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外部機関との連携がポイント!
ケーススタディ ハラスメント相談と発達障害

精神保健福祉士、特定社会保険労務士

長部 ひろみ

6 職場における「発達障害者」への対応ポイント~産業保健の関与の重要性

従来の職場におけるメンタルヘルス対応においては事例性(業務上の支障)と疾病性(疾患の有無)の峻別は、ある程度明確にすることができました。うつ病を例にとれば、業務の能率低下やミスの増加、欠勤や早退の増加等の本人の「事例性」に気づいた上司や産業保健部門が本人と面談し、不眠等の自覚症状を確認して医療機関につなげる。外部医療機関が「疾病性」の有無を診断し、治療導入を行う。症状(疾病性)の改善は医療に委ね、会社側は本人の働く環境調整や人間関係調整を行うことで事例が改善、解消することに繋がりました(図5)。

■図5

しかし現在、この事例性と疾病性の分別が難しいケースが増加しており、「これは病気なのか、性格なのか?」峻別が難しい、「パーソナリティ障害」「発達障害」が背景にあるケースが増加しています。発達障害が背景にあるケースでは、本件のように「うつ状態」「双極性障害」「不安障害」といった二次的症状が出る場合も多くあります。また、診断書には、本人と職場環境の不適応による「適応障害」という診断名が記載されているケースも多く見受けます。しかし、服薬や休職したことで職場を離れ、これら二次的な症状が改善しても事例性は改善しません。これは、本人の呈する仕事上の問題点(事例性)そのものが、本人の持つ障害特性(疾病性)の表れであるからです(図6)。「事例性」と「疾病性」が一体であるため、誰がどこまでの役割を担うのか(医療機関等に委ねることなのか、労務管理で対処すべきことなのか)、どのような連携が必要なのかを整理することが難しく、混乱を招きます。言い換えるなら、「病気なのか、本人の持って生まれた特性(困難さ)なのか」わからないために、誰が責任をもって関与し、改善のための支援をするのか、役割分担を明確にすることが難しいのです。しかし就労を続けるためには、ご本人に自分の特性に一定の理解を持つことを促し、医療機関を含めた専門家が支援を行い、本人の良好な予後、健康の維持を図ることが必要な場合もあります。また専門家によるリワーク等で変化や改善が見られることもありますが、すべてが消失するわけではないため、本人の適応への努力、周囲の理解の取り付け、企業の就業上の配慮が不可欠なのです。

■図6 発達障害特性と関連する可能性のある業務上の困難さ(事例性)

  • ミスが多い
  • 融通がきかない
  • 仕事の全体像が把握できない
  • 協働ができない
  • 仕事の優先順位がつけられない
  • 積極性がない
  • 複数の業務を同時にできない
  • 指示されたこと以外はやらない
  • 報告・連絡・相談ができない
  • 仕事をほったらかす
  • 自分のやりかたに固執する
  • 電話応対、予定変更が苦手
  • 仕事の指示が守れない
  • 部下の指導ができない
  • 疲れやすい、休みが多い

健康障害に関する就業面の配慮は、通常「期間限定」です。一定期間で疾病が改善し、発症前あるいは同僚と同程度の水準の仕事に就けることを想定しています。上司や同僚は「期間限定」であるがゆえに「特別扱い」に同意し、業務の軽減と多少の負担増についても同意します。しかし、それが長期化すれば周囲の不満や疲弊が蓄積し、本人の支援にも影響を及ぼします。そのためコーディネーターとして言い分を整理し、正しい知識の言及や理解を醸成するには専門性を持った交通整理役の存在が不可欠です。ご本人の精神障害者手帳取得と障害者就労への移行、障害年金の受給を検討する場合もありますが、上司や周囲が「発達障害」への理解をもってくださるよう一定の情報開示と心理教育、啓蒙を行い、トラブルなく就労継続されている方もいます。

■図7
図7

障害者雇用促進法は2条1項で「発達障害」を保護の対象とし、36条の3で「その雇用する障害者である労働者の障害の特性に配慮した職務の円滑な遂行に必要な施設の整備、援助を行う者の配置その他の必要な措置を講じなければならない。」と定め「ただし、事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。」と規定しています(合理的配慮の提供)。この「合理的配慮」の起源である障害者権利条約2条の文言は「reasonable accommodation」であり、サポートを求められた場合相互に合理的な妥協点を見い出す。議論なしで排除することはしない」という意味です。本人が自らの特性を認識して、説明責任を果たし職種変更等の配慮を希望しているのであれば利用可能な社会資源を使い、その就業継続をサポートすることが「合理的配慮の提供」であると言えるのではないでしょうか。そのために、雇用に関するルールや法令、疾患や障害、社会資源等に関する正しい知識と、公正な視点を持つ産業保健スタッフや専門家を積極的に活用していくことが重要だと思います。

■図8 利用可能な外部相談先・社会資源(雇用就労・雇用継続支援)
名称 設置 役割
発達障害者支援
センター
発達障害者支援法に基づき、都道府県、政令指定都市に1箇所設置。
  • 発達障害のある本人とその家族、支援機関等に対し、日常生活、人間関係、学校生活、就労等についての相談を受けて、相談可能な窓口や家族会等の情報提供、コンサルを実施
障害者就業・生活支援
センター
障害者雇用促進法に基づき、複数市町村の福祉圏単位に設置(全国で332箇所)
  • 地域指向の就労支援機関
  • 就労相談、ハローワークや就労以降支援事業との連携
  • 就職活動の支援
  • 企業との調整 就職後の定着支援
地域障害者職業
センター
障害者雇用促進法に基づき、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構が各都道府県に設置(全国で52箇所)
  • 休職中の労働者、精神障害者のリワーク(職場復帰支援)グループワーク等の実施。支援内容はセンターによって異なる
  • 職場にジョブコーチを派遣して、職場復帰や適応をサポートする
地域産業保健
センター
都道府県・政令指定都市・中核都市などに設置
  • 産業保健総合支援センターが運営
  • 小規模事業所(主に労働者数50名未満)の支援
  • メンタルヘルス相談や産業保健相談を無料で実施
『ビジネスガイド』は、昭和40年5月創刊の労働・社会保険の官庁手続、人事労務の法律実務を中心とした月刊誌(毎月10日発売)です。企業の総務・人事・労務担当者や社会保険労務士等を読者対象とし、労基法・労災保険・雇用保険・健康保険・公的年金にまつわる手続実務、助成金の改正内容と申請手続、法改正に対応した就業規則の見直し方、労働関係裁判例の実務への影響、人事・賃金制度の構築等について、最新かつ正確な情報をもとに解説しています。ここでは、同誌のご協力により、2017年12月号の記事「外部機関との連携がポイント!ケーススタディ ハラスメント相談と発達障害」を掲載します。『ビジネスガイド』の詳細は、日本法令ホームページへ。

【執筆者略歴】
●長部 ひろみ(おさべ ひろみ)
ソーシャルサポートオフィスシトラス代表。東京労働局雇用均等室で、次世代育成支援対策推進法「くるみんマーク」認定に関与。クライエント企業の労務管理のサポートと同時に、ストレスチェックの実施、訪問カウンセリング等、社員のメンタルヘルス支援、セミナー講師としても活動している。シニア産業カウンセラー、精神保健福祉士資格保有。21世紀職業財団客員講師、ハラスメント防止コンサルタント。
事務所HPは、http://www.osabe-sr.jp/

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カスハラ
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