「2020年」これまでの求人募集が変わる!
求職者が応募したくなる採用のヒント
~アルバイト・パート7,000人アンケート調査~
ディップ株式会社
ここからは、希望を満たしていなければ“応募の検討もしない”4位「勤務時間」を含む勤務シフト関連における求職者の応募意向を高めるポイントです。
勤務シフト関連について
希望する‟1日の勤務時間”と‟1週間の勤務日数”
主婦・主夫の約7割が1日5時間以下、1週間4日以下の勤務を希望しています。また、フリーターと中高年フリーターを比較すると、中高年フリーターは1日の勤務時間5時間以下を希望する割合が高くなっています。
とはいえ、1週間の希望勤務日数を見ると、どちらも5日もしくは6日が約6割とほぼ同じ結果です。
希望する「平日・休日」 の組み合わせ
学生は「休日のみ」「休日を含む組み合わせ」の勤務希望が5割弱と、他属性よりも高くなっています。また、学生のなかでも大学3年生は「常に変動したい」が4割超と非常に高い結果となりました。就職活動なども踏まえてフレキシブルな勤務シフトを望んでいることがうかがえます。
ターゲットに合わせた条件変更・緩和を行うなど、柔軟に対応できる体制にすることで、応募効果の向上を図ることができるでしょう。
業種・職種について
「許容できる業種・職種」と「最も希望する業種・職種」
全体では「オフィス」「フード・飲食(カフェ)」「軽作業」が希望・許容共に高い支持となりましたが、属性ごとに比較するとやや傾向が分かれます。
学生はフード・飲食全般の許容割合が高いものの、他属性は「軽作業」「オフィス」の許容割合が高く、「販売」「フード・飲食」と同等程度、もしくはそれ以上の結果となりました。
また、学生とフリーターは1人あたりの許容する業種・職種の選択数がやや多いのに対し、年齢層が高いほどその数が少ないようです。
次は、最も希望する業種・職種1~3位の「オフィス」「フード・飲食(カフェ)」「軽作業」を希望する人が許容する業種・職種を見ていきます。
「最も希望する業種・職種」と一緒に検討される「許容できる業種・職種」
最も希望する業種・職種と許容できる業種・職種の関係に一定の傾向が見られました。たとえば、最も希望する職種に「オフィス(事務・企画)」を選んだ求職者は「軽作業」を最も許容し、最も希望する職種に「軽作業」を選んだ求職者で「工場・製造」を許容しているのは1~3割弱に対し、最も希望する職種に「工場・製造」を選んだ求職者の3割以上が「軽作業」を許容しています。
応募効果向上のためには、自社の求人と同業種・職種のみならず、同時に検討されている業種・職種を知ることも有効かもしれません。
新型コロナウイルスの影響により、約4分の1の人が業種・職種の許容は変わったと回答しています。
そのうち、減ったと答えた人の割合がやや多くなりましたが、増えたとした人も約45%おり、結果は拮抗していると言えるでしょう。
次は、待遇・制度・条件の具体的な希望を見ていきます。
求職者が希望する待遇・制度・条件
求職者が仕事探しで譲れない条件とした上位「仕事内容」「給与」「勤務地」以外の「待遇・制度・条件」を具体的に見ていきます。
ここに挙げられた20項目のうち「交通費支給」においては、1~3位までの合計と1~5位までの合計のいずれにおいても、最も多くの回答となりました。
次いで、「シフト自己申告可能」「急な休みの申請可能」の2項目が、1~3位までの合計と1~5位までの合計において順位は逆転するものの、上位に挙げられており、シフトの柔軟性に対する希望が高いこともわかります。
次は、求職者が重視している項目「交通費支給」「シフト自己申告」について、実際に求められている条件を探っていきます。併せて、新型コロナウイルス感染拡大防止のため少しずつ浸透し始めた「テレワーク・在宅ワーク」の実態も見ていきます。
‟交通費支給の有無”の応募意向への影響と‟希望する支給のタイミング”
交通費支給の有無が応募意向にかかわると回答した人が8割以上を占める結果になりました。5割弱は「全額支給でないと応募意向は高まらない」という回答でしたが、一方で3割強は「一部支給があれば応募意向が高まる」と回答しています。 また、交通費が支給されるタイミングについては、5割以上が「当月中」を希望しています。
“交通費支給”だけでなく、“支給のタイミング”も求職者の仕事探しのポイントになっていると言えるでしょう。
「不採用の場合、履歴書を返却」で3割強、「面接時、履歴書不要」で5割弱が応募意向が高まると回答しています。
履歴書不要の対応が難しい場合も、‟当日来社時に作成してもらえるように準備する”‟証明写真は来社時に撮影できるようにする”など、求職者の負担を軽減できる対応により、応募意向を高めることができるかもしれません。
次は、「シフト自己申告」について見ていきます。
‟希望するシフト”と‟希望するシフト申請のタイミング”
約5割が「自己申告制」を希望しており、前出の‟求職者が希望する待遇・制度・条件”1~5位で選択していない人のなかにも「自己申告制」の希望者が一定数いるようです。
そのなかで半数以上が「2週間に1度以上」、4分の1以上は「1週間に1度以上」の申請を希望しており、柔軟なシフト、かつ比較的高い頻度でのシフトの見直しを求めていることがわかります。
次は、現在の環境下で浸透し始めた「テレワーク・在宅ワーク」の導入・活用実態です。
テレワークの活用実態と在宅ワークの導入・活用実態
テレワーク・在宅ワークが導入されているのは2割強、積極的な活用は1割強という状況です。緊急事態宣言前と比較すると、活用状況は3倍になっているものの、他雇用形態と比較して、導入、活用共に低いことが明らかになりました。
また、職種別に見ると、「Webクリエイター・編集」「ITエンジニア」「営業」における活用率は25%~50%弱割強と低くはないものの、同業種・職種の正社員と比較すると、やはり低い水準です。
最後に、ここまで明らかにした条件以外の“職場の環境・雰囲気”について求職者の応募意向を高めるポイントを探っていきます。
人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。