投稿日:2023/08/25 18:22 ID:QA-0130335
相談者より
ご回答ありがとうございます!
投稿日:2023/08/28 12:07 ID:QA-0130368参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
文面を拝見した限りで申しますと、このような複雑なやり方を採用している企業は、ゼロとはいいませんが、そう多くはありません。
下期に入社した社員への初回付与日数が不足していることが判明したということは、これは制度が複雑であるがゆえに、チェック機能が正常に回らなかったということですから、根本から見直す必要があります。
要は、会社に取って管理がし易く、従業員にとっては解りやすく、です。
正社員の年次有給休暇の初回付与日が入社日であってもかまいませんが、その場合、入社日に10日付与、次回基準日(入社日から1年経過後の日)に11日付与、以降は法定どおりとしておけば、一番わかりやすく、また、中途採用が多いのであれば、法定の付与によるのが一番公平です。
さらに、年休管理の煩雑さを避けるためという観点からいえば、基準日を年2回設けるといった方法もあり、これが何よりシンプルで解りやすく、比較的不公平間も少ない方法といえます。
基準日を年2回、例えば4月1日と10月1日とし、4月1日から9月30日までに入社した人は10月1日に、10月1日から3月31日までに入社した人は4月1日に、10日の年休を付与し、以降それぞれの基準日から1年経過するごとに法定の日数を付与するというものです。
ただしこの場合、4月1日や10月1日に入社した人は法定どおり6か月後に10日の年休が付与されるのに対し、9月1日や3月1日に入社した人は1か月後に10日の年休が付与されるという、入社時期による不公平さは残りますが、この程度は許容範囲と考えることもできます。
結局は、割り切りと年休管理の事務量との兼ね合いにもよるでしょうが、よければ参考にしてください。
投稿日:2023/08/27 09:41 ID:QA-0130349
相談者より
ご回答ありがとうございます!
投稿日:2023/08/28 12:07 ID:QA-0130369大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
有給休暇の斉一的取扱い(斉一的付与・基準日の統一)の検討を
▼「有給休暇の斉一的取扱い」とは、簡単にいうと、「有給休暇の基準日(権利が発生する日)を、あらかじめ一定の日に統一すること」をいいます。
▼「斉一(せいいつ)」とは、聞き慣れない言葉ですが、「ととのい、そろっていること」を意味し、有給休暇においては、「基準日をそろえる」ことを意味して使われています。
▼有給休暇の斉一的取扱いは、労働基準法には明記されておらず、行政通達(法律の解釈)によって認められています。
実務においては、会社の有給休暇管理の負担を軽減することができ、従業員にとってもわかりやすい制度であるため、実際に多くの会社で導入されています。
▼ただし、有給休暇の斉一的取扱いは、その仕組みをしっかりと理解しておかないと、運用の仕方によっては違法にもなり得るため、この記事を参考に、制度をご理解していただきたいと思います。
投稿日:2023/08/27 11:50 ID:QA-0130350
相談者より
ご回答ありがとうございます!
投稿日:2023/08/28 12:07 ID:QA-0130370参考になった
人事会員からの回答
- 角五楼さん
- 神奈川県/保安・警備・清掃
①フルタイムへの付与、たとえば3月入社時に3日付与し、すぐくる4月に11日付与ですと、現況法を満たしており問題ないしょう。候補3)として下期入者の入社時付与は独自付与とし、最初にめぐる4月一斉付与11日のままがよろしいです(10日として、下期入社群の入社年次で異なる付与数からトラブルの元になりかねません)。導入されるシステムとの親和性はわかりませんが、規定の変更は「独自付与」をうたうくらいでしょう。
②非正規の入社半年付与と一斉付与の先後の扱いに問題あるかはお書きの範囲では判断つきませんでした。同一労働同一待遇の面から正規との待遇差に説明がつくようにされてください。
なお、出勤率計算にあたっては1年(入社半年)の未経過部分は、全出勤したものとして計算します。そのうえで今後出勤率適用される分には問題ないでしょう。
投稿日:2023/08/28 09:30 ID:QA-0130357
相談者より
ご回答ありがとうございます!
投稿日:2023/08/28 12:06 ID:QA-0130367大変参考になった
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