労働条件と社会保険加入について
先日、ID:QA-0125551で相談をさせていただいたものです。
週の所定労働時間が30時間未満で社会保険加入条件に満たない社員を、「30時間以上勤務させたことにして社会保険に加入させろ」と言われているという件で回答をいただき誠にありがとうございました。
いただいたアドバイスを基に、労働条件通知書を週30時間を超えるように、また契約書に書かれている内容通りに働いてもらわないと社会保険の不正加入になるということを伝えたところ、
週4日、9:00~17:30勤務(休憩1時間)の週30時間ちょうどの労働契約書を作成し署名をいただくことになりました。
加入条件を満たしたため、社会保険加入の手続きを行いましたが、実際に当該社員が勤務を始めると、定時の17:30前に退社をしていることが分かりました。
(当社はフレックスタイム制は導入しておりません。)
私の上司にあたる者が労働契約の担当をしているのですが、「契約書には9:00~17:30と書いているが、気にせず17時で上がって構わない」というようなことを言ったようで、明らかに労働条件未満の勤務時間のため、恒常的に週30時間の勤務時間を下回っている状況です。
私が黙っていれば社内的に済む話なのかもしれませんが、前回質問の際に「年金、傷病手当金の不正受給につながる可能性もある」という回答もいただいておりまして、社内には相談できる人もおらず、どうすればいいか分からない状況です。
そこで、ご相談ですが、
①このようなことは「よくある話」と考えて気にせずに対応するのが普通でしょうか
②このまま放置することで社会保険取得の手続き担当者である私が罪に問われるようなことはありますでしょうか
答えにくい相談かもしれず恐縮ですが、何卒宜しくお願い致します。
投稿日:2023/04/17 17:43 ID:QA-0126070
- kghjkさん
- 東京都/商社(専門)(企業規模 11~30人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
再度のご相談頂きまして有難うございます。
改めてご質問内容に回答させて頂きますと、①につきましては、決してよくある話というわけではございませんし、やはり明らかに事実でない契約内容については避けるべきといえます。
②につきましては、この度の内容であれば極端に悪質な事案とは言い難いですので、担当者が即処罰対象になるという可能性は低いものと思われます。
しかしながら、こうした法令上の手続きに関わる措置に関しましては、世間一般や処罰有無云々等で判断すべきものではなく、適切でないと思われる内容については当然に即改善の必要があるものと踏まえられるべきです。
例えば、当事案の場合ですといつも17時退勤で良いと言われますと虚偽の契約内容になりますが、原則17時30分退勤で仕事が早く終了した場合には少し早めの退勤でも構わないといった話であれば特段問題はないものといえますので、前回も申し上げました通りちょっとした指示の工夫で十分に対応が可能といえるでしょう。
投稿日:2023/04/17 20:56 ID:QA-0126079
相談者より
ご回答ありがとうございました
投稿日:2023/05/23 17:40 ID:QA-0127152大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
①「よくある話」で済ませられる問題ではありません。
労働者には、労働契約の内容に従い就労する義務(債務の本旨に従った履行義務)があり、契約どおりに債務を履行していなければ債務の不完全履行ということで契約解除も可能となりますし、賃金が契約どおり支払われていた場合は、17:00~17:30までは、就労義務を果たしてないわけですから、その分の賃金は不当利得として返還請求も可能になります。
加入資格があるか否かは、あくまで契約上の労働時間で判断します。
どういう状況で上司が「・・・、気にせず17時で上がって構わない」と発言したかはわかりませんが、例えば、仕事が定時より早く終わったので、早く終わるよう指示したといった程度であれば、特別問題視することもないでしょうが、恒常的にとなると話は別です。
あらためて当該労働者には契約時間どおり就労の義務を果たすよう(といってもこれが当たり前ですが)強く指示をし、できないということであれば、労働時間を9:00~17:00とする新たな契約を結び直さなければならず、それに伴い社会保険喪失の手続きも必要になります。
②明らかな不正と判断されれば、直接の担当者であるあなたではなく、御社自体が罪に問われることになります。
投稿日:2023/04/18 12:24 ID:QA-0126092
相談者より
ご回答ありがとうございました
投稿日:2023/05/23 17:40 ID:QA-0127153大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
①コンプライアンスに反することは「よくあること」では済みません。会社=代表取締役が責任を問われます。
②個人として問題点を警告した証拠を残しておけば,会社も言い逃れや責任転嫁できないでしょう。個人メモでも裁判の証拠能力があるようです。メールで上長に注意喚起して証拠を残してはいかがでしょうか。
投稿日:2023/04/18 12:31 ID:QA-0126095
相談者より
ご回答ありがとうございました
投稿日:2023/05/23 17:40 ID:QA-0127154大変参考になった
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