「2020年」これまでの求人募集が変わる!
求職者が応募したくなる採用のヒント
~アルバイト・パート7,000人アンケート調査~
ディップ株式会社
新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)(以下、新型コロナウイルス)により、雇用にも影響が出てきているなかで、求職者の仕事探しにも影響が出ていることが想定されます。本レポートでは、求職者が応募を検討する際の基準を、応募を検討するための大切な要素である「募集条件」「待遇・制度・条件」「環境・雰囲気」の3つのカテゴリーに分け、さらに「属性別」に調査・分析しています。容易に変更しづらい項目も存在しますが、求職者のニーズを把握したうえで募集をすることで、より良い採用につなげることができます。
【調査概要】
調査主体:ディップ株式会社
調査手法:インターネット調査(GMOリサーチモニター利用)
調査実施時期:2020年7月2日(木)~2020年7月10日(金)
対象者条件:47都道府県内でアルバイト・パートとして就業している15~69歳の男女
有効回収数:SC調査28,701サンプル/本調査7,047サンプル
仕事探しに対する心境の変化
ここでは、新型コロナウイルスが、求職者の仕事探しに対し、どの程度影響を与えたのか、いつごろから影響を感じているのかを見ていきます。
「とても影響している」13.3%、「やや影響している」27.6%、合わせて4割以上の人が、仕事探しに対する心境の変化に新型コロナウイルスの影響があったと回答しています。
変化を感じた時期は、「とても影響している」「やや影響している」いずれの回答者も3月上旬~4月上旬がボリュームゾーンとなりましたが、「とても影響している」人の方が早い時期から変化を感じている傾向にあります。
では、現在の環境下において、求職者はどのような仕事探しをしているのでしょうか。
応募を検討するための大切な要素
ここからは、求職者が仕事探しをする際に譲れない条件を明らかにし、その条件ごとに応募意向を高める秘訣を探っていきます。
まずは、求職者が仕事探しをする際に、希望を満たしていなければ“応募の検討もしない”大切な要素を見てみましょう。
求職者が重視しているのは、「仕事内容」「給与」「勤務地」「勤務時間」「業種・職種」など、企業にとっては変更しづらい項目が上位を占めました。
次は、これらの重視している項目において具体的な希望や知りたい情報などを探ることで、応募意向を高めるポイントを明らかにしていきます。
応募意向を高めるためのポイント
まずは、希望を満たしていなければ“応募の検討もしない”1位「仕事内容」における、求職者の応募意向を高めるポイントです。
仕事内容について
求職者が知りたい仕事内容
「1日の業務の流れ」「業務に必要なスキル」「仕事の大変なところ」などの情報を求めていることから、就業時のイメージをより詳細に知りたいと思っていることがわかります。また、詳細を知り不安が解消されることで、6割弱が応募意向が高まると回答しました。
仕事内容を判断するうえで重視すること
仕事内容を判断するうえで重視することとして、「仕事の難易度」「体力面」「やりがいがある、人に感謝される」などの項目が挙げられました。
前出の“記載があれば応募しやすい情報”も同様ですが、受け手により解釈が異なるような表記は避け、詳細な表現をすることが重要と言えます。求職者の不安を解消することで応募意向を高められるだけでなく、就業後のミスマッチも軽減します。
次は、希望を満たしていなければ“応募の検討もしない”2位「給与」についてです。「給与」における、応募意向に関わる条件や情報を見ていきます。
給与関連について
最低限、希望する給与の水準
最低限希望する給与は、さほど高い水準にはなりませんでした。最多回答は、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府で「時給1,000~1,100円未満」、北海道、福岡県で「時給1,000円未満」と、エリアにより多少異なるものの、各エリアの最低賃金時間額+100円が希望額になっています。
では、給与関連の応募意向が高まるポイントを見ていきます。
求職者が知りたい給与関連の情報
1位「休日出勤・深夜勤務・残業などがあった場合の時給」、2位「手当やボーナス支給がある場合の詳細と金額」は5割近くの求職者が知りたい項目として挙げましたが、この2つに関しては情報不足の求人をよく見かけます。
不安要素があった際も、給与について尋ねることは、やり取りが増えるうえ、心理的負担が大きいものです。不明瞭な表記は避け、求職者の不安を解消することが必要です。
次は、希望を満たしていなければ“応募の検討もしない”3位「勤務地」についてです。どのような「勤務地」に対する条件を希望しているのかを見ていきます。
勤務地について
希望する勤務地の条件
勤務地を判断するうえで重視することとして、「徒歩・自転車で通える」「駅から近い」「乗り換えが少ない」という、通勤に関する項目が上位を占めました。
では、どの程度の通勤時間を許容しているのかを属性別に見ていきます。
許容できる通勤時間
属性により多少の差はありますが、5割弱から最大7割強が30分未満の通勤時間を許容できると回答しています。訴求する対象を検討する際の参考にしてください。
次は、希望を満たしていなければ“応募の検討もしない”4位「勤務時間」を含む勤務シフト関連、5位「業種・職種」の希望を探っていきます。
人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。