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『ビジネスガイド』提携

生活型、付合い型、独りよがり型、抱え込み型…etc
“タイプ別”残業時間削減のテクニックとその進め方 (2/5ページ)

日本能率協会総合研究所 広田 薫

2013/11/18

3.残業の九つのタイプ-その傾向と対策

【1】一見してムダだとわかる残業

「一見してムダだとわかる残業」には、「生活残業」「罰ゲーム残業」「付合い残業」「ダラダラ残業」「成行きまかせ残業」の五タイプがあります。

(1)生活残業

生活費やローンの返済に残業代を当て込んでいるために、大して仕事もないのに残業したがる社員が、あなたの周りにいないでしょうか? 以前、「家を新築してから早く家に帰るようになりました」「それでは残業代が稼げないから住宅ローンが大変だね」「それでも早く帰りたいほど良い家なんです」といった一戸建て住宅のテレビCMがありました。これは、まさしく住宅ローン返済のための“生活残業”を奨励するものです。そもそも残業とは、業務が所定労働時間内に終わらないから発生するものであり、残業代を稼ぐためにするものではありません。こうした残業は、仕事の成果とは一切関係がありません。

こうした“生活残業”は、有無を言わさずに全廃しなければなりません。短時間で成果を上げた者が馬鹿を見ないよう、単なる在社時間ではなく、成果をしっかりと評価する風土をつくっていかなければなりません。

(2)罰ゲーム残業

あなたの周りに、「何でこの人、大した仕事もしていないのにいつも遅くまで残っているのだろう?」という社員がいたら、“罰ゲーム残業”を疑ってみるとよいでしょう。“罰ゲーム残業”とは、あまり成果を上げておらず、成果を上げていないことに「後ろめたさ」を感じている方が陥りやすい残業のパターンです。成果を上げている人が遅くまで会社に残って働いているので、成果を上げていない自分が早く帰るわけにはいかない、せめて会社に居残り、成果を上げている人と同じ時間を共有することで成果の出ない罰を受けようという屈折した感情にとらわれてしまっているのです。

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このタイプへの対策としては、そもそも会社に長くいることで成果が出せていないことの責任を取るような非合理な風土を壊していく、もしくは、はじめから作らないことが肝要です。そのためには、上司は、こうした社員が会社に残って何をしているのかを明らかにし、それが成果と結び付かない行動であれば、即刻やめさせ、早く帰らせることから始めなければなりません。早く帰って、自分が成果を上げるにはどうしたらよいのかを考えてもらったほうが、よほど本人のため、また会社のためになります。まずは、早く帰ることの「後ろめたさ」を振り切らせてやり、そのうえで、成果を出すにはどうすればよいのかを自らが考えるように促すのです。

(3)付合い残業

“付合い残業”とは、上司や同僚が残業しているとつい付き合って残業してしまい、なかなか退社しないことを言います。こうした“付合い残業”が恒常化すると、職場に早く帰りづらい雰囲気ができてしまい、残業するのが当たり前という風土になってしまうので注意が必要です。

こうした“付合い残業”を減らしていくためには、まずは上司自ら仕事が早く終わったら定時に帰ることから始めましょう。上司は、部下が心配であるがゆえに遅くまで会社に残っているケースが多いものですが、逆にそれが部下の負担になっていることを知らなければなりません。上司は、部下の仕事をフォローするならしっかりする、しないなら早く帰るといったメリハリをつけ、それにより相互の馴合いと依存心を排除し、自立・自律した社員の集合体としての職場づくりに邁進するのです。

(4)ダラダラ残業

勤務時間中、仕事をしているのかと思いきやネットサーフィンをして時間を潰していたり、休憩室でいつも私用メールを送ったりしている、ある時は同僚とのムダ話にうつつを抜かしており、結果として終業時刻までに仕事が終わらず残業してしまう。残業中も、仕事に集中しているかと思えば夜食を食べに出たきり1時間も帰って来ない。このように、仕事の密度が薄く、いつまでも仕事の区切りを付けられずにダラダラ仕事をしていることを、その名の通り“ダラダラ残業”と言います。

では、なぜダラダラと仕事をしていることを放置しておいてはいけないのでしょうか。それは、ダラダラと仕事をしていると、それが癖になってしまうからです。一旦ついてしまった癖はなかなか抜けません。いざという時にしっかりやればよいと思っても、頭と身体がついて来ず、結局思いのほか時間がかかってしまって締切りに間に合わなかった、ということになってしまうからです。

それでは、こうした“ダラダラ残業”をなくすにはどうすればよいのでしょうか。まずやらなければならないのは、残業を行う場合に、残業でどのような仕事をいつまで行うのかを事前に申請させることです。残業の発生要因がダラダラした仕事ぶりのせいであれば、当人は上司に対して残業で行う仕事の内容をうまく説明できないでしょう。残業を事前申告制にし、上司がその内容を精査したうえで残業を承認するという仕組みを回すことだけでも、“ダラダラ残業”は減少していくものです。

同時に、“ダラダラ残業”をしている社員一人ひとりの仕事の仕方を正していかなければなりません。具体的には、ダラダラと仕事をしている社員に対して、仕事の密度を濃くしていくように促すのです。具体的な方法としては、毎朝、その日に自分がやらなければならない仕事を洗い出させ、終業時刻までに終わらせるにはそれぞれの仕事にどのくらいの時間をかければよいのかを見積もらせたうえで、仕事に取り掛からせるのです。そして、終業時刻になったら予定時間の見積りと実際にかかった時間との差異をチェックさせ、時間が超過した場合にはその理由と反省点を考えさせましょう。こうした作業を毎日繰り返し行い、習慣付けさせることによって、毎朝立てる予定時間の見積りが徐々に正確になっていき、自ずと予定時間内に仕事が収まるようになっていくものです。

(5)成行きまかせ残業

納期の前日に、遅くまで残業するのは当たり前でしょうか。そもそも時間に追われて良い仕事ができるでしょうか。締切りぎりぎりに仕事を終えたときの達成感、解放感を味わいたいがゆえに、本来求められる仕事の質や正確さを犠牲にしてはいないでしょうか。

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“成行きまかせ残業”とは、そもそもスケジュールも満足に立てずに仕事をしているので、締切り間際になっても仕事が終わらず、結局遅くまで残業をしなければならないことを言います。

確かに、締切りが近づけば近づくほど集中力を発揮して、仕事をあっという間に終わらせてしまう人がいるのも事実でしょう。ただし、そういう人であっても、しばらく経ってからもう一度見直してみると、「ああすればよかった、こうすればよかった」という反省点が出てくることもまた事実なのではないでしょうか。

それでは、どうすればよいのでしょうか。締切り間際にバタバタと仕事をせざるを得ないからといって、納期にゆとりを持たせても意味がありません。いくら納期にゆとりがあっても、直前まで仕事に取りかからないのでは、残業に頼らざるを得ないことには変わらないからです。夏休みが四十日間もあるのに、八月末まで取りかからない小学生の宿題と同じです。

こうした“成行きまかせ残業”を防ぎ、納期を前にして余裕を持って仕事を見直す時間を確保するために重要なのは、納期直前にバタバタと仕事をしているときについ思うことを思い返し、忘れずに実行に移すことです。それは「もっと早くから手をつけておけばよかった」ということです。「納期」、すなわち「いつまでに終えればよいのか」を意識するのではなく、「いつから始めればよいのか」を常に意識してスケジュールを組むのです。仕事を請けたら、たとえ納期までかなりの時間があったとしても、その時点で、仕事のゴール、アウトプットのイメージや方向性、押さえるべきポイントを考え、早い段階で仕事の全体像を描いてしまいます。そのうえで、締切りから逆算して大まかなスケジュールを立ててしまうのです。スケジュールを立てる際には小さな締切りをいくつか設けて、その締切りを目指して、いつから手をつけるかを決めていくことが、“成行きまかせ残業”から脱却するためには欠かせません。重要なのは「いつから始めるか」なのです。


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*****さんがその他の感想でオススメしました
2013/11/19

以前日経新聞に残業の分類は出ていましたが、より詳細で
大変参考になりました。

*****さんがその他の感想でオススメしました
2013/11/19

当社で労務関係の仕事に従事していまして、残業削減は命題です。36協定の関係もあり苦慮しています。『意識改革』の一環として活用させていただきます。

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